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C-2_ケースクイズ

横断ナレッジ04_演習・チェックリスト

目次
  1. 🟦 問題1(初級): 評価手法の選択
  2. 問題
  3. ヒント
  4. 模範解答
  5. 採点観点
  6. 復旧リンク
  7. 🟨 問題2(中級): 業態判定 ─ 財務サマリーから業種を推定
  8. 問題
  9. ヒント
  10. 模範解答
  11. 採点観点
  12. 復旧リンク
  13. 🟨 問題3(中級): サイクル位置の判定
  14. 問題
  15. ヒント
  16. 模範解答
  17. 採点観点
  18. 復旧リンク
  19. 🟥 問題4(上級): 同業2社の比較 ─ どちらに投資するか
  20. 問題
  21. ヒント
  22. 模範解答
  23. 採点観点
  24. 復旧リンク
  25. 🟥 問題5(上級): CFO として緊急提言を作成せよ
  26. 問題
  27. ヒント
  28. 模範解答
  29. 採点観点
  30. 復旧リンク
  31. ケースクイズ サマリー
  32. 関連

C-2 ケースクイズ

企業名・業界名を伏せた財務サマリーや状況記述から、業態・業界・サイクル位置・適切な評価手法を推定する判断問題集。
標準フォーマット: 演習フォーマット(4点セット + 3レベル制) 合格基準: 各問題70点以上。
優秀基準: 85点以上。


🟦 問題1(初級): 評価手法の選択

所要時間目安: 10 分

問題

以下のプロファイルを持つ企業 X に対して、最も適切な第一指標を1つ選び、理由を説明しなさい。

企業 X のプロファイル:

選択肢:

  1. PER(Price to Earnings Ratio)
  2. EV / EBITDA
  3. EV / ARR(Revenue Multiple)
  4. PBR(Price to Book Ratio)
  5. EV / NCAV

ヒント

模範解答

選択: ③ EV / ARR

理由:

  1. 営業利益はマイナスのため PER は計算不能(分母がゼロ以下)
  2. EBITDA もマイナスのため EV/EBITDA も不適
  3. 事業の本質価値は「積み上がったサブスクリプション収益の持続性」にある。ARR 72 億が収益の主体
  4. NRR 115% は「既存顧客だけで年 15% の自然成長」を示す良質なビジネス → ARR ベースの評価が信頼できる
  5. Rule of 40 チェック: 成長率 45% + 利益率(−10%)= 35% → 基準 40% には届いていない

補足:

採点観点

# 観点 配点 合格基準
1 正解選択 30 ③ EV/ARR を選択(②も部分可・理由次第)
2 不正解の除外理由 20 PER・EV/EBITDA が使えない理由を明示
3 業界文脈 20 SaaS 固有指標(ARR / NRR / Rule of 40)に言及
4 データ出典 15 FP&Aカード共通スキーマ §5 または SaaS §評価手法 を引用
5 投資判断 15 ランウェイ計算(15 ヶ月)への言及

復旧リンク

TIP

不合格の場合: SaaS §評価手法 と FP&Aカード共通スキーマ §5 を復習


🟨 問題2(中級): 業態判定 ─ 財務サマリーから業種を推定

所要時間目安: 25 分

問題

以下の2社(A社・B社)の財務サマリーを見て、それぞれの業態(SaaS型 / SIer型人月 / 半導体装置 / 電子部品量産)を判定し、判断根拠を各社 3 点ずつ挙げなさい。

A 社(直近期):

指標 数値
売上高 620 億円
営業利益率 62%
1人あたり売上(連結) 1.2 億円
設備投資 / 売上比 1.8%
棚卸資産回転日数(DIO) 5 日
売上債権回転日数(DSO) 32 日
前受収益(BS) 72 億円
現金及び預金 180 億円

B 社(直近期):

指標 数値
売上高 420 億円
営業利益率 13%
1人あたり売上(連結) 2,800 万円
設備投資 / 売上比 4.5%
棚卸資産回転日数(DIO) 195 日
売上債権回転日数(DSO) 45 日
前受収益(BS) 3 億円
受注残高 350 億円(売上の 0.83 倍)

ヒント

模範解答

A 社: SaaS 型

根拠:

  1. 営業利益率 62%: SaaS の高マージン構造(SIer 5-15%、装置産業 10-20%)。物理在庫なしのソフトウェア業態特有
  2. DIO 5 日: 棚卸資産がほぼゼロ。ソフトウェアには物理在庫がないため
  3. 前受収益 72 億円 / 売上比 11.6%: サブスクリプション年払いの前払いが積み上がっている。SaaS の典型的 BS 構造
  4. (補足)1人あたり売上 1.2 億円は SaaS 上位クラス(SIer業界基礎ガイド_詳細版 §6 の SIer 上位は ~5000 万円)

オービック(4733)が近いプロファイル(実際: 営業利益率 64.6%)

B 社: 半導体製造装置(ニッチ型)

根拠:

