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輸送用機器セグメント分析_1_業態区分と市場規模

【経済・輸送用機器】輸送用機器セグメント分析更新 2026-06-14

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目次
  1. 1. Executive Summary
  2. 2. 市場定義とスコープ(業態区分)
  3. 2-1. 業態区分(4専門分野・15社)
  4. 3. 業態別 財務規模サマリー(FY2025・代表企業)
  5. 3-1. 読み解き
  6. 4. 競争構造(5フォース分析)
  7. 5. バリューチェーンと業態型P/L構造
  8. 5-1. 輸送用機器のバリューチェーン
  9. 5-2. 業態型P/L構造(費目恒等式)
  10. 5-3. 業態別コスト構造・運転資本(標準レンジ・推計)
  11. 関連レポート

輸送用機器セグメント分析(1/2)業態区分・市場規模・競争構造・バリューチェーン


このページの読み方

輸送用機器業を 専門分野(完成車/自動車部品/タイヤ/重工業) に分解し、業態区分・財務規模・競争構造(5フォース)・バリューチェーンを扱う第1部です。
FP&A 7項目断面・規制トレンド・シナリオ・投資視点は第2部(FP&A断面と投資視点)へ。
輸送用機器は業種タイプ1-A(製造業・消費財ブランド型)。売上原価・稼働率・為替感応度が適用され、電動化投資・防衛費・受注残が需要サイクルの先行指標になる。


1. Executive Summary


2. 市場定義とスコープ(業態区分)

2-1. 業態区分(4専門分野・15社)

業態(専門分野) 代表企業(本分析の主要対象) 特徴
完成車 トヨタ(IFRS)・ホンダ(USGAAP)・日産(IFRS)・スズキ(JGAAP)・SUBARU(JGAAP)・マツダ・三菱自 売上2.7〜48兆円。装置産業型・稼働率と為替が収益を支配
自動車部品 デンソー(JGAAP)・アイシン(JGAAP) トヨタ系列。EV化への製品転換が最大課題
タイヤ ブリヂストン(IFRS・12月)・住友ゴム(JGAAP・12月)・横浜ゴム(JGAAP・12月) OEM+リプレイスの二重市場。天然ゴム・原材料変動が費用を支配
重工業 三菱重工(JGAAP)・川崎重工(JGAAP)・IHI(JGAAP) 防衛・航空宇宙・エネルギー。受注残(バックログ)と進行基準が収益を支配

注: 完成車5社(トヨタ・ホンダ・日産・スズキ・SUBARU)を主軸にした俯瞰比較が輸送用機器主要プレイヤー比較。15社全データは輸送用機器主要プレイヤー比較_詳細版に収録。


3. 業態別 財務規模サマリー(FY2025・代表企業)

ROE・自己資本比率は輸送用機器主要プレイヤー比較§2(自己資本=純資産−非支配持分・監査済)に統一(プレイヤー比較収録社のみ監査済・非収録社は元データ由来)。
その他の指標は各社FY2025有報(CLIスナップショット)由来。
金額は億円・FY2025。表は指標=行・企業=列(プレイヤー比較§2と体裁統一)。
先頭の業態行で業態をグルーピングして読む。

指標 トヨタ スズキ 日産 ブリヂストン IHI
業態 完成車 完成車 完成車 タイヤ 重工業
売上高(億円) 480,367 58,252 126,332 16,268
営業利益率(%) 10.0 11.0 0.6 8.8
純利益(億円) 47,651 4,161 -6,709 1,310
ROE(%) 13.6 18.5 ▲13.5 23.4
自己資本比率(%) 37.4 37.6 26.1 21.5

業態典型値チェック: 完成車OPM 5〜12%・ROE 5〜15%(日産0.6%は構造改革中として注記)。
IHI ROE 23.4%は防衛特需による短期跳ね上がり(FY2024は-18.1%からの反転)。
タイヤ詳細はブリヂストン(12月決算・IFRS)のためFY2025比較が困難。輸送用機器主要プレイヤー比較_詳細版参照。

3-1. 読み解き


4. 競争構造(5フォース分析)

要因 完成車 自動車部品 タイヤ 重工業
既存競合の敵対 強(BYD等EV新興勢) 中(EV化で部品再編) 強(中国勢・原材料戦) 弱(防衛認定企業の寡占)
新規参入の脅威 中(テスラ・BYD等が参入) 中(EV新興企業のTier1化) 低(設備・ブランド障壁) 極低(防衛認定・長期技術)
代替品の脅威 中(BEV←ICE・MaaS) 高(ICE部品→EV部品代替) 低(タイヤ代替なし)
買い手(顧客)の交渉力 中(販売ネットワーク・消費者) 高(完成車OEMからの価格圧力) 中(OEMとリプレイスで差) 低(政府・航空会社)
売り手(資材調達)の交渉力 中(鋼板・半導体・バッテリー) 中(鋼材・電子部品) 中(天然ゴム・カーボンブラック) 低(長期固定契約多い)

構造的含意: 完成車はBYD等の中国EVメーカー参入でこれまでの参入障壁が劣化中。
部品(特にICE向け)はEV化で製品自体が代替されるリスク。
タイヤは参入障壁が高く、EV化はむしろ高付加価値EV専用タイヤという機会。
重工は防衛費増額(GDP 2%目標)が構造的な需要拡大要因——参入障壁が最も高い。


5. バリューチェーンと業態型P/L構造

5-1. 輸送用機器のバリューチェーン

資材調達(鋼板・樹脂・半導体・ゴム)→ 設計・R&D → 製造・組立 → 販売・流通 → アフターサービス(保守・部品・金融)
       ↓                  ↓             ↓             ↓                  ↓
  原材料市況・為替      電動化・自動化   稼働率・品質   ディーラー網・ブランド   リプレイス・修理収益
                                                    + 販売金融(トヨタFS等)   + 防衛・航空整備

5-2. 業態型P/L構造(費目恒等式)

売上総利益 = 売上高 − 売上原価(原材料・部品・外注・製造費)
営業利益   = 売上総利益 − 販管費(販売費・物流・広告・R&D)
当期純利益 = 営業利益 ± 営業外・特別損益 − 法人税

完成車は高い操業度感応度(稼働率が営業利益率を直接左右)。タイヤは原材料変動型(天然ゴム相場が半年〜1年遅れで利益率に影響)。重工は進行基準会計で売上・利益の計上タイミングが特殊(工事進捗に連動)。

5-3. 業態別コスト構造・運転資本(標準レンジ・推計)

業態 原材料・外注比率 R&D比率 操業度感応度 CCC(典型値・日)
完成車(量産) 65〜80% 3〜5% 20〜50(販売金融で歪みあり)
自動車部品 60〜75% 4〜6% 40〜80
タイヤ 40〜55% 2〜3% 80〜130(OEMとリプレイスで差)
重工業 50〜65% 3〜5% 案件依存(180日超もあり)

重工は「在庫」が「プロジェクト原価(仕掛工事)」に置換される進行基準会計のため、通常のDIOを使ったCCC算出が困難。業態別の運転資本論点は第2部§7-3で扱う。


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