大林組
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目次
- 1. 事業概要
- 業界の系統分解
- 大林組の事業構成
- 主要取引先
- 競争優位性の比喩的説明
- 大林組の固有事象・資本関係の詳細分析
- 業界のビジネスモデルと着目点
- 2. バリュエーション分析
- ⚠️ 時価総額・株価の基準
- 標準 NC(Net Cash)計算 — 5期推移(百万円)
- 広義 NCAV 計算 — 5期推移(百万円)
- CN-PER(キャッシュニュートラル PER)
- EV/EBITDA 分析
- EV/EBITDA 感度テーブル(NC 定義別・大林・現値)
- 成長率モデル適正 PER(参考)
- DCF 前提入力枠(空欄許容)
- バリュエーション乖離コメント
- 3. 財務分析
- PL — 5期+予想(百万円)
- BS — 5期(百万円)
- BS 詳細主要科目(百万円) — 5期
- CF — 5期(百万円)
- 減価償却費明細(百万円) — 5期
- 受注高・受注残高(受注産業=建設業)
- 運転資本分析(CCC)
- 配当推移 — 5期+予想
- 経営者予想精度(3期分)
- 健全性チェック(事業会社基準)
- 4. 同業他社比較
- 競合選定基準
- 最新期比較テーブル(FY2026)
- 競合 3期推移(売上・営業利益率)
- 運転資本効率(CCC)— 競合比較(FY2026)
- 5. リスク評価
- リスクマトリクス
- リスク因果関係
- 6. 投資判断
- バリュエーション乖離コメントの補強
- バリュエーション手法別の目標株価
- シナリオ別の詳細根拠
- カタリスト・タイムライン
- 7. 学習コーナー
- 📚 着眼点 1: なぜ大林組だけ「ネットキャッシュ」なのか
- 📚 着眼点 2: 受注残高(手持工事高)が示す将来の売上
- 📚 着眼点 3: 「採算改善」の正体=価格転嫁と選別受注
- 📚 着眼点 4: 政策保有株式の縮減と資本効率
- 📚 着眼点 5: 大林組の指標ポジショニング(相場観テーブル)
- 🤔 自分への問い
- 参考情報
- ガバナンス情報
- 大株主構成
- データソースの時点差
- 出典一覧
大林組(1802)銘柄分析レポート
大林組(スーパーゼネコン)は FY2026/3 に売上高 2兆5,862億円・営業利益 1,946億円(営業利益率7.5%)・純利益 1,737億円を計上し、営業利益は前期比 +36.6% と急回復した。
現値(2026-07-01・株価3,257円)時価総額 2兆2,389億円 は大型株。
予想 PER 14.3倍・予想 EV/EBITDA 9.1倍(標準NC控除後)はスーパーゼネコン4社で最も低い。
配当利回りは来期予想94円ベースで 2.89%。
標準NC比率 +6.5%(4社中唯一のネットキャッシュ・ポジション)、広義NCAV比率 8.4%。
健全性スコア 83/100(rating S)。
来期会社予想は減益(営利-7.5%)だが受注残高は積み上がっている。
| 指標 | 値 | 評価 |
|---|---|---|
| 時価総額 | 22,389 億円 | 大型 |
| 予 PER | 14.3倍 | 適正 |
| 予 EV/EBITDA | 9.1倍 | 割安 |
| 配当利回り | 2.89%(予想) | 中位 |
| 標準 NC 比率 | 6.5% | 中程度(プラス) |
| 広義 NCAV 比率 | 8.4% | 中程度 |
| 健全性スコア | 83/100 | 高い |
1. 事業概要
業界の系統分解
日本のゼネコン(総合建設業)は、売上規模と技術力で階層化されている。
最上位が「スーパーゼネコン」と呼ばれる5社(鹿島建設・大林組・大成建設・清水建設・竹中工務店)で、超高層ビル・大規模インフラ・原子力・海洋土木など、技術難度の高い大型案件を一括して受注・施工できる総合力を持つ。
次いで「準大手」(長谷工・五洋・前田・戸田など)、地域に根差す「中堅・地場ゼネコン」が続く。
スーパーゼネコンの強みは、設計・施工・エンジニアリングを内製で完結できる技術部隊と、長年の実績に裏打ちされた発注者の信頼、そして大型案件のリスクを引き受けられる財務体力にある。
弱みは、労働集約的な現場運営ゆえに技能労働者不足と資材高騰の影響を直接受けやすく、利益率が外部環境に左右される点である。
大林組はこの5社の一角で、特に「国内建築」に強みを持つ(大阪・関西の大型再開発、半導体・物流施設、超高層オフィスなど)。
土木では山岳トンネル・ダム・地下構造物の技術に定評があり、リニア中央新幹線のトンネル工事も受注している。
近年は海外(北米・東南アジア・オセアニア)と不動産・再生可能エネルギーへ事業ポートフォリオを広げ、「国内建設を中核としつつ、それ以外の事業が国内建設と同等以上の収益を生む」体制を中期的に目指している(出典: 大林組 中期経営計画2022 https://www.obayashi.co.jp/company/upload/img/mid_term_plan2022_J.pdf)。
大林組の事業構成
セグメント別売上構成(FY2026/3):
| セグメント | 売上高(百万円) | 構成比 | 営業利益(百万円) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 国内建築 | 1,138,762 | 44.0% | 104,088 | 9.14% |
| 海外建築 | 507,992 | 19.6% | 11,999 | 2.36% |
| 国内土木 | 426,623 | 16.5% | 40,925 | 9.59% |
| 海外土木 | 336,000 | 13.0% | 15,238 | 4.54% |
| 不動産 | 106,798 | 4.1% | 19,978 | 18.71% |
注: 報告5セグメント(その他・全社消去前)。
構成比は連結売上比。
国内建築は前期大型案件の反動で売上 −14.8% だが、採算改善で営業利益 +65.8%。
不動産が最も高い利益率(18.7%)、海外土木は売上 +34.2%・営利 +90.3% と高成長。
市場分野別の成長動向(FY2026/3 実績の方向性):
| 分野 | 評価 | 背景 |
|---|---|---|
| 国内建築(採算改善) | ◎ | 選別受注・価格転嫁で営業利益 +65.8%(売上は大型案件反動で −14.8%) |
| 海外土木 | ◎ | 売上 +34.2%・営利 +90.3%。MWH社(北米水インフラ)連結が寄与 |
| 不動産(開発物件売却) | ○ | 売上 +46.9%。利益率18.7%と最高だが売却益依存でブレやすい |
| データセンター・半導体施設(北米) | ◎(新規) | GCON社買収で本格参入 |
| 海外建築 | △ | 営利率2.36%と低位・前期比微減 |
注: 上表は EDINET 有報の最新通期(financials_as_of: 2026-03-31 = FY2026/3)に基づく。
TDNet 決算短信(2026-05-13 開示)の通期実績と同一年度であり、財務テーブル(PL/BS/CF/標準NC等 FY2022〜FY2026 の5期構成)と FY ラベルは整合している。
「前期/当期」の相対表記は用いず、全て FY2026/3 等の絶対表記とした。
主要取引先
建設業は単一顧客への依存が低い(FY2026/3 で総完成工事高の10%以上を占める相手先なし。FY2025/3 は東日本旅客鉄道が13.0%=高輪ゲートウェイシティ案件)。
