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空運業主要プレイヤー比較

【経済・空運業】空運業プレイヤー比較

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目次
  1. 1. 比較の枠組み
  2. 比較対象とその選定理由
  3. 評価軸
  4. 2. 全社財務サマリー(最新FY)
  5. 3. 財務比較(5か年推移)
  6. 売上高推移(億円)
  7. 営業利益推移(億円)
  8. 純利益推移(億円)
  9. 営業利益率推移(%)
  10. ROE推移(%)
  11. 営業キャッシュフロー推移(億円)
  12. 自己資本比率推移(%)
  13. 有利子負債推移(億円)
  14. D/Eレシオ推移(倍)
  15. 配当性向推移(%)
  16. 1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)
  17. 4. セグメント別収益構成(最新期)
  18. 5. 各社個別評価
  19. 6. 比較サマリー — どこが勝っているか
  20. 評価マトリクス
  21. 勝者と理由
  22. 注目すべき構造変化
  23. 関連レポート

空運業主要プレイヤー比較


このページの読み方

空運業の上場3社を横断比較します。**結論は §6「どこが勝っているか」**にあります。

  1. §1–2 枠組み・全社サマリー — 比較軸と最新期(FY2025)の主要指標(詳細な財務マトリクスは折りたたみ)
  2. §3 財務比較 — 成長性・収益性・キャッシュ・健全性・株主還元を5か年推移+グラフで
  3. §4–5 セグメント・各社個別評価 — 業態構成と各社の個別評価(集約図に集約)
  4. §6 総合評価 — 多軸ヒートマップで「どこが勝っているか」を結論づけ

空運業はコロナ禍で全社が巨額赤字を計上→FY2023以降V字回復という共通の軌跡を持つ。航空機という巨額の固定資産・有利子負債を抱える装置産業であり、需要回復・燃油費・為替に業績が強く連動する。


1. 比較の枠組み

比較対象とその選定理由

# 企業名 業態 選定理由
1 ANAホールディングス フルサービスキャリア(FSC) 国内航空首位。国際・国内・LCC(Peach)・貨物を擁する最大手
2 日本航空 フルサービスキャリア(FSC) 国内2位。経営破綻からの再建を経て高効率体質。国際・国内・LCC(ZIPAIR/SPRING)
3 スカイマーク 中堅キャリア(LCC的) 独立系中堅。神戸・羽田を軸にした低コスト運航。経営破綻からの再上場組

3社はいずれも東証上場。
ANA・JALのFSC2強と、中堅のスカイマークという構図。
共通の逆風はコロナ禍の需要蒸発(FY2021-22)で、その後のインバウンド回復が共通の追い風。
航空機リース・購入に伴う有利子負債が財務の重しとなる。

評価軸

本レポートでは以下の観点で各社を評価する:


2. 全社財務サマリー(最新FY)

データ基準日: 財務 = 各社 FY2025(period_end=2025-03-31)/ 株価 = 2026-05-17 単位: 金額は億円、比率は %、EV/EBITDA は倍。
自己資本比率・ROE・D/E の分母は**自己資本 = 純資産 − 非支配持分(親会社株主帰属持分)**で統一。
会社公表の自己資本比率と一致する。

指標 FY2025
ANAホールディングス
FY2025
日本航空
FY2025
スカイマーク
売上高 22,619 18,441 1,089
営業利益 1,966 1,686 18
営業利益率 8.7% 9.1% 1.7%
純利益 1,530 1,070 21
ROE 13.5% 11.5% 7.9%
自己資本比率 31.2% 33.4% 26.1%
営業CF 3,730 3,815 72
EV/EBITDA 5.3x 7.7x

業態典型値チェック: FSC2社の営業利益率8-9%・ROE11-14%はコロナ前を上回る好水準で、需要回復と運賃上昇・コスト規律が効いている。スカイマークは営業利益率1.7%と薄く、中堅ゆえの規模の劣後と競争激化が利益を圧迫。
航空機ファイナンスでD/E比は3社とも1.0前後。

📊 最新期 財務マトリクス(科目 × 全3社/クリックで展開)

