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不動産

横断ナレッジ03_業界別KPIカタログ

目次
  1. 1. 定義と本質
  2. 2. 計算式・データソース
  3. 主要 KPI
  4. NAV 計算
  5. 3. 業界別の典型レンジ・落とし穴
  6. 業態別の特徴
  7. 落とし穴
  8. 4. 実例(既存業界レポートとリンク)
  9. 5. 自分への問い(理解度確認 3問)
  10. 関連

不動産

1. 定義と本質

不動産業は、土地・建物の取得・開発・賃貸・売却を行う業界。レバレッジ型ビジネスであり、有利子負債の活用が利益の源泉。

業態の三分:

FP&A視点の本質: 「NAV(Net Asset Value)」「キャップレート(還元利回り)」「LTV(Loan-to-Value)」「FFO(Funds From Operations)」が中心指標。
一般事業会社の PER 評価は使えない。


2. 計算式・データソース

主要 KPI

KPI 計算式 典型レンジ
キャップレート 純営業収益 / 物件価格 都心オフィス3-5% / 郊外住宅5-8%
LTV 有利子負債 / 物件評価額 30-50%(健全)/ 50-70%(積極)
FFO 純利益 + 減価償却費 − 売却損益 開示
AFFO FFO − 設備投資 − 仲介手数料 配当原資
NOI 利回り NOI / 取得価格 4-7%
稼働率 稼働床面積 / 総床面積 95-98%
含み益(時価−簿価) 開示 大手数千億

NAV 計算

NAV = 物件時価 + 投資有価証券時価 + 現金 − 有利子負債 − その他負債
NAV per Share = NAV / 発行済株式数
PNAV = 株価 / NAV per Share

PNAV 0.7-1.0 が典型レンジ。1.0 超は割高、0.7 未満は割安(ただし含み益の信頼性次第)。


3. 業界別の典型レンジ・落とし穴

業態別の特徴

業態 PER PBR PNAV ROE 配当性向
総合デベ大手 10-15倍 0.8-1.2 0.7-1.0 6-9% 25-35%
マンション分譲 6-10倍 0.7-1.2 0.8-1.2 10-15% 20-40%
中堅・専業 8-12倍 0.6-1.0 0.6-0.9 5-10% 20-30%
J-REIT NM NA 0.85-1.10 5-7%(NAV利回り) 95-100%

落とし穴

  1. PER 不適切: 不動産は分譲利益のタイミングで PER が振れる → NAV / FFO で見る
  2. 含み益の質: 含み益は「売れば顕在化」する利益だが、売る予定がなければ評価できない
  3. 金利上昇リスク: LTV が高い企業は金利 1% 上昇で利益が大幅減 → 感応度必須
  4. キャップレート上昇: キャップレート上昇は物件価格下落 → 含み益消失
  5. マンション市況の循環: 在庫回転型は市況悪化で在庫評価損
  6. REIT のスポンサー依存: スポンサーの優良物件供給が止まると成長が止まる
  7. 時価会計と簿価会計のミックス: J-REIT は時価開示、デベは簿価 → 同列比較困難

4. 実例(既存業界レポートとリンク)


5. 自分への問い(理解度確認 3問)

  1. PNAV 0.6 倍の総合デベを「割安」と判断する条件は何か? 含み益の信頼性をどう検証するか?
  2. 金利が 1% 上昇した場合、LTV 60% の企業の純利益はどう影響するか? 簡易試算してみよ。
  3. J-REIT は配当 90% 超で利益課税回避だが、これが意味する経営者の自由度の制約は何か?

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