主要発注者は、鉄道(JR東日本)、不動産デベロッパー(三菱地所・三井不動産系)、製造業(トヨタ自動車のWoven City、日本製鉄、ADEKA等の工場)、官公庁(公共土木)、そしてエンターテインメント(MGM大阪=大阪IRのMUSUBIホテル等を大林JVが担当、2030年完成予定)など多岐にわたる(出典: EDINET 有報 受注工事高、大阪市報道発表 https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/irsuishin/0000652204.html)。
取引の特徴は、大型・長工期・高難度案件で「替えの利かない」技術調達先となる点にある。
競争優位性の比喩的説明
スーパーゼネコンの堀(参入障壁)は、特許のような明示的なものではなく「これまで何を建ててきたか」という実績の蓄積にある。
発注者が数百億円・数年がかりの案件を任せるのは、過去に同種の建物・インフラを無事故で完成させた会社だけだ。
新規参入者は実績がないため大型案件を取れず、実績が積めないという循環に阻まれる。
さらに、工事中に問題が起きても賠償できる財務体力(大林の自己資本1.3兆円・ネットキャッシュ)が「城壁」として機能する。
料理店にたとえれば、ミシュラン星付きの常連客がつくのは「過去の料理の記憶」であり、新店が同じ値段では客を取れないのと同じ構造である。
大林組の固有事象・資本関係の詳細分析
大林組は2025年12月、米カリフォルニアの子会社ウェブコーを通じて、アリゾナ州を拠点とする建設会社GCON社(2003年設立・データセンター/半導体製造施設に強み)を全株式取得し子会社化した。
GCONの2024年12月期は売上約3億2,500万ドル(約480億円)・営業利益約2,000万ドル(約30億円)(出典: 日本M&Aセンター https://www.nihon-ma.co.jp/news/20251017_1802-3/、日経 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC172UI0X11C25A0000000/)。
狙いは明確で、生成AIの普及でデータセンター・半導体工場の建設需要が米南西部で急拡大しており、その「クリティカルエンバイロメント(高度な環境管理が要る施設)」分野に本格参入すること。
地理的にもウェブコー(加州)に隣接するアリゾナ州へ商圏を広げられる。
日本のゼネコンが国内の人口減・建設需要頭打ちを見越し、成長する米国市場をM&Aで取りに行く典型例といえる。
業界のビジネスモデルと着目点
ゼネコンの収益構造は「受注 → 工事進行(数か月〜数年)→ 完成引き渡し」で、工事進行基準により受注残高(手持工事高)が将来売上の先行指標になる。
利益率を決めるのは、(1) 受注時の見積もり精度、(2) 資材・労務費の変動を価格に転嫁できるか、(3) 追加・変更工事をどれだけ採算良く取り込めるか、の3点である。
2024〜2026年にかけてスーパーゼネコン各社の利益が急回復したのは、長く続いた資材高・労務費上昇の採算悪化局面が一巡し、「採算の合わない工事は受注しない」選別受注と価格転嫁がようやくPLに表れ始めたためである(出典: 日経ビジネス「受発注の力学逆転」 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00692/112700004/、アプリバンク決算分析 https://www.applibank.com/post/super-zenecon-5sha-2026-kessan/)。
大林組はこの局面で国内建築の採算を大きく改善させた。
2. バリュエーション分析
⚠️ 時価総額・株価の基準
バリュエーション指標の時価総額・株価は 現値マーケットデータ(market_data_as_of=2026-07-01、株価3,257円、時価総額2,238,932百万円、発行済687,421,514株) を使用。
EDINET get_company の marketCap(有報=期末固定値2,605,529百万=約2.61兆)は使わない(現値より約16%高く、バリュエーションが過大評価される)。
- 予想 PER = 現値時価総額 ÷ 予想純利益(157,000百万)= 14.3倍
- EV = 現値時価総額 + 純有利子負債(= −標準NC)
- 配当利回り = 来期予想配当94円 ÷ 3,257円 = 2.89%(実績88円ベース 2.70%)
- PBR = 3,257 ÷ 1,830.64 = 1.78倍
内部整合性チェック(±5%以内):
- 3,257円 × 687,421,514株 = 2,238,932百万 → 時価総額と一致 ✓
- 予想PER 14.3 × 予想EPS 228.39 = 3,266円 ≒ 3,257円 ✓
- PBR 1.78 × BPS 1,830.64 = 3,258円 ≒ 3,257円 ✓
標準 NC(Net Cash)計算 — 5期推移(百万円)
有利子負債 = 短期借入金 + 1年内償還予定社債 + 長期借入金 + 社債。投資有価証券・リース債務・CP は除く。
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 現預金 | 249,317 | 405,633 | 326,688 | 380,169 | 416,028 |
| 短期有価証券 | 5,988 | 7,285 | 8,430 | 11,410 | 9,791 |
| 有利子負債 | 197,375 | 261,221 | 249,756 | 285,212 | 279,577 |
| 標準 NC | 57,930 | 151,697 | 85,362 | 106,367 | 146,242 |
| 標準 NC比率(現値時価総額比) | — | — | — | — | 6.5% |
注: 標準NC比率は直近期NC(146,242)÷現値時価総額(2,238,932)= 6.5%。
5期一貫してプラスのネットキャッシュ。
MD&A 開示の FY2026 有利子負債残高3,440億円(=344,000百万)はリース債務・CP 等を含む広義値で、本表の狭義有利子負債(279,577)と定義が異なる。
広義 NCAV 計算 — 5期推移(百万円)
広義 NCAV = 流動資産 + 投資有価証券 × 0.7 − 負債合計
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 流動資産 | 1,395,517 | 1,505,551 | 1,689,137 | 1,809,460 | 1,778,543 |
| 投資有価証券×0.7 | 236,583 | 214,599 | 295,808 | 218,090 | 237,525 |
| 負債合計 | 1,433,172 | 1,574,048 | 1,823,874 | 1,832,577 | 1,826,983 |
| 広義 NCAV | 198,928 | 146,102 | 161,071 | 194,973 | 189,085 |
| 広義 NCAV比率(現値時価総額比) | — | — | — | — | 8.4% |
CN-PER(キャッシュニュートラル PER)
| 指標 | 値 |
|---|---|
| 予想 PER | 14.3 倍 |
| 標準 NC 比率 | 6.5% |
| CN-PER(標準 NC ベース) | 13.3 倍 |
| 参考: CN-PER(広義 NCAV ベース) | 13.1 倍 |
注: CN-PER =(時価総額 − NC)÷ 予想純利益。NC比率が小さい(6.5%)ため、予想PER 14.3倍との差は小さい。
EV/EBITDA 分析
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費。大林は現値時価総額・現値EV。競合はEDINET参考marketCap(期末固定値)基準のため大林とは時点が異なる(注記)。
