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FP&Aカード共通スキーマ

横断ナレッジ00_共通スキーマ

目次
  1. 目的
  2. 1. 収益ドライバー式
  3. 定義
  4. 業界別の記述例
  5. 銘柄別の記述例(架空例)
  6. 空欄許容ルール
  7. 横断ナレッジへのリンク
  8. 2. コスト構造原型
  9. 定義
  10. 業界別の記述例
  11. 銘柄別の記述例(架空例)
  12. 空欄許容ルール
  13. 横断ナレッジへのリンク
  14. 3. 運転資本論点
  15. 定義
  16. 業界別の記述例
  17. 銘柄別の記述例(架空例)
  18. 空欄許容ルール
  19. 横断ナレッジへのリンク
  20. 4. 資本集約度
  21. 定義
  22. 業界別の記述例
  23. 銘柄別の記述例(架空例)
  24. 空欄許容ルール
  25. 横断ナレッジへのリンク
  26. 5. 適切な評価手法
  27. 定義
  28. 業界別の記述例
  29. 銘柄別の記述例(架空例)
  30. 空欄許容ルール
  31. 横断ナレッジへのリンク
  32. 6. 経営の打ち手
  33. 定義
  34. 業界別の記述例
  35. 銘柄別の記述例(架空例)
  36. 空欄許容ルール
  37. 横断ナレッジへのリンク
  38. 7. 規制・産業政策
  39. 定義
  40. 業界別の記述例
  41. 銘柄別の記述例(架空例)
  42. 空欄許容ルール
  43. 横断ナレッジへのリンク
  44. このスキーマの今後

FP&Aカード共通スキーマ

目的

このスキーマは、FP&A(Financial Planning & Analysis)視点で業界・銘柄を横断比較するための共通の見取り図である。
7つの項目を通じて、業界レポートと銘柄レポートが同じ構造で記述され、比較可能性を担保する。

空欄を恥じない — データが取れない指標は無理やり作らない。「(要調査)」「(Phase 2で実証)」と明記する。不完全なデータより、正直な空欄が分析の信頼性を高める。


1. 収益ドライバー式

定義

売上高を構成要素に分解する式。
「売上 = ? × ? × ?」の形で表現し、その業界・企業の収益が何に依存しているかを可視化する。
FP&A視点では、成長の源泉と限界を特定し、予算編成・フォーキャストの基盤を提供する。

業界別の記述例

SaaS 売上 = ARR(期首) + 新規ARR − 解約ARR + 既存顧客拡張ARR = MRR × 12 × 顧客数 × ARPA(顧客あたり平均売上) → 成長レバーは「新規獲得」「チャーン抑制」「アップセル」の3つ

製造業(装置産業) 売上 = 受注残高 × 稼働率 × 単価 × 為替(輸出比) = 生産能力(キャパシティ) × 稼働率 × ASP(平均販売単価) → 短期は稼働率・為替、中期は受注残・キャパシティ拡張が鍵

商社 売上 = 取扱数量 × 単価 × 為替 + 手数料収益 → 売上規模は大きいが利益は薄い。収益ドライバーは「取扱量」より「マージン率」にあるケースが多い

不動産 売上 = 賃貸面積 × 賃料単価 × 稼働率 + 分譲売上 → 安定部門(賃貸)と波及部門(分譲)の二本柱

金融(銀行) 売上 = 貸出金残高 × 貸出金利 − 預金残高 × 預金金利 + 手数料収益 → 金利収益が主。純金利(NIM)の動向が至上命題

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業A(SaaS型SIer): 売上 = SES人数 × 単価 × 稼働率 + ライセンス売上 成長レバーはSES人員の増員と単価改定。稼働率は98%で頭打ち、人員増が主軸。

架空企業B(精密部品メーカー): 売上 = 受注残高 × 稼働率 × ASP × 為替 直近の売上減は為替逆風(円高)が主因。受注残は堅調だが為境ヘッジの限界に注意。

空欄許容ルール

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2. コスト構造原型

定義

業界・企業のコスト構造を分類し、固定費と変動費の比率、スケールメリットの有無、レバレッジの方向性(営業レバレッジ vs 財務レバレッジ)を特定する。
FP&A視点では、損益分岐点(BEP)の把握と、増収時の利益感応度の予測に不可欠。

業界別の記述例

装置産業型(半導体・化学・鉄鋼)

SaaS型(ソフトウェア・クラウド)

サービス業型(コンサル・SIer)

在庫商売型(商社・小売)