  1. DIO 195 日: 仕掛品(製造途中の装置)が巨大。半導体装置は受注から納品まで 6-18 ヶ月かかる典型
  2. 受注残高 350 億 / 売上 0.83 倍: 受注残高が売上と同規模。典型的な受注産業の構造。製造業 §Book-to-Bill 参照
  3. 営業利益率 13%: 半導体装置ニッチ型の中位(大手装置 15-25%、ニッチ型 10-20%)
  4. (補足)設備投資 / 売上比 4.5% は半導体装置の典型レンジ(3-7%)

タツモ(6266)に近いプロファイル(2025.12 期: 営業利益率 13.5%、DIO 159 日、設備投資 4.3%)

採点観点

# 観点 配点 合格基準
1 業態正解(A・B各15) 30 A=SaaS型、B=半導体装置型 の両方正解
2 根拠の完全性 20 各社3点ずつ(計6点)の根拠を数値と連動して記述
3 業界文脈 20 業態別の典型値(利益率・DIO等のレンジ)と対比
4 データ出典 15 関連スキーマ・横断ナレッジ(SaaS / 製造業)を引用
5 投資判断 15 「業態が違えば評価手法も変わる」という洞察を記述

復旧リンク

TIP

不合格の場合:


🟨 問題3(中級): サイクル位置の判定

所要時間目安: 30 分

問題

以下は半導体製造装置メーカー C 社の 5 期分の財務データである。
現在(直近期)のサイクル位置(底打ち回復 / 上昇中 / ピーク / 調整局面)を判定し、適切な評価手法と株価への期待値を述べなさい。

項目 5期前 4期前 3期前 2期前 直近期
売上高(億円) 180 230 310 380 340
営業利益率 8% 12% 16% 18% 14%
営業 CF(億円) -12 -8 5 65 72
棚卸資産(億円) 95 140 185 155 120
受注残高(億円) 210 280 350 310 290
会社予想売上高(来期) 330

ヒント

模範解答

サイクル位置の判定: 調整局面(底値付近、ただし悪化継続中)

根拠の整理:

指標 方向 解釈
売上高 380 → 340(-10.5%) ピーク通過後の下落局面
営業利益率 18% → 14% 売上減に対し固定費が先行
棚卸資産 185 → 120(-35%) 大型案件が納品完了し仕掛品が急減
受注残高 350 → 290(-17%) 新規受注が減少中。底打ちはまだ先
営業 CF -12 → +72 納品集中で急改善(サイクル後半の典型)

サイクル解釈(5期の流れ):

  1. 5-4期前: 受注拡大 → 棚卸急増 → CF赤字(仕込み期)
  2. 3-2期前: 売上・利益ピーク → CF黒字転換(納品集中)
  3. 直近期: 売上・利益ともに減少、受注残も減少 → 調整局面に入っている
  4. 棚卸 120 億はまだ高水準。来期さらに圧縮されれば CF は維持できるが、受注回復なしでは 2 期後に再び仕掛品不足に陥る

来期予想(330 億)への評価:

適切な評価手法:

採点観点

# 観点 配点 合格基準
1 サイクル位置正解 30 「調整局面 / 底値付近」の判定と方向性が正しい
2 根拠の完全性 20 棚卸・受注残・CF の3指標を使ってサイクルを説明
3 業界文脈 20 「受注残高が売上の先行指標」等の半導体装置特有の構造への言及
4 データ出典 15 製造業 または FP&Aカード共通スキーマ を引用
5 投資判断 15 評価手法の切り替え(PER→PBR/EV)とカタリストを特定

復旧リンク

TIP

不合格の場合: 製造業 §受注産業・Book-to-Bill と 類似企業比較分析(CCA) §サイクル考慮 を復習


🟥 問題4(上級): 同業2社の比較 ─ どちらに投資するか

所要時間目安: 50 分

問題

以下の同業2社(SIer型ITサービス)のデータから、FP&A視点での比較分析を行い、どちらに投資するかを理由付きで選択しなさい(正解は1つではなく、論拠の質が評価される)。

P 社(大手グループ系 SIer):

指標 数値
時価総額 5,000 億円
売上高 6,000 億円(前年比 +5%)
営業利益率 11%
リカーリング売上比率 55%
ROE 14%
1人あたり売上 3,500 万円
PER 18 倍
EV/EBITDA 9.5 倍
配当利回り 1.8%
のれん 1,200 億円

Q 社(独立系 SIer・中堅):

指標 数値
時価総額 900 億円
売上高 800 億円(前年比 +12%)
営業利益率 14%
リカーリング売上比率 70%
ROE 20%
1人あたり売上 4,200 万円
PER 22 倍
EV/EBITDA 11 倍
配当利回り 0.9%
のれん 0 円

ヒント

模範解答

比較マトリクス(FP&A 7項目対比):

