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金融

横断ナレッジ03_業界別KPIカタログ

目次
  1. 1. 定義と本質
  2. 2. 計算式・データソース
  3. 銀行の主要 KPI
  4. 保険の主要 KPI
  5. 3. 業界別の典型レンジ・落とし穴
  6. 業態別の特徴
  7. 落とし穴
  8. 4. 実例(既存業界レポートとリンク)
  9. 5. 自分への問い(理解度確認 3問)
  10. 関連

金融(銀行・保険)

1. 定義と本質

銀行: 預金を集め、貸出・有価証券投資で運用する金融仲介業。保険: 保険料を集め、運用と保険金支払で利益を出すビジネス。両者とも「負債が原資」「規制業種」の点で他業種と決定的に異なる。

業態の二分:

FP&A視点の本質: 「自己資本比率規制(BIS規制 / SMR / ESR)」「金利リスク」「信用コスト」「逆ザヤ」が決定要因。一般事業会社の財務分析の枠組みは通用しない。


2. 計算式・データソース

銀行の主要 KPI

KPI 計算式 典型レンジ
業務純益 業務粗利益 − 営業経費 開示
OHR(経費率) 経費 / 業務粗利益 50-70%
預貸金利ザヤ 貸出利回り − 預金利回り 0.5-1.5%
不良債権比率 不良債権 / 総貸出 1-3%
信用コスト率 信用コスト / 平均貸出 0.1-0.5%
自己資本比率 Tier1 / リスクアセット 8-15%
ROE 純利益 / 自己資本 5-10%
PBR 株価 / BPS 0.3-0.7(地銀は0.3-0.5)

保険の主要 KPI

KPI 計算式 典型レンジ
ESR(経済価値ベース SMR) 自己資本/必要資本 150-300%
損害率(損保) 保険金 / 保険料 60-70%
事業費率(損保) 事業費 / 保険料 25-35%
コンバインドレシオ 損害率 + 事業費率 95-105%
新契約 ANP(生保) 新契約年換算保険料 開示
エンベディッドバリュー(EV、生保) 修正純資産 + 保有契約価値 時価ベース

3. 業界別の典型レンジ・落とし穴

業態別の特徴

業態 PER PBR ROE 主要リスク
メガバンク 8-12倍 0.5-0.8 6-8% 金利リスク・与信集中
地銀 7-10倍 0.3-0.5 4-6% 地域経済・統合圧力
信託 10-15倍 0.7-1.0 7-10% 資産運用残高
損保 10-15倍 0.7-1.2 8-12% 自然災害・リスク管理
生保 8-12倍 0.4-0.7 6-9% 金利上昇・解約
ネット銀行 15-25倍 1.5-3.0 10-15% 成長性・信用コスト

落とし穴

  1. 売上=経常収益で他業種比較不能: 銀行の経常収益は受取利息含む → 売上ではなく業務純益で見る
  2. OCI(その他包括利益)の振れ: 有価証券評価益が大きい → 会計利益と経済利益の乖離
  3. 金利上昇のシナリオ依存性: 緩やかな上昇は利ザヤ改善、急激な上昇は債券評価損
  4. 自然災害ショック: 損保は数年に一度の大災害で利益が吹き飛ぶ
  5. 逆ザヤ(生保の構造問題): 高利回り保証契約の残存 → 運用利回りで吸収できない
  6. PBR 1.0 倍未満の常態化: 自己資本が積み上がるが運用先がない → 株主還元強化が必要
  7. 規制変化の影響: バーゼル III、IFRS 17、ESR 等の規制で財務指標が大きく変わる

4. 実例(既存業界レポートとリンク)


5. 自分への問い(理解度確認 3問)

  1. 銀行の PBR が 0.5 倍であることをどう解釈するか? 「割安」と「構造的な低評価」の違いを説明せよ。
  2. 金利が 1% 上昇した場合、メガバンクの業績にどう影響するか? 短期(債券評価損)と中期(利ザヤ改善)の両方で。
  3. 損保の自然災害リスクをどう評価すべきか? 単年の高損害率を一時的と見るか、構造的悪化と見るかの判定基準は?

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