| 指標 | 大林組(現値) | 鹿島建設(参考) | 大成建設(参考) | 清水建設(参考) |
|---|---|---|---|---|
| 時価総額(億円) | 22,389 | 31,323 | 26,274 | 19,935 |
| 標準 NC(億円) | +1,462 | −4,405 | −1,444 | −598 |
| EV(億円) | 20,927 | 35,728 | 27,719 | 20,533 |
| EBITDA(億円) | 2,310 | 2,743 | 2,047 | 1,522 |
| EV/EBITDA | 9.1 | 13.0 | 13.5 | 13.5 |
注: 大林は4社で唯一のネットキャッシュ(+1,462億)でEVが時価総額を下回り、EV/EBITDAが最も低い。
競合は時価総額が期末固定値である点に留意(大林も期末marketCap=2.61兆を使えば EV/EBITDA は約10.7倍)。
EV/EBITDA 感度テーブル(NC 定義別・大林・現値)
| NC 定義 | NC(億円) | EV(億円) | EV/EBITDA |
|---|---|---|---|
| 標準 NC(現預金+短期有価証券−有利子負債) | +1,462 | 20,927 | 9.1 |
| 広義 NCAV(流動資産+投資有価証券×0.7−負債合計) | +1,891 | 20,498 | 8.9 |
成長率モデル適正 PER(参考)
理論 PER = 1 / (r − g)。r = 株主資本コスト(仮定 8%)。
| 成長率仮定 | 理論 PER | 備考 |
|---|---|---|
| g = 0%(ゼロ成長) | 12.5 倍 | PER 下限の目安 |
| g = 3%(インフレ並み) | 20.0 倍 | |
| g = 5%(中程度成長) | 33.3 倍 | |
| 大林組 過去5期純利益CAGR | 発散 | 実績CAGR +45.2%(FY2022→FY2026)は r を超え、定常成長モデル適用不可(FY2022が利益のボトムで基準が低いため。持続的成長率ではない点に注意) |
注: 純利益CAGR +45.2% は FY2022(営業利益率2.1%・利益ボトム)からの回復局面を含むため、定常成長率としては使えない。
中期的には来期会社予想(純利益 −9.6%)が示すとおり利益はピークアウト方向。
DCF 前提入力枠(空欄許容)
⚠️ 自信が低い前提は 要調査 のまま。勝手に数値を生成しない。
- Ke = Rf + β × ERP(Rf=日本10年国債利回り、β=要調査、ERP=5-6%)
- Kd税引後 = 支払利息 / 有利子負債 × (1 − t)
- WACC = Ke × E/(E+D) + Kd(税引後) × D/(E+D)
| 項目 | 値 | 出典/備考 |
|---|---|---|
| 無リスク金利(%) | 要調査 | 10年国債利回り |
| β | 要調査 | get_analysis にβなし・建設セクター類似企業から推定 |
| 市場リスクプレミアム(%) | 5-6 | 日本市場慣行値 |
| 株主資本コスト Ke(%) | 要調査 | Ke = Rf + β × ERP |
| 負債コスト Kd 税引後(%) | 約1.4 | 支払利息5,311 ÷ 有利子負債279,577 = 1.9% ×(1−0.287) ≒ 1.4% |
| 自己資本比率(時価ベース) | 約89% | E=現値時価総額22,389億 / D=有利子負債2,796億 |
| WACC(%) | 要調査 | Ke 確定後に算出 |
| 永続成長率 g(%) | 要調査 | 業界・GDP成長率を参考に |
| 法人税率(%) | 29 | 実効税率 FY2026=28.7% |
| 明示予測期間(年) | 5 |
5期 FCF 入力枠(FCF = NOPAT + 減価償却費 − 設備投資 − 運転資本増加):
| 期 | t+1 | t+2 | t+3 | t+4 | t+5 |
|---|---|---|---|---|---|
| FCF(百万円) | 要調査 | 要調査 | 要調査 | 要調査 | 要調査 |
計算式: 企業価値 = Σ FCF_t/(1+WACC)^t + TV/(1+WACC)^n、TV = FCF_{n+1}/(WACC−g)
参照: DCF分析 / WACC算出 / ターミナルバリュー / 感応度・シナリオ分析
バリュエーション乖離コメント
- NC考慮 EV/EBITDA 法: 9.1倍 — 競合(13.0-13.5倍)比で割安。
- CN-PER 法: 13.3倍 — 予想PER 14.3倍とほぼ同水準(NC比率が小さいため)。
- 成長率モデル: 実績CAGR は発散・来期は減益予想 → 定常成長モデル非適用。
事実の並置: EV/EBITDA では競合比で明確に割安だが、これは大林が唯一ネットキャッシュ・ポジションでEVが圧縮されること、および競合の時価総額が期末固定値である影響が混在する。
PER ベース(14.3倍)では4社が14.9-15.7倍で横並びであり、EV/EBITDA の割安感ほどの差はない。
来期会社予想が減益である点と、受注残高が積み上がっている点の整合性の解釈は投資判断セクションで深掘りする。
3. 財務分析
PL — 5期+予想(百万円)
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 | FY2027予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,922,884 | 1,983,888 | 2,325,162 | 2,590,765 | 2,586,258 | 2,945,000 |
| 営業利益 | 41,051 | 93,800 | 79,381 | 142,469 | 194,678 | 180,000 |
| 経常利益 | 49,844 | 100,802 | 91,515 | 152,236 | 204,195 | 183,000 |
| 当期純利益 | 39,127 | 77,671 | 75,059 | 145,355 | 173,759 | 157,000 |
| EPS(円) | 54.55 | 108.34 | 104.69 | 203.88 | 249.42 | 228.39 |
| 営業利益率 | 2.1% | 4.7% | 3.4% | 5.5% | 7.5% | 6.1% |
| 前年比(売上) | — | +3.2% | +17.2% | +11.4% | −0.2% | +13.9% |
| 前年比(営利) | — | +128.5% | −15.4% | +79.5% | +36.6% | −7.5% |
注: FY2026 は売上微減(国内建築の大型案件反動)ながら採算改善・海外土木伸長・不動産売却で営利急増。
FY2027 会社予想は売上 +13.9%(GCON連結寄与)も営利 −7.5%(採算性の良い案件一巡・コスト増織り込みの保守的計画)。
BS — 5期(百万円)
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 総資産 | 2,422,085 | 2,609,929 | 3,019,118 | 3,042,778 | 3,143,449 |
| 流動資産 | 1,395,517 | 1,505,551 | 1,689,137 | 1,809,460 | 1,778,543 |
| 固定資産 | 1,026,567 | 1,104,377 | 1,329,981 | 1,233,318 | 1,364,906 |