FP&A 項目 P 社(大手) Q 社(独立中堅) 優位
収益ドライバー 売上 6,000 億の規模 + グループ受注基盤 売上 800 億・+12% 高成長 Q(成長率)
コスト構造 利益率 11%(人月依存高め) 利益率 14%(効率高い) Q
運転資本 大企業相手・DSO 長め 中小企業向けも多く DSO 短め傾向 不明(要調査)
資本集約度 ROE 14%、のれん 1,200 億(減損リスク) ROE 20%、のれんゼロ(M&A依存なし) Q
評価手法 PER 18倍・EV/EBITDA 9.5倍 PER 22倍・EV/EBITDA 11倍 P(割安)
経営の打ち手 グループ依存→独立顧客獲得が課題 成長投資継続が前提 互角
規制・産業政策 官公庁案件・DX 政策恩恵大 民間中心・ニッチ特化 P(官公庁)

投資選択の論拠:

推奨: Q 社 (ただし前提付き)

Q 社を選ぶ理由:

  1. ROE 20% vs P 社 14%: 同一資本で生み出す利益が Q 社の方が 43% 高い
  2. リカーリング比率 70% > 55%: 収益の安定性・予測可能性が高く、キャッシュフローの確度が高い
  3. のれんゼロ: 減損リスクなし。利益の質が高い(P 社は M&A コストを利益から回収中)
  4. 成長率 12% > 5%: 将来の絶対利益額が追いついてくれば、PER の割高は解消する
  5. PEG レシオ: Q 社 PER 22 ÷ 成長率 12% = 1.83、P 社 PER 18 ÷ 成長率 5% = 3.60 → 成長調整後では Q 社の方が割安

P 社を選ぶ理由(反論):

  1. 時価総額・売上規模が大きく、安定性・流動性が高い
  2. 配当利回り 1.8% は Q 社(0.9%)の 2 倍。インカム投資家向き
  3. 官公庁・大企業からの安定受注基盤はシクリカルリスクを下げる

留意点:

採点観点

# 観点 配点 合格基準
1 比較の構造化 30 2社を複数指標で対比するテーブルまたは同等の分析
2 FP&A 7項目への言及 20 少なくとも3項目(収益ドライバー・ROE・評価手法)を活用
3 業界文脈 20 リカーリング比率・のれんリスク・PEG レシオ等の SIer 固有論点
4 データ出典 15 FP&Aの勘所 §5 を引用
5 投資判断 15 「どちらが優れているか」ではなく「自分のポートフォリオ目的に合うか」の視点

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TIP

不合格の場合: FP&Aの勘所 §5-6 と 類似企業比較分析(CCA) を復習


🟥 問題5(上級): CFO として緊急提言を作成せよ

所要時間目安: 60 分

問題

以下のシナリオを読み、あなたが R 社の CFO としてとるべき緊急アクションを3つ提案しなさい。
各アクションについて (a) 目的、(b) 実行方法、(c) 財務インパクトの方向性、(d) リスク を記述すること。

シナリオ: R 社(中堅半導体部品メーカー)

ヒント

模範解答

R 社の緊急財務状況の整理:

リスク項目 深刻度 根拠
資金ショートリスク 🔴 高 現預金 25 億 ÷ 固定費 4 億 = 6.3 ヶ月。設備投資 20 億を加えると 2-3 ヶ月でキャッシュアウト
損益分岐点割れ 🔴 高 稼働率 42% < BEP 70%。毎月赤字を垂れ流している
棚卸評価損リスク 🟠 中 15 億円の評価損リスクは現預金 25 億の 60%。引当金計上で自己資本が毀損
有利子負債返済 🟡 中 2 年後 30 億円返済。今なら交渉余地あり

緊急アクション1: 設備投資の即時停止・繰延


緊急アクション2: メイン銀行への早期交渉(リファイナンス)


緊急アクション3: 在庫の即時評価損計上 + 棚卸消化加速


CFO としての優先順位:

  1. 即日: 設備投資停止判断 → メイン銀行 CFO / 融資担当へのアポ取り
  2. 1ヶ月以内: 在庫評価・棚卸精査完了 → 評価損計上・銀行交渉本格化
  3. 3ヶ月以内: リファイナンス完了 + 事業ポートフォリオ見直し(自動車・産業機器向けへのシフト)

採点観点

# 観点 配点 合格基準
1 財務状況の正確な把握 30 ランウェイ計算・BEP 割れ・棚卸評価損の3点が明示されている
2 アクションの具体性 20 3つのアクションに (a)-(d) が全て揃っている
3 業界文脈 20 「CFO が先手を打つタイミング」「BEP稼働率と固定費」等の論点
4 データ出典 15 限界利益と損益分岐点 / 運転資本・キャッシュコンバージョン を引用
5 CFO 視点 15 短期(キャッシュ確保)と中期(事業再建)の優先度が明確

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TIP

不合格の場合:


ケースクイズ サマリー

問題 難易度 テーマ 想定時間
1 🟦 初級 評価手法の選択(SaaS) 10 分
2 🟨 中級 業態判定(財務サマリーから推定) 25 分
3 🟨 中級 サイクル位置の判定(半導体装置) 30 分
4 🟥 上級 SIer 同業2社比較・投資選択 50 分
5 🟥 上級 CFO として緊急アクション3つ提案 60 分
175 分

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