単位: 金額は億円(円÷1億・四捨五入)。DSO/DIO/DPO/CCC は日数、利益率・自己資本比率・ROE は %、EV/EBITDA は倍。FYは全社 FY2025。

科目 FY2025
ANAホールディングス
FY2025
日本航空
FY2025
スカイマーク
【PL】
売上高 22,619 18,441 1,089
売上原価 18,435
営業利益 1,966 1,686 18
営業利益率 8.7% 9.1% 1.7%
純利益 1,530 1,070 21
【CF】
営業CF 3,730 3,815 72
減価償却費 1,487 27
【資産】
流動資産 16,937 10,954 394
売掛金 182 2,102 55
棚卸資産 758 497 1
現預金 8,627 7,490 260
有形固定資産 14,050 12,140 158
のれん 140 40
総資産 36,203 27,949 1,039
【負債・純資産】
流動負債 12,765 8,383 499
買掛金 2,355 1,792 38
固定負債 12,037 9,399 269
総負債 24,802 18,199 768
有利子負債 11,691 8,960 299
純資産合計 11,401 9,751 271
非支配持分 98 416
自己資本 11,303 9,334 271
自己資本比率 31.2% 33.4% 26.1%
D/E比 1.03 0.96 1.10
【運転資本】
DSO(日) 3
DIO(日) 15
DPO(日) 47
CCC(日) ▲29
【収益性】
ROE 13.5% 11.5% 7.9%
EV/EBITDA(倍) 5.3 7.7

出典: EDINET DB get_financials(XBRL直接・2026-06-21取得)。
金額は円→億円換算(円÷1億・四捨五入)。自己資本=純資産−非支配持分。
自己資本比率=自己資本÷総資産、ROE=純利益÷期末自己資本、D/E=有利子負債÷自己資本

日本航空・スカイマークの売上原価非開示によりCCC等は「—」(航空券前受モデルで運転資本はマイナス気味=ANAはCCC▲29日)。
各社 総資産=総負債+純資産合計 を検証済み。


3. 財務比較(5か年推移)

計算規約・出典(クリックで展開)
  • 出典は EDINET DB get_financials(XBRL直接・2026-06-21取得・各社有報 FY2021〜FY2025)。金額は円→億円換算(円÷1億)。すべて生データからの導出で推測値は含まない。
  • 自己資本比率 = 自己資本(純資産−非支配持分)÷ 総資産。ROE = 純利益 ÷ 期末自己資本。D/E = 有利子負債 ÷ 自己資本。配当性向 = 配当総額 ÷ 純利益。
  • FY2021-2022 はコロナ禍の巨額赤字期。航空券前受で運転資本はマイナス気味。各社 総資産 = 総負債 + 純資産 を検証済み。

5か年推移は 行 = 企業 / 列 = 年 で表示(前年比の把握が容易)。最新期の全科目は §2 直下のトグル「最新期 財務マトリクス」を参照。

📈 3-1 成長性 売上・営業利益・純利益(5か年)

売上高(棒・左軸)と営業利益(線・右軸)の5か年推移(3社)

売上高推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025 4Y CAGR
ANAホールディングス 7,287 10,203 17,075 20,559 22,619 +32.7%
日本航空 4,812 6,827 13,756 16,519 18,441 +39.9%
スカイマーク 341 471 847 1,041 1,089 +33.7%

コロナ禍の需要蒸発(FY2021)から劇的なV字回復
3社とも4Y CAGR30%超だが、これは2021年の異常な低水準が起点。
FY2023以降は国内需要回復+インバウンド急増で売上を伸ばし、ANA・JALはコロナ前(2.0兆/1.5兆円規模)を回復・超過した。

営業利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス ▲4,648 ▲1,731 1,200 2,079 1,966
日本航空 ▲3,904 ▲2,348 651 1,409 1,686
スカイマーク ▲167 35 47 18

FY2021はANA▲4,648億・JAL▲3,904億の壊滅的赤字——需要蒸発で固定費(人件費・機材費)が利益を直撃。
FY2023に黒字転換し、FY2024-25はANA約2,000億・JAL約1,700億の高水準。
スカイマークはFY2025に18億へ減益(競争激化・コスト上昇)。