| 負債合計 | 1,433,172 | 1,574,048 | 1,823,874 | 1,832,577 | 1,826,983 |
| 純資産 | 988,913 | 1,035,881 | 1,195,244 | 1,210,201 | 1,316,466 |
| 自己資本比率 | 39.5% | 38.2% | 38.1% | 38.1% | 40.0% |
| BPS(円) | 1,333.1 | 1,390.77 | 1,606.18 | 1,628.88 | 1,830.64 |
注: 自己資本比率は official 値(=(純資産−非支配持分)÷総資産)。FY2026 で40.0%へ改善(+1.9pt)。
BS 詳細主要科目(百万円) — 5期
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 投資有価証券 | 337,976 | 306,570 | 422,583 | 311,557 | 339,322 |
| 現預金 | 249,317 | 405,633 | 326,688 | 380,169 | 416,028 |
| 短期有価証券 | 5,988 | 7,285 | 8,430 | 11,410 | 9,791 |
| 有利子負債 | 197,375 | 261,221 | 249,756 | 285,212 | 279,577 |
| 売上債権 | 902,244 | 832,939 | 1,036,514 | 1,139,624 | 1,083,224 |
| 棚卸資産 | 4,877 | 7,873 | 10,273 | 7,927 | 7,708 |
| 仕入債務 | 500,757 | 526,734 | 676,252 | 678,719 | 594,367 |
注: 建設業は棚卸資産(販売用不動産等)が極小で、運転資本は売上債権(工事代金債権)と仕入債務(工事未払金)が主体。
CF — 5期(百万円)
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|---|
| 営業 CF | 69,697 | 228,456 | 50,399 | 84,161 | 252,920 |
| 投資 CF | −49,833 | −101,610 | −84,471 | 10,044 | −84,363 |
| 財務 CF | −12,457 | 22,118 | −51,922 | −50,440 | −141,449 |
| FCF | 19,864 | 126,846 | −34,072 | 94,205 | 168,557 |
注: FY2026 営業CF 2,529億円は5期最大。FCF 1,686億円も潤沢で、財務CF −1,414億(自己株取得・配当)の原資となっている。
減価償却費明細(百万円) — 5期
| FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|---|---|
| 20,691 | 23,941 | 27,117 | 32,087 | 36,353 |
受注高・受注残高(受注産業=建設業)
連結受注高(百万円):
| 項目 | FY2025 | FY2026 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 受注高(連結合計) | 3,316,662 | 3,009,078 | −9.3% |
| 受注残高(提出会社個別 次期繰越工事高) | 2,779,344 | 2,910,232 | +4.7% |
| 受注残高 ÷ 連結売上高 | — | 1.13倍 | — |
注: 建設業は工事進行基準のため、受注残高(手持工事高)が将来売上の先行指標。
受注高は前期比 −9.3% と減少(国内建築 −22.7%・海外土木 −30.2% が主因、海外建築は +65.2%)だが、繰越工事高(受注残)は +4.7% で約1.13年分の売上をカバー。
来期受注高の会社計画は3兆1,000億円。
運転資本分析(CCC)
⚠️ 分母統一: 売上債権回転日数 = 売上債権/売上高×365、棚卸資産回転日数 = 棚卸資産/売上原価×365、仕入債務回転日数 = 仕入債務/売上原価×365。
| 指標(日数) | FY2025 | FY2026 |
|---|---|---|
| 売上債権回転日数(DSO) | 160.6 | 152.9 |
| 棚卸資産回転日数(DIO) | 1.3 | 1.3 |
| 仕入債務回転日数(DPO) | 107.9 | 97.7 |
| CCC | 54.0 | 56.5 |
注: 建設業は工事代金の出来高払い・未成工事受入金(前受金)構造のため、一般製造業とCCCの意味が異なる(前受金が運転資本負担を軽減する)。棚卸資産は極小。
配当推移 — 5期+予想
| 項目 | FY2022 | FY2023 | FY2024 | FY2025 | FY2026 | FY2027予想 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1株配当(円) | 32.0 | 42.0 | 75.0 | 81.0 | 88.0 | 94.0 |
| 配当利回り | — | — | — | — | 2.70% | 2.89% |
| 配当性向 | 58.7% | 38.8% | 71.6% | 39.7% | 35.3% | 41.2% |
注: 配当利回りは現値株価3,257円ベース(FY2026 実績88円=2.70%、FY2027 予想94円=2.89%)。
5期連続増配。
配当性向は概ね35-40%(FY2024の71.6%は減益期)。
経営者予想精度(3期分)
期初(Q4短信)通期予想 → 実績の乖離率。乖離率 =(実績−予想)÷予想。
| 期 | 予想売上 | 実績売上 | 乖離率 | 予想営利 | 実績営利 | 乖離率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| FY2024(24/5期初→実績) | 2,510,000 | 2,325,162 | −7.4% | 93,000 | 79,381 | −14.6% |
| FY2025(25/5期初→実績) | 2,560,000 | 2,590,765 | +1.2% | 122,000 | 142,469 | +16.8% |
| FY2026(26/2 Q3更新→実績) | 2,570,000 | 2,586,258 | +0.6% | 195,000 | 194,678 | −0.2% |
注: FY2025 は営業利益を +16.8% 上振れ(保守的な期初計画)。FY2026 は Q3 更新後予想にほぼ着地。期初の営利予想は保守的に置く傾向。
健全性チェック(事業会社基準)
| 項目 | 判定 | 値・根拠 |
|---|---|---|
| 自己資本比率 > 40% | ✅ | 40.0%(FY2026・基準ちょうど) |
| 有利子負債 < 現預金(ネットキャッシュ) | ✅ | 有利子負債 2,796億 < 現預金 4,160億(標準NC +1,462億) |
| 流動比率 > 150% | ❌ | 124.4%(流動資産1,778,543÷流動負債1,429,526。建設業は未成工事受入金が流動負債を押し上げる構造) |
| 利益剰余金 > 0 | ✅ | 905,459百万 |
| 営業CF 3期連続黒字 | ✅ | FY2024-2026 全黒字 |
| 配当 3期連続支払い | ✅ | 5期連続増配 |
| EPS 前年比プラス | ✅ | FY2026 249.42(FY2025 203.88から+22.3%) |
