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サービス業主要プレイヤー比較

【経済・サービス業】サービス業プレイヤー比較

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目次
  1. 1. 比較の枠組み
  2. 比較対象とその選定理由
  3. 評価軸
  4. 2. 全社財務サマリー(最新FY)
  5. 3. 財務比較(5か年推移)
  6. 売上高推移(億円)
  7. 営業利益推移(億円)
  8. 純利益推移(億円)
  9. 営業利益率推移(%)
  10. ROE推移(%)
  11. 営業キャッシュフロー推移(億円)
  12. 自己資本比率推移(%)
  13. 有利子負債推移(億円)
  14. D/Eレシオ推移(倍)
  15. 配当性向推移(%)
  16. 1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)
  17. 4. セグメント別収益構成(最新期)
  18. 5. 各社個別評価
  19. 6. 比較サマリー — どこが勝っているか
  20. 評価マトリクス
  21. 勝者と理由
  22. 注目すべき構造変化
  23. 関連レポート

サービス業主要プレイヤー比較


このページの読み方

サービス業(HR・人材/警備・ストック型/テーマパーク/広告エージェンシー)の上場5社を横断比較します。**結論は §6「どこが勝っているか」**にあります。

  1. §1–2 枠組み・全社サマリー — 比較軸と最新期(FY2025)の主要指標(詳細な財務マトリクスは折りたたみ)
  2. §3 財務比較 — 成長性・収益性・キャッシュ・健全性・株主還元を5か年推移+グラフで
  3. §4–5 セグメント・各社個別評価 — 業態構成と各社の個別評価(集約図に集約)
  4. §6 総合評価 — 多軸ヒートマップで「どこが勝っているか」を結論づけ

サービス業の5社は専門分野が全く異なる(HR・人材/警備/テーマパーク/広告)ため、業態ごとに収益ドライバー・評価指標が根本的に異なる。
会計基準も混在(リクルート・パーソル・電通=IFRS、セコム・オリエンタルランド=JGAAP)。電通グループはFY2025に大型のれん減損(約4,026億円)で営業損失・純損失を計上しており、同社の比率は一時的な異常値である点に留意。


1. 比較の枠組み

比較対象とその選定理由

# 企業名 業態 選定理由
1 リクルートホールディングス HR・マッチング 国内サービス業最大の収益性。Indeed/GlassdoorのグローバルHRプラットフォーム。実質無借金でROE25.3%
2 パーソルホールディングス 人材サービス 国内最大級の総合人材サービス。売上1.4兆円。Staffing/Career/Asia Pacificで多角化
3 セコム 警備・セキュリティ 警備のトップ。月次ストック収入モデルの代表格。自己資本比率67.5%の要塞型BS
4 オリエンタルランド テーマパーク 国内唯一の上場テーマパーク企業(東京ディズニーリゾート)。営業利益率25.3%の高収益・高固定費構造
5 電通グループ 広告エージェンシー 国内最大・世界有数の広告グループ。FY2025は大型のれん減損で営業損失・純損失。通常期の地域利益率は10〜20%

注: 5社は「単一のサービス業」ではなく業態が全く異なる企業の集合。
共通項は「サービス業TOPIXセクターに属する国内上場大手」であること。
広告媒体費・人材給与・警備機器など運転資本の性質も業態ごとに異質で、横並び比較は限定的。

評価軸

本レポートでは以下の観点で各社を評価する:


2. 全社財務サマリー(最新FY)

データ基準日: 財務 = 各社 FY2025 / 株価 = 2026-05-17 単位: 金額は億円、比率は %、EV/EBITDA は倍。
自己資本比率・ROE・D/E の分母は**自己資本 = 純資産 − 非支配持分(親会社株主帰属持分)**で統一。
会社公表の自己資本比率と一致する。
電通グループFY2025は大型のれん減損(約4,026億円)により営業損失・純損失を計上しており、ROE▲87.4%・自己資本比率11.7%は一時的な異常値。

指標 FY2025
リクルートホールディングス
FY2025
パーソルホールディングス
FY2025
セコム
FY2025
オリエンタルランド
FY2025
電通グループ
売上高 35,575 14,512 11,999 6,794 14,352
営業利益 4,905 574 1,443 1,721 ▲2,892
営業利益率 13.8% 4.0% 12.0% 25.3% ▲20.2%
純利益 4,085 359 1,081 1,242 ▲3,276
ROE 25.3% 18.9% 7.5% 12.7% ▲87.4%
自己資本比率 58.3% 35.1% 67.5% 67.9% 11.7%
営業CF 6,104 689 1,678 1,954 1,180
EV/EBITDA

