演習フォーマット
目次
演習フォーマット
業界レポート・銘柄レポートに付随する演習問題の標準フォーマット。 「自分への問い」による定着と、FP&A視点の実践的トレーニングを目的とする。
演習4点セット(必須)
すべての演習問題は以下の4要素を含むこと:
1. 問題文
- 何を問うかを明確に記述
- 必要な前提データ(財務数値等)を付与するか、参照先を明記
- 「(要調査)」のデータを前提とする問題は避ける
2. ヒント
- 解法の方向性を示す(解答そのものは書かない)
- 使用する公式・定義の名称を列挙
- どのデータソース(有報のどの箇所等)を参照すべきかを示唆
3. 模範解答
- 計算過程を全て明記(途中式・単位変換を省略しない)
- 実在企業のデータを使う場合は企業名・期を明記
- 結論に至る論理ステップを番号付きで記述
4. 採点観点(5項目)
| # | 観点 | 配点 | 合格基準 |
|---|---|---|---|
| 1 | 計算の正確性 | 30点 | 計算過程が正しく最終答が一致 |
| 2 | 手順の完全性 | 20点 | 必要な全ステップを漏れなく記述 |
| 3 | 業界文脈の理解 | 20点 | 数値が業界特性と整合しているか |
| 4 | データ出典の明記 | 15点 | 使用データの出典(有報箇所等)を記載 |
| 5 | 投資判断への接続 | 15点 | 結果が投資判断にどう活きるかを記述 |
合格基準: 70点以上 優秀基準: 85点以上
3レベル制(難易度バッジ)
初級(あおバッジ 🟦)
- 位置づけ: 用語・公式の理解確認
- 想定所要時間: 10-15分
- 例: 「DSOの計算式を書きなさい」「営業利益率を計算しなさい」
- 合格基準: 計算正確性40点 + 手順完全性30点 + その他30点
中級(きバッジ 🟨)
- 位置づけ: 実データを用いた計算・分析
- 想定所要時間: 20-30分
- 例: 「有報データからCCCを計算し、業界平均と比較しなさい」
- 合格基準: 標準5項目採点
上級(あかバッジ 🟥)
- 位置づけ: 複合判断・経営提案
- 想定所要時間: 45-60分
- 例: 「ROIC vs WACCを算出し、価値創造/毀損を判定した上で経営提案を作成しなさい」
- 合格基準: 標準5項目 + 経営提案の具体性(ボーナス20点、総合90点以上で優秀)
不合格時の戻り先リンク
不合格の場合は、学習すべき基礎概念に戻るリンクを提示する:
演習種別雛形
C-1: 計算問題
標準構成: 初級2問 / 中級2問 / 上級1問(計5問)
初級例
問題: XYZ社の最新期データ(売上高100億円、売上債権25億円)からDSOを計算しなさい。
ヒント: DSO = 売上債権 ÷ 売上高 × 365
模範解答: DSO = 25 ÷ 100 × 365 = 91.3日
採点観点:
- 計算正確性(30点): 91.3日 ± 1日
- 手順完全性(20点): 公式→代入→計算の順
- 業界文脈(20点): 「製造業のDSO 60-120日の範囲内」等の言及
- データ出典(15点): 「有報BS 売上債権、PL 売上高」
- 投資判断(15点): 「DSOが長い→与信管理の改善余地」
中級例
問題: XYZ社の3期データからCCCを計算し、トレンドを分析しなさい。 (3期分の売上債権・棚卸資産・仕入債務・売上高・売上原価のデータを付与)
ヒント: CCC = DSO + DIO − DPO。各指標の年次推移をテーブル化してから分析。
模範解答: (計算過程付きテーブル + トレンド分析)
上級例
問題: XYZ社のROICとWACCを推計し、価値創造判定を行いなさい。 さらに、ROICを5%改善するための経営提案を1つ作成しなさい。
ヒント: ROIC = NOPAT ÷ 投下資本。WACCの推計方法は WACC算出 を参照。
模範解答: (ROIC算出 + WACC推計 + 比較 + 経営提案)
C-2: ケースクイズ
標準構成: 初級1問 / 中級2問 / 上級2問(計5問)
初級例
問題: 以下の企業プロファイルに最も適した評価手法を選びなさい:
- 売上100億円、営業利益−5億円(赤字)、ARR 80億円、成長率40%
ヒント: FP&Aカード共通スキーマ の「適切な評価手法」セクションを参照。
模範解答: EV/Revenue(P/S倍率)が第一指標。利益が出ていないためPERは無意味。 Rule of 40(40% + (-5%) = 35%)でほぼ基準クリア。
中級例
問題: A社(製造業)とB社(SaaS)のBS比較から、コスト構造原型を推定しなさい。 (両社の簡易BSを付与)
上級例
問題: ある製造企業の受注残高が売上の2.5倍に急増している。 この状況におけるリスク3つと対応策を、運転資本・設備投資・人員の観点から提案しなさい。
C-3: 自分への問い(毎回3問必須)
レポートの末尾に必ず3問を配置する。これらは「演習」ではなく「リフレクション」である。
### 自分への問い
1. **この企業の最大の強みは何か?** それが5年後も強みであり続けるための条件は?
2. **自分ならこの企業に投資するか?** その判断の根拠を3行で説明せよ。
3. **この分析で一番難しかった概念は何か?** それを自分の言葉で1段落で説明せよ。
演習テンプレート使用時の注意
- データの実在性: 可能な限り実在企業の有報データを使用する
- 空欄の許容: データが取れない場合は「(要調査)」とし、演習問題から除外する
- 難易度の明示: 各問題に 🟦🟨🟥 バッジを付与する
- 解答の独立性: 各問題が独立して解けるようにする(前問の解答を前提としない)
- 出典の一貫性: 模範解答で使用するデータは本文中の出典と整合させる