| ROE > 8% | ✅ | 14.4%(official・東証プライム基準クリア) |
| 営業利益率 > 業界平均 | △ | 7.5%(業界標準水準・改善傾向) |
| 健全性スコア | ✅ | 83/100(信用rating S・CFパターン優良企業型) |
注: 流動比率124.4%は150%未満だが、建設業の未成工事受入金(前受金=契約負債307,016百万)が流動負債を構造的に押し上げるためで、財務不安を示すものではない。
ネットキャッシュ・ポジション維持。
4. 同業他社比較
競合選定基準
| 基準 | 内容 |
|---|---|
| 業種 | 建設業(スーパーゼネコン=大手総合建設業) |
| 時価総額レンジ | 対象企業(2.24兆)の 0.3-5 倍内(1.99-3.13兆) |
| 選定理由 | 鹿島・大成・清水は大林と並ぶ「スーパーゼネコン」。建築・土木・海外・不動産の事業構成と決算期(3月期・日本基準)が揃い、直接比較が成立する |
最新期比較テーブル(FY2026)
大林は現値(株価3,257円)、競合はEDINET参考marketCap(期末固定値)。
| 指標 | 大林組 | 鹿島建設 | 大成建設 | 清水建設 |
|---|---|---|---|---|
| 時価総額(億円) | 22,389(現値) | 31,323(参考・期末) | 26,274(参考・期末) | 19,935(参考・期末) |
| 売上高(億円) | 25,863 | 30,673 | 20,891 | 20,578 |
| 営業利益率 | 7.5% | 7.85% | 9.00% | 5.77% |
| 自己資本比率 | 40.0% | 39.6% | 34.9% | 36.8% |
| PER | 14.3(現値・予想) | 15.6 | 15.7 | 14.9 |
| PBR | 1.78(現値) | 1.95 | 2.77 | 1.93 |
| ROE | 14.4% | 13.3% | 18.7% | 13.8% |
| 配当利回り | 2.89%(現値・予想) | 2.46% | 1.93% | 2.59% |
| EV/EBITDA | 9.1(現値・標準NC) | 13.0 | 13.5 | 13.5 |
| 標準 NC 比率 | +6.5% | −14.1% | −5.5% | −3.0% |
| 営業 CF(億円) | 2,529 | 1,146 | 1,473 | 416 |
| FCF(億円) | 1,686 | 681 | −486 | 348 |
注: 大林は4社で唯一の標準NCプラス(+6.5%)かつ最大FCF(1,686億)。
EV/EBITDA が突出して低い(9.1倍 vs 13.0-13.5倍)のはネットキャッシュ+現値基準の効果が混在。
PBR/PER は4社で大きな差はない。
大成のROE 18.7%・PBR 2.77は自社株大量償却で発行済株数を163百万へ圧縮した影響。
競合 3期推移(売上・営業利益率)
| 企業 | FY2024 売上 | FY2025 売上 | FY2026 売上 | FY2024 営利率 | FY2025 営利率 | FY2026 営利率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 大林組 | 23,252 | 25,908 | 25,863 | 3.4% | 5.5% | 7.5% |
| 鹿島建設 | 26,652 | 29,118 | 30,673 | 5.1% | 5.2% | 7.85% |
| 大成建設 | 17,650 | 19,444 | 20,891 | 1.5% | 3.65% | 9.00% |
| 清水建設 | 20,055 | 19,444 | 20,578 | −1.2% | 3.66% | 5.77% |
注: 単位=億円。
FY=EDINET年度(3月期)。
4社とも FY2024 を底に営業利益率が回復基調(資材高騰の価格転嫁進展・採算管理強化)。
清水は FY2024 営業赤字からの回復途上、大成は FY2026 で利益率トップへ。
運転資本効率(CCC)— 競合比較(FY2026)
⚠️ 分母統一(売上債権=売上高ベース、棚卸資産・仕入債務=売上原価ベース)。
| 指標(日数) | 大林組 | 鹿島建設 | 大成建設 | 清水建設 | 業界中央値 |
|---|---|---|---|---|---|
| 売上債権回転日数 | 152.9 | 132.4 | 168.0 | 169.1 | データなし |
| 棚卸資産回転日数 | 1.3 | — | — | 0.2 | データなし |
| 仕入債務回転日数 | 97.7 | 74.1 | 104.1 | 71.6 | データなし |
| CCC | 56.5 | 58.3 | 64.0 | 97.7 | データなし |
注: 4社とも棚卸資産は極小(建設業特性)。
大林の CCC 56.5日は4社中で最短水準(鹿島とほぼ同等)、清水(97.7日)が最長。
建設業は前受金(未成工事受入金)が運転資本を軽減する構造で、CCC は工事代金回収・支払いサイトのバランスを示す。
5. リスク評価
リスクマトリクス
| リスク要因 | 影響度 | 発生可能性 | 具体的影響シナリオ | 対応状況 |
|---|---|---|---|---|
| 資材・労務費の再高騰/調達難 | 高 | 中 | 価格転嫁が追いつかず工事原価が膨らみ、回復した利益率(FY2026 営利率7.5%)が再び圧縮される | 早期購買・複数サプライヤー・林友会(協力会社1,200社)・価格転嫁交渉の強化 |
| 国内建設需要の頭打ち(人口減・設備投資抑制) | 高 | 中 | 受注高は既に FY2026 −9.3%。中東情勢・米通商政策で民間設備投資が冷えれば受注残が細る | 海外(北米M&A)・不動産・再エネへの事業多角化 |
| 海外事業の地政学・為替・採算リスク | 中 | 中 | 海外建築は営利率2.36%と薄利。買収したのれん(FY2026 230億)の減損や為替変動が損益を直撃 | 現地通貨で売上・原価を一致させる為替ヘッジ/投資委員会の事前審査 |
| 重大な品質不具合・労災・コンプライアンス | 高 | 低 | リニア南巨摩トンネルの労災を巡り、当社と社員2名が労安法違反で略式命令(罰金)。信用失墜・指名停止リスク | ISO9001品質管理・安全本部設置・再発防止の全社注意喚起 |
| 政策保有株式の株価変動 | 中 | 中 | 政策保有株式は連結純資産の21.9%(FY2026末)。株安局面で評価損・純資産毀損 | 段階的縮減(FY2025末22.6%→FY2026末21.9%)・売却益を還元原資に |
| 大型開発・PPP/再エネの長期事業リスク | 中 | 低 | 大阪IRなど長工期案件で事業環境激変なら収支悪化。再エネ・PPPの投融資が焦げ付く | 中長期投資計画・個別投資の厳格審査・撤退基準 |
リスク因果関係
flowchart TD A[資材・労務費高騰] --> B[工事原価上昇] C[国内建設需要頭打ち] --> D[受注高減少 FY2026 -9.3%] B --> E[利益率圧縮] D --> F[将来売上の縮小] E --> G[業績・株価下振れ] F --> G H[地政学・為替] --> I[海外事業採算悪化・のれん減損] I --> G J[品質不具合・労災] --> K[指名停止・信用失墜] K --> G X[選別受注・価格転嫁] -.緩和.-> E Y[北米M&A・不動産・再エネ多角化] -.緩和.-> F Z[ネットキャッシュ・自己資本1.3兆] -.緩和.-> G
大林組にとって最大の定性リスクは、回復した利益率の持続性である。