業態典型値チェック: リクルート(HR・実質無借金)はROE25.3%・営業利益率13.8%でサービス業最高水準。
オリエンタルランド(テーマパーク)は営業利益率25.3%の高収益、自己資本比率67.9%。
セコム(警備ストック)は営業利益率12.0%・自己資本比率67.5%の安定型。
パーソル(人材派遣)は営業利益率4.0%と薄いがROE18.9%。電通グループはFY2025の大型減損で全社赤字——営業損失2,892億・純損失3,276億で、ROE・利益率はマイナスだが、これは一時要因(FY2026はV字回復計画)。

📊 最新期 財務マトリクス(科目 × 全5社/クリックで展開)

単位: 金額は億円(円÷1億・四捨五入)。DSO/DIO/DPO/CCC は日数、利益率・自己資本比率・ROE は %、EV/EBITDA は倍。FYは全社 FY2025。

科目 FY2025
リクルートホールディングス
FY2025
パーソルホールディングス
FY2025
セコム
FY2025
オリエンタルランド
FY2025
電通グループ
【PL】
売上高 35,575 14,512 11,999 6,794 14,352
売上原価 14,718 11,191 8,288 4,062 2,377
営業利益 4,905 574 1,443 1,721 ▲2,892
営業利益率 13.8% 4.0% 12.0% 25.3% ▲20.2%
純利益 4,085 359 1,081 1,242 ▲3,276
【CF】
営業CF 6,104 689 1,678 1,954 1,180
減価償却費 1,092 330 706 654 746
【資産】
流動資産 14,704 3,000 9,688 5,254 23,014
売掛金 5,651 1,798 1,699 306 18,183
棚卸資産 453 276 95
現預金 8,086 828 4,084 1,884 2,952
有形固定資産 549 107 4,492 8,206 230
のれん 5,081 701 588 3,201
総資産 27,723 5,397 21,456 14,385 32,068
【負債・純資産】
流動負債 8,022 2,662 3,793 2,359 21,452
買掛金 3,775 995 411 236 16,554
固定負債 3,427 672 3,185 2,252 6,136
総負債 11,547 3,501 6,978 4,611 28,319
有利子負債 10 303 721 2,167 4,682
純資産合計 16,176 1,896 14,477 9,774 3,748
非支配持分
自己資本 16,176 1,896 14,477 9,774 3,748
自己資本比率 58.3% 35.1% 67.5% 67.9% 11.7%
D/E比 0.00 0.16 0.05 0.22 1.25
【運転資本】
DSO(日) 52 16 462
DIO(日) 20 25 15
DPO(日) 18 21 2,542
CCC(日) 54 20 ▲2,065
【収益性】
ROE 25.3% 18.9% 7.5% 12.7% ▲87.4%
EV/EBITDA(倍)

出典: EDINET DB get_financials(XBRL直接・FY2025)。
金額は円→億円換算(円÷1億・四捨五入)。自己資本=純資産−非支配持分。
自己資本比率=自己資本÷総資産、ROE=純利益÷期末自己資本、D/E=有利子負債÷自己資本

リクルート・パーソルは売上原価区分非開示によりCCC等は「—」。電通グループのCCC▲2,065日は広告代理店特有の媒体未払金(買掛金1.6兆円・DPO2,542日)で運転資本が大幅マイナスになる構造
各社 総資産=総負債+純資産合計 を検証済み。


3. 財務比較(5か年推移)

計算規約・出典(クリックで展開)
  • 出典は EDINET DB get_financials(XBRL直接・各社有報 FY2021〜FY2025)。金額は円→億円換算(円÷1億)。すべて生データからの導出で推測値は含まない。
  • 自己資本 = 純資産 − 非支配持分。自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産。ROE = 純利益 ÷ 期末自己資本。D/E = 有利子負債 ÷ 自己資本。配当性向 = 配当総額 ÷ 純利益。
  • 電通グループはFY2024〜FY2025に大型減損(FY2025はのれん減損約4,026億円)で営業損失・純損失を計上。同社のFY2025比率(ROE▲87.4%等)は一時的な異常値で、FY2026はV字回復計画。FY2021の電通売上52,565億は会計区分変更前の取扱高ベースを含む特殊期で、以降は純額表示。
  • 各社 総資産 = 総負債 + 純資産 を検証済み。

