理解度チェック_セグメント編
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保険業セグメント分析 クイック確認
保険業セグメント分析_1_業態区分と市場規模・保険業セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点を読んだ後の理解度チェック(全9問)。
🟦=基礎 / 🟨=応用。
各問の解答・採点観点は折りたたみ内。
第1部 業態区分と市場規模(保険業セグメント分析_1_業態区分と市場規模)
Q1. 業態区分とROE・自己資本の典型値 🟦
問題: 保険業の3業態をすべて挙げよ。また、FY2025でROEが最も高い業態(企業)と、BS自己資本比率が最も高い業態をそれぞれ答えよ。
解答と採点観点
解答: 3業態 = 損保メガ3/上場生保/複合金融(SFG等)。
ROE最高は損保メガ(東京海上HD 20.8%)、BS自己資本比率最高は損保メガ(SOMPO HD 26.3%・東京海上HD 16.3%)。
採点観点: ①3業態を列挙 ②ROE最高=東京海上HD(損保メガ) ③自己資本比率最高=損保メガ(SOMPO HD 26.3%)。
生保は責任準備金でBS膨張のため自己資本比率5-8%と低い
出典: 第1部 §2-1・§3
Q2. 損保メガ3社の収益規模と水準 🟦
問題: 損保メガ3社のFY2025純利益はおよそ合計いくらか。また3社のROE水準は何%帯か。
解答と採点観点
解答: 約19,901億円(東京海上10,553+MS&AD 6,917+SOMPO 2,431)。
ROEは6-21%と大きく分散(東京海上20.8%・MS&AD 17.3%・SOMPO 5.8%)。
採点観点: ①1.9〜2.1兆円のレンジ ②ROEの分散(SOMPO 5.8%〜東京海上20.8%) ③(補足)政策保有株式売却益が大きく寄与した一時的要因と言及できれば加点
出典: 第1部 §3
Q3. 開示の落とし穴(営業利益・コンバインドレシオ)🟨
問題: 保険会社のP/Lで「営業利益」が使われない理由を述べよ。また、コンバインドレシオ100%の意味を説明せよ。
解答と採点観点
解答: 保険会計基準では営業利益が開示されず、経常利益で代替する。
コンバインドレシオ100% = 保険引受損益がゼロ(ロスレシオ+エクスペンス比率=100%)。
100%未満が引受黒字の条件。
採点観点: ①営業利益非開示→経常利益 ②コンバインドレシオ100%=引受損益ゼロ ③100%未満が黒字条件
出典: 第1部 §5-2
競争構造・バリューチェーン(第1部)
Q4. 参入障壁と実質的な新規参入経路 🟦
問題: 保険業の参入障壁は何か。その障壁が高いにもかかわらず、実質的な新規参入経路となっているものを2つ挙げよ。
解答と採点観点
解答: 参入障壁は保険業免許+ソルベンシー規制(自己資本充足要件)。
実質的な新規参入経路は①InsurTech(デジタル少額短期保険)②BaaS・テック系参入(自動車メーカーのテレマティクス保険等)。
採点観点: ①免許・ソルベンシー規制が障壁 ②InsurTech ③BaaS/テック系
出典: 第1部 §4
Q5. 再保険会社の交渉力 🟨
問題: 保険業の5フォースで「売り手(再保険会社)の交渉力」が中〜強と評価される理由は何か。損保業績へのインパクトを説明せよ。
解答と採点観点
解答: 気候変動で巨大自然災害が頻発化→再保険会社の採算悪化→再保料率上昇。
損保は再保険料コストが増加し、コンバインドレシオが悪化(エクスペンス比率の上昇要因)。
再保険引き締まりで損保のリスク分散コストが増大。
採点観点: ①気候変動で自然災害頻発 ②再保料率上昇 ③損保コンバインドレシオ悪化(エクスペンス比率増加)
出典: 第1部 §4
Q6. 保険型P/L構造とDSO/DPO不適用 🟨
問題: 損保の保険引受利益から当期純利益までのP/L構造を順に述べよ。また、DSO/DPO/CCCが保険業に適用できない理由と代替指標を答えよ。
解答と採点観点
解答: 経常収益(保険料+運用)→ 保険引受利益(コンバインドレシオ<100%)→ 経常利益(引受利益+運用益)→ 当期純利益。
DSO/DPO は不適用(保険料前受→後払い構造)。
代替は未経過保険料準備金・支払備金(損保)・責任準備金(生保)・ソルベンシー・マージン比率・ESR。
採点観点: ①保険引受利益→経常利益→純利益 ②前受構造でDSO/DPO不適用 ③代替指標(準備金/ソルベンシー比率)
出典: 第1部 §5-2
第2部 FP&A断面と投資視点(保険業セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点)
Q7. コンバインドレシオ感応度 🟦
問題: コンバインドレシオが正常年95%の損保メガで、大型自然災害によりロスレシオが+5pt上昇した場合、コンバインドレシオはいくらになるか。また経常利益への影響方向を答えよ。
解答と採点観点
解答: コンバインドレシオ = 65%+5pt + 30% = 100%(引受損益ゼロ・ボーダーライン)。
さらに+1pt以上で引受赤字転落。
経常利益は保険引受利益がゼロ→運用益のみとなり大幅減益。
採点観点: ①コンバインドレシオ100% ②引受損益ゼロ ③(補足)異常危険準備金取り崩しと再保険で一部吸収できる点
出典: 第2部 §7-2
Q8. ESRと金利上昇の二面性 🟨
問題: ESR(経済価値ベース)が金利上昇局面で生保に有利になる仕組みと、生保に逆に不利になる状況を答えよ。
解答と採点観点
解答: 金利上昇 → 長期負債(責任準備金)の現在価値が資産よりも大きく低下 → 経済価値ベース自己資本増加 → ESR上昇(有利)。
逆に金利低下では負債時価が上昇しESR低下 → 資本増強・配当抑制圧力(不利)。
採点観点: ①金利上昇でESR上昇(負債時価↓) ②金利低下でESR低下(負債時価↑) ③生保は長期負債デュレーションが長く感応度大
出典: 第2部 §7-3
Q9. 評価手法とPBR水準 🟨
問題: 保険業の第一の評価指標は何か(およびEV/EBITDAが不適用な理由)。
東京海上HD(ROE 20.8%・PBR 2.17倍)の評価ポジションと、生保(第一生命ROE 12.6%・PBR 1.44倍)との構造差を説明せよ。
解答と採点観点
解答: PBR×ROEのセット評価(EV/EBITDAは責任準備金等の特殊負債でEVが極端な値になり不適用)。
東京海上は損保ROE 20.8%(政策株売却益の一過性上振れ込み)に対してPBR 2.17倍(政策株売却一巡後の正常化ROE 11-12%でも1.9-2.1倍が妥当)。
第一生命は生保特有のPBR(逆ざや残存・ESR感応度を織込、配当利回り4.45%需要で支持)。
採点観点: ①PBR×ROE ②EV/EBITDA不適用(保険負債の特殊性) ③損保高PBR(ROE高位+海外成長)vs生保低PBR(逆ざや・低ROE)
出典: 第2部 §7-5