会社自身が FY2027/3 を営業利益 −7.5%(1,800億円)・純利益 −9.6%(1,570億円)と減益予想している。
シナリオは3つに分解できる。
①保守的予想説=過去にも期初予想を保守的に置き(FY2025/3 は営利を +16.8% 上振れ着地)、実際は上振れる可能性。
②採算ピークアウト説=「採算の良い案件」が一巡し、価格転嫁余地も縮小、新規受注減(FY2026 −9.3%)が1〜2年後に売上・利益を押し下げる。
③コスト構造悪化説=GCON連結に伴う買収費用・のれん償却、人件費・研究開発費の増加が利益を削る。
投資家は、四半期ごとの「受注高」と「完成工事総利益率」を追い、減益が"保守的計画ゆえの見かけ"なのか"構造的なピークアウト"なのかを見極める必要がある。
大林組は標準NC +1,462億円(NC比率+6.5%)と、スーパーゼネコン4社で唯一のネットキャッシュ。
加えて政策保有株式が連結純資産の21.9%(含み益込み)と巨額に積み上がっている。
これが還元されず眠り続ければ、ROE(14.4%)が資本の厚みに薄められ、PBR1.78倍が割安に放置されるバリュートラップになりうる。
ただし会社は明確に動いている:中計でDOEの目安を3%→5%へ引き上げ、FY2026年度末までに1,000億円規模の自己株式取得を実施、政策保有株式も段階縮減中(出典: 大林組 資本政策 https://ir.obayashi.co.jp/ja/ir/management/policy.html)。
トリガーは東証の「資本コスト経営」要請とアクティビスト的な圧力だが、現状は会社主導の還元強化が先行している。
リスクは「還元ペースが市場期待に追いつかず、株価が資本効率改善を織り込まないまま推移する」ことにある。
6. 投資判断
バリュエーション乖離コメントの補強
定量分析は3手法を並置した:①NC考慮 EV/EBITDA 9.1倍(競合13.0-13.5倍比で割安)、②CN-PER 13.3倍(予想PER14.3倍とほぼ同水準)、③成長率モデルは実績CAGR発散・来期減益予想のため非適用。
この乖離の核心は「EV/EBITDA では明確に割安に見えるのに、PER では4社横並び(14.3〜15.7倍)」という点にある。
背景は、大林が唯一のネットキャッシュ・ポジションでEVが時価総額より小さくなること、加えて競合の比較時価総額が期末固定値である影響が混在することだ。
つまり EV/EBITDA の割安感は「キャッシュリッチさ」をそのまま反映したもので、利益の質や成長性が競合より優れていることを必ずしも意味しない。
NC比率(6.5%)自体は小さく、CN-PERが予想PERとほぼ同じであることがこれを裏づける。
判断としては、これは「キャッシュと政策保有株式という眠れる資本が、還元加速で顕在化すれば株主価値に転化する」投資機会である一方、「還元が市場期待に追いつかなければ割安放置が続く」バリュートラップ的側面も併せ持つ。
投資家の対応案は、(1) カタリスト(自己株取得の進捗・政策保有株式の縮減ペース・DOE5%の実行)を確認しながらの段階買い、(2) 来期減益予想が"保守的計画"であることを四半期受注高・粗利率で確認してから判断、のいずれか。
一括の高値追いは、来期減益予想とのギャップを考えると慎重を要する。
バリュエーション手法別の目標株価
予想EPS228.39円・EBITDA2,310億円・標準NC+1,462億円・発行済687,421,514株・BPS1,830.64円を用いて算出。現在株価3,257円(2026-07-01)。
PER法
| シナリオ | 適用 PER | EPS(円) | 目標株価(円) | 現在株価比 |
|---|---|---|---|---|
| 保守的 | 13.0倍 | 228.39 | 2,969 | −8.8% |
| 標準 | 15.0倍 | 228.39 | 3,426 | +5.2% |
| 楽観的 | 17.0倍 | 228.39 | 3,883 | +19.2% |
選定根拠: 保守=過去レンジ下限(FY2023は実績PER9.4倍まで低下した局面あり、ここでは下振れ目安として13倍)。
標準=同業4社平均(約15倍)に整合。
楽観=資本効率改善・還元加速の織り込みで上位水準17倍。
EV/EBITDA法
| シナリオ | EV/EBITDA | EBITDA(億円) | EV(億円) | +標準NC=理論時価総額(億円) | 理論株価(円) | 現在株価比 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 保守的 | 9.0倍 | 2,310 | 20,793 | 22,255 | 3,237 | −0.6% |
| 標準 | 11.0倍 | 2,310 | 25,413 | 26,876 | 3,910 | +20.0% |
| 楽観的 | 13.0倍 | 2,310 | 30,034 | 31,496 | 4,582 | +40.7% |
選定根拠: 保守=現状の大林の実力倍率(9倍)。
標準=ネットキャッシュ要因を割り引いても競合中位(13倍台)への接近で11倍。
楽観=競合並み13倍へ収斂。
EV/EBITDA法はNC加算で上値が大きく出やすい点に留意。
下値メド
PBR 1.0倍 = BPS 1,830.64円(現在株価比 −43.8%)を理論的下限として提示。
ただし大林の自己資本比率40%・ネットキャッシュ・5期連続増配を踏まえると、PBR1倍割れは深刻な業績悪化局面に限られ、現実的な下値メドは過去レンジを踏まえPBR1.3〜1.5倍(約2,380〜2,750円)が目安。
シナリオ別の詳細根拠
前提: FY2027/3 が会社予想(営利1,800億・純利益1,570億・EPS228.39円)近辺に着地。
受注残(繰越工事高2.91兆=約1.13年分)が売上を下支えし、1,000億円自己株取得・DOE5%が予定通り進む。
確率の根拠: 受注残が積み上がっており(FY2026 +4.7%)、価格転嫁・選別受注の構造はスーパーゼネコン共通のトレンド(鹿島・清水・大成も同様に利益回復)。
直近FY2026は Q3 更新予想にほぼ着地(営利乖離 −0.2%)と予想精度も高い。
投資家の対応: 株価3,400〜3,500円(PER標準15倍)が中心レンジ。
還元進捗を確認しながら保有/押し目買い。
前提: 過去同様に期初の保守的予想を上回り、国内建築の採算改善が続き営利2,000億円超。
GCON連結でデータセンター・半導体施設の北米受注が伸び、海外建築・土木の利益率が改善。
政策保有株式の追加売却益も寄与。
確率の根拠: FY2025/3 は営利を +16.8% 上振れた実績がある。
米国のAI関連建設需要は構造的成長局面(GCONはアリゾナ州で半導体・DC建設に実績)。
投資家の対応: PER17倍/EV/EBITDA11〜13倍で3,900〜4,580円が視野。
上方修正・受注好調が確認できれば買い増し検討。
前提: 受注高減(FY2026 −9.3%)が1〜2年遅れで売上・利益を押し下げ、資材高再燃や米通商政策・中東情勢で民間設備投資が冷える。
海外ののれん減損が発生。
利益率がFY2024水準(営利率3.4%)方向へ逆戻り。
確率の根拠: 会社自身が来期減益(営利 −7.5%)を予想。
受注高は既に減少基調。
中東情勢・米通商政策は有報でも明示リスク。
投資家の対応: 下値メドはPBR1.3〜1.5倍(2,380〜2,750円)。
PER保守13倍なら2,969円。
マクロ悪化・受注続落が見えたら一旦様子見。
買いの根拠
- スーパーゼネコン4社で唯一のネットキャッシュ(標準NC+1,462億)+EV/EBITDA9.1倍と最も割安