5か年推移は 行 = 企業 / 列 = 年 で表示(前年比の把握が容易)。最新期の全科目は §2 直下のトグル「最新期 財務マトリクス」を参照。

📈 3-1 成長性 売上・営業利益・純利益(5か年)

売上高(棒・左軸)と営業利益(線・右軸)の5か年推移(5社)

売上高推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025 4Y CAGR
リクルートホールディングス 22,693 28,717 34,295 34,165 35,575 +11.9%
パーソルホールディングス 9,507 10,609 12,426 13,271 14,512 +11.2%
セコム 10,359 10,499 11,013 11,547 11,999 +3.7%
オリエンタルランド 1,706 2,757 4,831 6,185 6,794 +41.3%
電通グループ 52,565 12,464 13,046 14,110 14,352 -27.7%

オリエンタルランドが4Y CAGR+41.3%でトップ——COVID-19でFY2021に1,706億まで縮小した反動と、ホテル新施設開業が重なり急回復。
リクルート・パーソルは+11%台の安定成長、セコムは成熟業態で+3.7%。
電通の-27.7%はFY2021が会計区分変更前の取扱高ベース(5.3兆円)を含む特殊期で、FY2022以降は1.2〜1.4兆円台で推移しており実質は緩やかな成長。

営業利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 1,628 3,789 3,443 4,025 4,905
パーソルホールディングス 257 481 428 521 574
セコム 1,369 1,435 1,367 1,407 1,443
オリエンタルランド ▲460 77 1,112 1,654 1,721
電通グループ 2,418 1,176 453 ▲1,250 ▲2,892

リクルートはFY2021の1,628億からFY2025の4,905億へ3倍増益(HRプラットフォームのスケール効果)。
オリエンタルランドはFY2021の営業損失▲460億からFY2025の1,721億へ完全復活。電通グループはFY2023の黒字453億から減損計上が連続し、FY2024▲1,250億・FY2025▲2,892億の営業損失(FY2025はのれん減損約4,026億円が直撃)。
セコムは1,400億前後の安定。

純利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 1,314 2,968 2,698 3,537 4,085
パーソルホールディングス 153 319 228 300 359
セコム 747 943 961 1,020 1,081
オリエンタルランド ▲542 81 807 1,202 1,242
電通グループ 1,084 598 ▲107 ▲1,922 ▲3,276

リクルートは純利益も4,085億まで拡大し5社中最大。
セコム・オリエンタルランドは1,000億超で安定。電通グループはFY2023以降3期連続で純損失が拡大し、FY2025は▲3,276億の大幅赤字(減損による自己資本毀損が後述の自己資本比率急低下の主因)。

💰 3-2 収益性 営業利益率・ROE

営業利益率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 7.2 13.2 10.0 11.8 13.8
パーソルホールディングス 2.7 4.5 3.4 3.9 4.0
セコム 13.2 13.7 12.4 12.2 12.0
オリエンタルランド ▲27.0 2.8 23.0 26.7 25.3
電通グループ 4.6 9.4 3.5 ▲8.9 ▲20.2

セコムは5期連続で12〜14%の安定水準——ストック型警備契約が景気変動に強い。
オリエンタルランドはFY2021の▲27.0%(休園期)からFY2024の26.7%ピークを経てFY2025は25.3%の高収益。
リクルートは着実に改善。電通グループはFY2025に▲20.2%の営業損失率(減損)で、通常期(FY2022の9.4%)との乖離が一時要因の大きさを物語る。

ROE推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 12.0 21.8 16.6 17.7 25.3
パーソルホールディングス 8.8 19.3 13.4 15.6 18.9
セコム 6.1 7.5 7.3 7.3 7.5
オリエンタルランド ▲7.1 1.1 9.7 12.7 12.7
電通グループ 12.8 6.8 ▲1.3 ▲27.6 ▲87.4

リクルートのROEはFY2025で25.3%——純利益増加と継続的な自己株購入による自己資本効率が両輪。
パーソルも18.9%と高水準で、人材サービス2社の資本効率が際立つ。
セコムは高自己資本比率がROEの上限を構造的に抑制し7%台で安定。電通グループのROE▲87.4%は純損失▲3,276億÷毀損後の自己資本3,748億による異常値で、FY2026以降の業績回復が前提となる。

