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電気・ガス業セグメント分析_1_業態区分と市場規模

【経済・電気・ガス業】電気・ガス業セグメント分析更新 2026-06-14

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目次
  1. 1. Executive Summary
  2. 2. 市場定義とスコープ(業態区分)
  3. 2-1. 業態区分(3業態・5社)
  4. 3. 業態別 財務規模サマリー(FY2025)
  5. 3-1. 読み解き
  6. 4. 競争構造(5フォース分析)
  7. 5. バリューチェーンと電気・ガス型P/L構造
  8. 5-1. 電気・ガス業のバリューチェーン
  9. 5-2. 電気・ガス型P/L構造(費目恒等式)
  10. 5-3. 業態別コスト構造・CCC(標準レンジ・推計)
  11. 関連レポート

電気・ガス業セグメント分析(1/2)業態区分・市場規模・競争構造・バリューチェーン


このページの読み方

電気・ガス業を 業態(大手電力/中堅電力/大手ガス) に分解し、業態区分・財務規模・競争構造(5フォース)・バリューチェーンを扱う第1部です。
FP&A 7項目断面・燃料費調整サイクル・シナリオ・投資視点は第2部(FP&A断面と投資視点)へ。
電気・ガス業は業種タイプ4(規制インフラ型)。EV/EBITDA・配当利回り・RABモデルが適用され、燃料費調整制度の転嫁ラグ・原子力稼働率・規制料金改定が収益の先行指標になる。


1. Executive Summary


2. 市場定義とスコープ(業態区分)

2-1. 業態区分(3業態・5社)

業態 代表企業(本分析の対象) 特徴
大手電力(旧一般電気事業者) 東京電力HD(9501)・関西電力(9503)・中部電力(9502) 発電+送配電+小売の一体運営(HD体制)。規制(送配電)+自由化(小売)の2構造
大手ガス 東京瓦斯(9531)・大阪瓦斯(9532) 都市ガス導管インフラ+電力小売(総合エネルギー化)。導管の法的分離済み

本分析の対象5社(電気・ガス業主要プレイヤー比較 §1 と整合)。
全社JP GAAP(米国基準・IFRSなし)。
EDINETコード: 東電HD E04498・関電 E04499・中電 E04502・東ガス E04514・大ガス E04520。


3. 業態別 財務規模サマリー(FY2025)

ROE・自己資本比率は電気・ガス業主要プレイヤー比較§2(自己資本=純資産−非支配持分・監査済)に統一。
その他の指標は§3元データ由来。
金額は億円・FY2025。表は指標=行・企業=列(プレイヤー比較§2と体裁統一)。
先頭の業態行で業態をグルーピングして読む。

指標 東京電力HD 関西電力 中部電力 東京瓦斯 大阪瓦斯
業態 大手電力 大手電力 大手電力 大手ガス 大手ガス
売上高(億円) 68,104 43,371 36,692 26,368 20,690
営業利益率(%) 3.4 10.8 6.6 5.0 7.8
純利益(億円) 1,613 4,204 2,021 742 1,344
ROE(%) 4.3 13.5 7.1 4.1 7.7
自己資本比率(%) 25.1 32.2 40.1 46.7 54.3
EV/EBITDA(倍) 11.2 6.2 8.9 7.1 8.3

3-1. 読み解き


4. 競争構造(5フォース分析)

要因 大手電力(送配電部門) 大手電力(小売部門) 大手ガス(導管部門) 大手ガス(小売部門)
既存競合の敵対 弱(地域独占・規制) 強(電力間・ガス越境競争) 弱(地域独占・規制) 強(電力越境・新電力)
新規参入の脅威 低(送電線・導管の高投資障壁) 中(新電力・再エネ特化) 低(導管インフラ参入障壁) 中(電力会社の越境)
代替品の脅威 低(電力・ガスは基幹エネルギー) 中(電力↔ガス・太陽光自家消費) 中(電化・ヒートポンプ)
買い手(顧客)の交渉力 低(規制料金) 中(自由化後の乗換容易化) 低(規制料金) 中(乗換容易化)
売り手(資材)の交渉力 中(設備メーカー競争あり) 強(LNG資源メジャー) 強(LNG長期契約必須)

構造的含意: 規制部門(送配電・導管)は競争なしの安定収益基盤だが、規制報酬率3〜4%がWACCに対してギリギリ。
自由化部門(小売)では電力・ガスの相互参入が激化しており、地域独占の崩壊が進む。
LNG資源メジャーへの依存(Take or Pay長期契約)が調達コスト変動リスクの源泉。


5. バリューチェーンと電気・ガス型P/L構造

5-1. 電気・ガス業のバリューチェーン

LNG・石炭・原油調達(資源メジャーから長期契約)
  → 発電(原子力・火力・再エネ)/ LNG受入基地(ガス)
    → 送電・変電(電力)/ 導管輸送(ガス)
      → 小売(電力・ガス)→ 顧客(家庭・産業・大口)
          ↓                  ↓              ↓
    燃料費調整制度で転嫁   託送料金(規制)   越境競争の戦場
    (ラグ3-5か月が問題)  (RABモデル・安定)  (シェア争い)

5-2. 電気・ガス型P/L構造(費目恒等式)

売上高 = 販売電力量×電力単価 + 送配電収入(託送)+ 海外・その他
営業利益 = 売上高 − 燃料費(最大コスト)− 減価償却 − 人件費 − 修繕費 − 廃炉引当(東電のみ)
当期純利益 = 営業利益 ± 営業外損益 − 法人税

規制インフラ型の費目恒等式: 燃料費率+減価償却率+規制費用率(系統利用料)+人件費率+その他費用率+営業利益率 = 100%

5-3. 業態別コスト構造・CCC(標準レンジ・推計)

業態 燃料費率(推定) 減価償却率(推定) オペレーティングレバレッジ CCC目安(日)
大手電力(火力依存型) 35〜45% 10〜20% 極高 50〜100
大手電力(原子力高比率型) 20〜30% 12〜18% 50〜90
大手ガス 40〜55% 8〜12% 15〜25

読み方: 電力は固定費(設備)比率が高くオペレーティングレバレッジが極めて高い(販売電力量の変化が利益を増幅)。ガスは電力より在庫が軽くCCCが短い傾向だが、LNG調達コストの変動リスクは同等。


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