- 中計最終年度(FY2027)に向けROE10%・DOE5%・1,000億円自己株取得と還元強化が明確
- 受注残約1.13年分が売上を下支え、GCON買収で北米AI建設需要を取り込む成長オプション
留意点
- 会社自身が来期減益予想(営利 −7.5%)。受注高は減少基調(FY2026 −9.3%)
- 政策保有株式が純資産の21.9%と巨額で、縮減ペースが還元と資本効率を左右
- EV/EBITDAの割安感はキャッシュリッチ要因が主で、PERでは競合横並び
カタリスト・タイムライン
| 時期 | イベント | 確認すべき数値 | 株価への影響 |
|---|---|---|---|
| 2026年8月上旬 | FY2027/3 第1四半期決算短信 | Q1営利の進捗率・受注高・粗利率 | 中(減益予想の上振れ余地を測る) |
| 2026年9月29日 | 中間配当の権利付き最終日(9月末権利確定の2営業日前・目安) | 中間配当予想47円の確度 | 小〜中 |
| 2026年11月上旬 | FY2027/3 第2四半期(中間)決算・説明会 | 通期予想の修正有無・自己株取得の進捗 | 高 |
| 2026年内 | 1,000億円自己株式取得の完了状況 | 取得済額・残枠・消却の有無 | 高(還元加速=EPS押し上げ) |
| 2026年内〜2027年3月 | 政策保有株式の縮減進捗 | 純資産比21.9%からの低下幅 | 中(資本効率改善) |
| 2027年2月中旬 | FY2027/3 第3四半期決算 | 通期予想の達成進捗・受注残の積み上がり | 中〜高 |
| 2027年3月27日 | 期末配当の権利付き最終日(3月末権利確定の2営業日前・目安) | 期末配当予想47円・年間94円の確度 | 中 |
| 2027年5月中旬 | FY2027/3 通期決算+FY2028/3 予想・新中計の方向性 | 着地営利 vs 予想1,800億・次期還元方針 | 最大(中計2022の最終着地と次期計画) |
| 随時 | 大阪IR・リニア・国内大型再開発の受注/GCON北米受注 | 受注高・大型案件の追加 | 中 |
7. 学習コーナー
📚 着眼点 1: なぜ大林組だけ「ネットキャッシュ」なのか
大林組の標準NCは +1,462億円(NC比率+6.5%)で、鹿島(−14.1%)・大成(−5.5%)・清水(−3.0%)が揃って純有利子負債超過なのと対照的だ。
建設業は工事代金を出来高に応じて受け取り、未成工事受入金(前受金=FY2026で契約負債3,070億)が運転資金を賄うため、本来は借入が少なくて済む業態である。
大林はこの構造に加え、政策保有株式の売却益や潤沢な営業CF(FY2026 2,529億)を内部に積み上げてきた。
手元現金が厚いことは、不況や大型案件の損失を吸収できる安全弁であると同時に、使われなければ株主資本を遊ばせる「機会損失」でもある。
家計でたとえれば、銀行口座に大金を寝かせているのと同じで、安心だが運用していなければ価値は増えない。
大林の場合、この現金が自己株取得・増配・北米M&Aに回り始めた点が転換点である。
投資家への示唆: 大林を見るときは「キャッシュをどれだけ持っているか」より「そのキャッシュをどう使うか(還元と成長投資のバランス)」を追うべきである。
📚 着眼点 2: 受注残高(手持工事高)が示す将来の売上
大林の繰越工事高(受注残高)は FY2026/3 末で2.91兆円、連結売上の約1.13年分に相当する。
受注高そのものは FY2026 に −9.3% と減ったが、過去に受注した工事が手持ちとして残っているため、来期以降の売上はすぐには落ちない。
ゼネコンの受注残は、レストランの予約台帳のようなものだ。
今日の新規予約(受注高)が減っても、すでに数か月先まで予約(手持工事)が入っていれば当面の売上は確保される。
逆に予約が細り続ければ、いずれ空席(売上減)が表面化する。
大林の受注残はまだ厚いが、新規受注の減少トレンドは"先々の予約が鈍り始めた"サインとして注視すべきである。
投資家への示唆: 売上の先行指標は「受注高」、足元の売上クッションは「受注残高」。両方を四半期ごとに追い、新規受注の回復/続落を見極める。
📚 着眼点 3: 「採算改善」の正体=価格転嫁と選別受注
FY2026 に大林の国内建築は売上 −14.8% なのに営業利益 +65.8% と、売上と利益が逆向きに動いた。
これは「採算の良い案件だけを選んで受注し、資材・労務費の上昇分を発注者に価格転嫁する」という業界全体の力学転換が効いたためである(鹿島・清水・大成も同様に営利が5〜7割増)。
かつては発注者が強く、ゼネコンは仕事欲しさに薄利でも受注していた。
資材高・人手不足で「建てられる会社」が希少になり、今は受注者が「採算の合う仕事だけ選ぶ」立場に逆転した。
八百屋が、安く買い叩く客を断って正規価格で売れるようになったようなものだ。
投資家への示唆: この利益回復が「一時的な価格転嫁の追い風」なのか「持続する構造変化」なのかが投資判断の分かれ目。会社の来期減益予想は前者寄りの慎重姿勢を示す。
📚 着眼点 4: 政策保有株式の縮減と資本効率
大林は政策保有株式(取引先との持ち合い株式)を連結純資産の21.9%(FY2026末)も抱える。
株価上昇で含み益が膨らむ一方、東証は「資本コストを意識した経営」を要請しており、本業と関係の薄い株式の保有は資本効率を下げる要因とみなされる。
政策保有株式は、取引関係を円滑にするため「義理」で持つ株式だ。
配当は入るが、株主から見れば「その資金を本業や還元に回した方が効率的では」という資本である。
大林は段階的に売却を進め(FY2025末22.6%→FY2026末21.9%)、売却益を自己株取得・配当の原資に充てている。
投資家への示唆: 縮減ペースとその使い道(還元か投資か)がROE・PBR改善のドライバー。縮減が加速すれば資本効率改善の評価が株価に反映されやすい。
📚 着眼点 5: 大林組の指標ポジショニング(相場観テーブル)
| 指標 | 大林組 | 同業他社平均(ゼネコン3社) | 全上場中央値(参考) | 評価コメント |
|---|---|---|---|---|
| 予想PER | 14.3倍 | 約15.4倍 | 約15倍 | わずかに割安だが、来期減益予想を織り込むと適正圏 |
| PBR | 1.78倍 | 約2.2倍 | 約1.2倍 | 純資産対比では市場平均より高いが、自己資本厚く資本効率改善余地 |
| ROE | 14.4% | 約15.3% | 約8-9% | 高水準だが大成(18.7%)に劣後。NC・政策株が分母を厚くし希薄化 |
| EV/EBITDA | 9.1倍 | 約13.3倍 | — | 4社で最割安。ただしネットキャッシュ要因が主で利益の質の差ではない |
| 配当利回り(予想) | 2.89% | 約2.3% | 約2.5% | 4社中で上位の利回り。5期連続増配・DOE5%方針が下支え |
| 自己資本比率 | 40.0% | 約37.1% | 約40% | 4社中トップ。財務健全性は高い |
| 標準NC比率 | +6.5% | マイナス | — | 4社で唯一プラス。キャッシュリッチ |
| 営業利益率 | 7.5% | 約7.5% | — | 業界横並び。大成(9.0%)が先行 |
| 健全性スコア | 83/100 | — | — | 信用rating S・CFパターン優良企業型 |
| 配当性向 | 35.3% | — | 約30-40% | 適正。DOE基準への移行で安定還元 |
注: 同業他社平均は鹿島・大成・清水のFY2026値。PER/PBR/配当利回りはEDINET期末marketCap基準(参考)であり、大林のみ現値基準。
🤔 自分への問い
- 問1: 大林組の最大の強みは何か? それが5年後も強みであり続けるための条件は?