💵 3-3 キャッシュ創出 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフロー推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 2,866 4,396 4,382 5,354 6,104
パーソルホールディングス 368 507 690 778 689
セコム 1,819 1,649 1,464 1,658 1,678
オリエンタルランド ▲238 546 1,677 1,977 1,954
電通グループ 1,397 809 753 600 1,180

リクルートは営業CF6,104億で5社中最大、これが自己株購入・成長投資の原資。電通グループは純損失にもかかわらず営業CFは1,180億のプラス——減損は非現金費用のため、キャッシュ創出力自体は維持されている(赤字=資金枯渇ではない好例)。
オリエンタルランドはFY2021の営業CF▲238億からFY2025の1,954億へ回復。

CCC(運転資本の重さ)横棒

🛡️ 3-4 財務健全性 自己資本比率・有利子負債・D/E

自己資本比率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 49.7 56.3 58.2 63.6 58.3
パーソルホールディングス 45.5 35.3 34.7 37.1 35.1
セコム 66.0 65.8 66.2 66.8 67.5
オリエンタルランド 73.0 69.6 68.8 70.1 67.9
電通グループ 22.7 23.5 23.2 19.9 11.7

有利子負債推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 1,128 606 353 14 10
パーソルホールディングス 550 513 341 303
セコム 657 672 639 686 721
オリエンタルランド 1,562 2,426 2,110 1,490 2,167
電通グループ 5,792 5,324 4,944 5,473 4,682

D/Eレシオ推移(倍)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス 0.10 0.04 0.02 0.00 0.00
パーソルホールディングス 0.33 0.30 0.18 0.16
セコム 0.05 0.05 0.05 0.05 0.05
オリエンタルランド 0.21 0.32 0.25 0.16 0.22
電通グループ 0.69 0.60 0.59 0.79 1.25

バランスシート構成(各社・総資産=100%/資産は上から流動資産→固定資産の標準BS構造)

セコム・オリエンタルランドは自己資本比率67〜68%の要塞型BSで、有利子負債もごく軽微(D/E0.05〜0.22)。
リクルートは実質無借金(有利子負債10億・D/E0.00)でネットキャッシュ潤沢。
パーソルは35%台でM&A・アジア展開を反映。電通グループは減損による自己資本毀損で自己資本比率がFY2024の19.9%からFY2025の11.7%へ急低下、D/Eも1.25へ上昇(有利子負債4,682億に対し自己資本3,748億)——5社中で財務の傷つきが最も大きい。

🎁 3-5 株主還元・1株価値 配当性向・EPS/BPS

配当性向推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
リクルートホールディングス
パーソルホールディングス
セコム
オリエンタルランド
電通グループ

配当総額データが当キャッシュからは非取得のため配当性向は「—」(捏造補完はしない)。
リクルートは配当に加え大規模な自己株購入を株主還元の柱とする。
電通はFY2025の純損失下でも配当維持方針だが、ここでは数値非掲載。

1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)

社名 最新FY EPS(円) BPS(円)
リクルートホールディングス FY2025 261.2 1,034.3
パーソルホールディングス FY2025 15.7 83.2
セコム FY2025 231.7 3,102.7
オリエンタルランド FY2025 69.0 542.9
電通グループ FY2025 ▲1232.5 1,410.3

EPS = 純利益 ÷ 期末発行済株式数(自己株式控除後)、BPS = 自己資本 ÷ 同。電通グループのEPS▲1,232.5円はFY2025の純損失を反映(BPSは1,410.3円を維持)。
損失・自己株購入で5か年時系列は連続比較できないため最新期のみ掲載。


4. セグメント別収益構成(最新期)

社名 主要セグメント 収益構成・特色 補足
リクルートホールディングス HR Technology / Matching & Solutions / Staffing HR Technologyが利益の8割超を稼ぐ。Staffingは売上規模は大きいが利益率は薄い Indeed・Glassdoor等のグローバルプラットフォーム
パーソルホールディングス Staffing / Asia Pacific / Career / BPO / Technology Careerが高利益率。Asia Pacificが成長牽引 テンプスタッフ(派遣)とインテリジェンス(紹介)を中核に5セグメント
セコム セキュリティサービス / 防災 / BPO-ICT / メディカル / 保険 / 地理空間 セキュリティサービスが主力で高利益率。月次契約の解約率は極めて低いストック型 BPO-ICTへ大型CAPEX投資中
オリエンタルランド テーマパーク / ホテル 両セグメントとも25〜28%の高利益率。ホテルは新施設開業で急成長 ライセンスはウォルト・ディズニー・カンパニーとの契約に基づく
電通グループ 日本 / Americas / EMEA / APAC 各地域の通常期利益率は10〜20%と競争力がある。FY2025は減損で全社営業損失 FY2026のV字回復を計画中