レバレッジ型(金融・不動産)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業C(受注型製造業): 装置産業型。固定費比率約65%。 営業レバレッジが高く、受注増の年度は営業利益率が急拡大する一方、 受注減の年度は赤字転落リスクがある。

空欄許容ルール

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3. 運転資本論点

定義

DSO(売上債権回転日数)・DIO(棚卸資産回転日数)・DPO(仕入債務回転日数)の3要素とCCC(Cash Conversion Cycle = DSO + DIO − DPO)を通じて、企業のキャッシュ循環効率を評価する。
FP&A視点では、営業CFの質(利益とCFの乖離要因)の特定と、運転資本最適化によるキャッシュ創出力の評価に不可欠。

業界別の記述例

SaaS

製造業

商社

不動産

金融(銀行)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業D(建設業): CCC約180日。 DSOが長い(完成検査後の支払いが90-120日)、DIOは在建工事が主。 完成工事未収入金の回収リスクが最大の運転資本論点。

空欄許容ルール

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4. 資本集約度

定義

事業の展開にどれだけの資本(設備・投資)が必要かを評価する。
設備投資/減価償却比(投資の拡大・維持・縮小の判定)、固定資産回転率(資産効率)、ROIC vs WACC(価値創造判定)の3つの視点から分析する。
FP&A視点では、成長に必要な投資規模の予測と、投資効率(1円投じて何円の利益を生むか)の評価に不可欠。

業界別の記述例

SaaS

製造業(装置産業)

商社

不動産

金融(銀行)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業E(半導体部品メーカー): 設備投資/減価償却比1.4。
恒常的な設備更新が必要な装置産業型。
ROIC 12% vs WACC(要調査)。
固定資産回転率0.8倍とやや重いが、高単価・高利益率でカバー。

空欄許容ルール

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5. 適切な評価手法

定義

業界・企業の特性に応じた第一義的な評価指標を特定する。
PER、EV/EBITDA、DCF、NCAV(純流動資産価値)、Sum-of-the-Parts(SOTP)のいずれが最適かを判定する。
FP&A視点では、不適切な評価指標の使用による投資判断の誤りを防ぐ。

業界別の記述例

SaaS

製造業

商社

不動産

金融(銀行)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業F(キャッシュリッチな中小型IT企業): 第一指標: 標準NC比率 + 広義NCAV比率(バリュー投資枠) 補助指標: EV/EBITDA(NC控除後)、CN-PER PER単独ではNC過剰の影響で過大評価になるリスクあり。

空欄許容ルール

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6. 経営の打ち手

定義

マネジメントが取り得る戦略レバーを列挙し、その実行可能性と期待効果を評価する。
M&A、値上げ、自社株買い、増配、R&D投資、海外展開、事業撤退、コスト削減等の選択肢がある。
FP&A視点では、経営陣の資本配分能力の評価と、シナリオ分析への反映に不可欠。

業界別の記述例

SaaS

製造業

商社

不動産

金融(銀行)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業G(大型株主がいる中型IT企業): 最大の打ち手は「大型株主との資本政策協議」。
NC XX億円の活用方法が最大の経営課題。
自社株買い・増配は即時可能だが、M&Aは大型株主の意向に依存。

空欄許容ルール

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7. 規制・産業政策

定義

業界に効く規制、税制、政府支援、地政学リスクを体系的に整理する。FP&A視点では、外部環境変化が業績に与える影響の定量評価と、リスクシナリオの構築に不可欠。

業界別の記述例

SaaS

製造業(半導体)

商社

不動産

金融(銀行)

銘柄別の記述例(架空例)

架空企業H(防衛関連部品メーカー): 最大の規制要因は「防衛装備移転三原則」の緩和動向。
防衛費GDP1%枠の見直し(2023年以降の増額トレンド)が直接利益。
一方で、特定国への輸出規制強化はリスク要因。

空欄許容ルール

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このスキーマの今後

  1. Phase 2(実証): 既存の業界レポート・銘柄レポートにこのスキーマを適用し、空欄の箇所を実際のデータで埋める
  2. Phase 3(横断比較): 7項目を基準に業界間・銘柄間の比較表を作成
  3. Phase 4(演習統合): 演習フォーマットと組み合わせて「自分への問い」による定着を図る
  4. Phase 5(自動化検討): EDINET MCP + Web検索による自動入力可能性を評価
  5. Phase 6(スキル自動化): 共通スキーマの記入を自動化するスキルの構築

注: SES(システムエンジニアサービス)=客先常駐SE。ソフトウェア開発委託の請負とは異なり、準委任契約。