(自分の答え)
- 問2: 自分なら大林組に投資するか? その判断の根拠を3行で説明せよ。
(自分の答え)
- 問3: この分析で一番難しかった概念は何か? それを自分の言葉で1段落で説明せよ。
(自分の答え)
関連: 演習フォーマット §C-3 / 演習・チェックリスト index
参考情報
ガバナンス情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 業種・上場 | 建設業(スーパーゼネコン)/東証プライム(証券コード1802) |
| 設立・沿革 | 1892年(明治25年)創業の大林芳五郎。協力会社団体「林友会」は1906年発足 |
| 従業員数 | 18,031名(FY2026・平均年齢42.0歳・平均勤続15.9年・平均年収約1,239万円) |
| 連結体制 | 子会社130社・関連会社26社(大林道路、大林新星和不動産、ウェブコー、MWH、GCON等) |
| 海外拠点 | 北米支店(米国)・アジア支店(シンガポール)中心。北米・東南アジア・オセアニア |
| 取締役構成 | 取締役14名中 女性2名(女性比率14.3%・FY2026) |
大株主構成
注: 以下は EDINET 大量保有報告書(5%超ルール)ベースの機関投資家保有であり、有報「大株主の状況」上位10名(信託口・自社従業員持株会等を含む)とは異なる。
| 順位 | 株主(グループ) | 保有比率 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 1 | ブラックロック・ジャパン他グループ | 8.58% | 海外機関投資家(純投資) |
| 2 | 野村證券グループ(野村AM中心) | 6.25% | 国内機関投資家(信託運用) |
| 3 | 三井住友トラスト・アセットマネジメント+アモーヴァ | 5.76% | 国内機関投資家(信託・投信) |
| 4 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ | 5.19% | 金融グループ(政策投資・純投資混在) |
| 5 | 野村アセットマネジメント(単独・初回報告) | 5.00% | 国内機関投資家(信託運用) |
| 6-10 | (5%未満は大量保有報告書の対象外) | — | 信託口・従業員持株会・取引先等が有報上位に入る想定 |
注: アクティビスト・ファンドの大量保有報告は確認されない。安定株主(取引先・金融機関の政策保有)と純投資の機関投資家が中心。役員持株比率は約2.46%。
- Q1: 来期(FY2027/3)の営業利益 −7.5% 予想は、過去同様の保守的計画なのか、それとも採算ピークアウトの実態を反映したものか。受注高 −9.3% の影響をいつ・どの程度、売上と利益で見込んでいるのか。
- Q2: 連結純資産の21.9%を占める政策保有株式を、中計最終年度(FY2027)以降どの水準まで・何年で縮減し、その資金を還元・北米成長投資のどちらに優先配分するのか。
- Q3: GCON買収(売上約480億・営利約30億)の北米データセンター・半導体建設での投資回収シナリオと、海外建築(営利率2.36%)の低採算をどう底上げするのか。のれん減損リスクの管理方針は。
本レポートは EDINET DB・price_fetcher(yfinance)・各社IR・公開報道に基づく情報整理であり、投資勧誘・投資助言を目的としたものではない。
財務数値は EDINET 有報(XBRL)由来、株価・時価総額は2026-07-01時点の現値。
将来予想は会社開示・公開情報に基づく推定を含み、実際の結果と異なりうる。
投資判断は自己責任で行うこと。
データソースの時点差
| データ種別 | 基準日 | ソース |
|---|---|---|
| 財務数値(PL/BS/CF・5期) | FY2026/3末(2026-03-31) | EDINET DB get_financials(有報XBRL) |
| 通期実績・来期会社予想 | 2026-05-13 開示 | TDNet 2026年3月期 決算短信 |
| 株価・時価総額 | 2026-07-01 | price_fetcher(yfinance)株価3,257円 |
| 大株主(5%超) | 2021-05〜2025-09 各報告日 | EDINET 大量保有報告書 |
| 定性情報(中計・M&A・資本政策) | 2024-2026 各時点 | 大林組IR・日経・M&A Online 等 |
出典一覧
- EDINET DB MCP
get_company(E00055)— 企業基本情報・健全性スコア・最新決算 - EDINET DB MCP
get_financials(E00055, years=5)— 5期財務時系列 - EDINET DB MCP
get_segments(E00055)— セグメント別売上 - EDINET DB MCP
get_analysis(E00055)— 業界ベンチマーク - EDINET DB MCP
get_earnings(E00055)— TDNet決算短信(予想・実績) - EDINET DB MCP
get_shareholders(E00055)— 大株主構成 - EDINET DB MCP
get_text_blocks(E00055)— 有報テキスト(受注高・MD&A) - 競合: EDINET DB
get_company/get_financials(E00058 鹿島・E00052 大成・E00053 清水) - price_fetcher(yfinance)— 現値株価・時価総額(2026-07-01・株価3,257円)
- 大林組 中期経営計画2022 https://www.obayashi.co.jp/company/upload/img/mid_term_plan2022_J.pdf
- 大林組 資本政策(DOE5%・1,000億円自己株取得・ROE10%) https://ir.obayashi.co.jp/ja/ir/management/policy.html
- 大林組 政策保有株式に関する方針(純資産比21.9%) https://ir.obayashi.co.jp/ja/ir/governance/cross-shareholdings.html
- 大林組 米国GCON社株式取得について https://www.obayashi.co.jp/news/detail/news20251017_1.html
- 日経 大林組 米建設会社買収・データセンター受注拡大 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC172UI0X11C25A0000000/
- 日本M&Aセンター GCON買収ニュース https://www.nihon-ma.co.jp/news/20251017_1802-3/
- 日経ビジネス「受発注の力学逆転・選別受注」 https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00692/112700004/
- アプリバンク スーパーゼネコン5社2026決算分析 https://www.applibank.com/post/super-zenecon-5sha-2026-kessan/
- 大阪市 報道発表 大阪IR建設工事着手 https://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/irsuishin/0000652204.html