5社は専門分野が全く異なる(HR/警備/テーマパーク/広告)ため、セグメントの金額横並び比較は意味を持たない
リクルートのHR Technology(プラットフォーム)とStaffing(労働集約型)の利益率格差は、プラットフォームが人月稼働型に対して構造的に優位に立つことを示す。
各社セグメント別金額の詳細は §2 財務マトリクス(折りたたみ)および各社有報を参照。


5. 各社個別評価

各社の個別評価サマリー(特色・強み・弱み・直近の動き)


6. 比較サマリー — どこが勝っているか

評価マトリクス

評価軸リクルートホールディングスパーソルホールディングスセコムオリエンタルランド電通グループ
成長性★★★★★★★★★★★★★★★★★★
収益性★★★★★★★★★★★★★★★★★
財務健全性★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ビジネスモデル★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
バリュエーション★★★★★★★★★★★★★★★
総合★★★★★★★★★★★★★★★★★★

★が多いほど高評価(5段階)。色が濃い緑=強み、赤=弱み。総合は5軸を踏まえた結論。

評価ポジショニング(営業利益率 × ROE、バブル=売上規模)

勝者と理由

リクルートホールディングスが全軸で最高水準の勝者である。
HRプラットフォーム(Indeed/Glassdoor)のスケール効果が全社営業利益率を13.8%・ROEを25.3%へ牽引。
有利子負債10億の実質無借金で営業CF6,104億という圧倒的な財務余力が、次の成長投資(AIマッチング強化・M&A)と継続的な自己株購入の原資になる。

オリエンタルランドはビジネスモデルの品質で別格
テーマパーク・ホテルの両セグメントで25〜28%の営業利益率は国内上場企業でも最高水準の一つ。
ブランドの非代替性(ディズニーキャラクターの唯一性)と立地の希少性が構造的参入障壁として機能する。
FY2021の営業損失▲460億から4年でV字回復させた事実がこの業態の強靭性を証明する。

セコムはリスク耐性の王者
月次警備契約の解約率が極めて低く、景気変動に対して安定したキャッシュフローを維持する。
自己資本比率67.5%・有利子負債ごく軽微の要塞型BSで財務余力も大きい。
成長率は3〜4%と成熟感があるが、投資対象としての信頼性は5社中最も高い。

パーソルホールディングスは改善余地のある中堅プレイヤー
アジア太平洋の高成長と転職支援のCareerが成長ドライバーだが、主力Staffingの利益率4.0%の改善が先決。
ROE18.9%は高く、相対的な割安感は機会となりうる。

電通グループはFY2025の大型減損が財務を直撃
のれん減損約4,026億円で営業損失2,892億・純損失3,276億を計上し、ROE▲87.4%・自己資本比率11.7%・D/E1.25と数値が大きく悪化した。
ただしこれらは一時要因であり、各地域セグメントの通常期利益率は10〜20%と競争力があり、営業CFも1,180億のプラスを維持。FY2026のV字回復計画の実現が株価・財務再評価の条件

注目すべき構造変化


関連レポート

出所・検証メタデータ(通常は閲覧不要。クリックで展開)
source: EDINET DB get_financials(XBRL直接)+ローカルEDINETスナップショット(XBRL由来・有利子負債の統一定義)
financials_fetched_at: 2026-06-21
period: 各社 FY2021〜FY2025
companies: リクルートホールディングス(E07801) / パーソルホールディングス(E21261) / セコム(E04773) / オリエンタルランド(E04707) / 電通グループ(E04760)
equity_basis: 自己資本 = 純資産 − 非支配持分(親会社株主帰属持分)。自己資本比率・ROE・D/E の分母に使用。会社公表の自己資本比率と一致
audit_fix: 2026-06-21 監査修正。B群: 自己資本比率を自己資本基準で統一・§3を11指標5か年へ拡張・CCC/BS明細を get_financials から実数化。リクルート・パーソルの売上原価区分非開示によりDSO/DIO/DPO/CCCは「—」。電通グループはFY2025の大型のれん減損(約4,026億円)で営業損失・純損失を計上しており、ROE・利益率・CCC・自己資本比率は一時的な異常値(事実ベース)
charts: services_sales_oi_trend / services_ccc / services_bs_mix / services_profitability / services_company_all