純利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス ▲4,046 ▲1,436 895 1,571 1,530
日本航空 ▲2,867 ▲1,776 344 955 1,070
スカイマーク ▲163 ▲67 57 30 21

コロナ2年(FY2021-22)の累積赤字は自己資本を大きく毀損した。FY2023以降の回復で純利益は黒字定着し、ANA・JALは1,000億超を計上。スカイマークも黒字を維持するが規模は小さい。

💰 3-2 収益性 営業利益率・ROE

営業利益率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス ▲63.8 ▲17.0 7.0 10.1 8.7
日本航空 ▲81.1 ▲34.4 4.7 8.5 9.1
スカイマーク ▲35.4 4.1 4.5 1.7

FY2021の営業利益率はANA▲63.8%・JAL▲81.1%という極端な水準(売上が固定費を大きく下回る装置産業の宿命)。
FY2024-25はFSC2社が8-9%まで回復し、コロナ前(5-6%)を上回る高収益体質を実現。
スカイマークは1.7%へ低下。

ROE推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス ▲40.2 ▲18.0 10.4 15.0 13.5
日本航空 ▲31.4 ▲23.6 4.4 11.0 11.5
スカイマーク ▲156.8 ▲72.4 23.9 10.8 7.9

コロナ期は自己資本の毀損でROEが大きくマイナス。
FY2024-25はANA13.5%・JAL11.5%と二桁の高ROE。
スカイマークはFY2023の23.9%(薄い自己資本での反発)から7.9%へ正常化。

💵 3-3 キャッシュ創出 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフロー推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス ▲2,704 ▲764 4,498 4,206 3,730
日本航空 ▲2,195 ▲1,035 2,929 3,639 3,815
スカイマーク ▲245 ▲125 59 82 72

コロナ期は営業CFもマイナスで、各社は手元資金・借入で凌いだ。FY2023以降は需要回復+航空券前受でANA・JALが3,000〜4,500億の潤沢なCFを創出し、有利子負債の圧縮原資となっている。

CCC(運転資本の重さ)横棒

🛡️ 3-4 財務健全性 自己資本比率・有利子負債・D/E

自己資本比率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス 31.4 24.8 25.6 29.3 31.2
日本航空 43.3 31.7 30.8 32.9 33.4
スカイマーク 12.2 9.9 22.2 25.1 26.1

有利子負債推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス 15,155 14,601 13,579 12,640 11,691
日本航空 5,151 9,285 9,255 8,873 8,960
スカイマーク 359 317 311 299

D/Eレシオ推移(倍)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス 1.50 1.83 1.57 1.21 1.03
日本航空 0.56 1.23 1.19 1.02 0.96
スカイマーク 3.86 1.33 1.12 1.10

バランスシート構成(各社・総資産=100%/資産は上から流動資産→固定資産の標準BS構造)

コロナ期に膨らんだ有利子負債を回復CFで継続圧縮中
ANAはFY2022の1.5兆円超からFY2025 1.17兆円へ、D/E比も1.83→1.03へ改善。
JALは元々財務が堅く自己資本比率33.4%。
スカイマークはFY2022のD/E3.86(債務超過寸前)から回復し1.10へ。
航空機ファイナンスで装置産業特有の高レバレッジが共通。

🎁 3-5 株主還元・1株価値 配当性向・EPS/BPS

配当性向推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
ANAホールディングス 15.0 18.4
日本航空 31.7 34.3 35.1
スカイマーク 5.3 57.0 8.4

コロナ赤字期(FY2021-22)は無配。回復に伴い復配し、JALは配当性向35%前後の安定還元、ANAは18%と慎重(財務改善を優先)。スカイマークは利益変動で配当性向が乱高下。

1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)

社名 最新FY EPS(円) BPS(円)
ANAホールディングス FY2025 325.3 2,402.6
日本航空 FY2025 245.2 2,138.2
スカイマーク FY2025 35.6 450.3

EPS = 純利益 ÷ 期末発行済株式数(自己株式控除後)、BPS = 自己資本 ÷ 同。コロナ期の損失・増資で5か年時系列は連続比較できないため最新期のみ掲載。


4. セグメント別収益構成(最新期)

社名 主要セグメント 収益構成・特色 補足
ANAホールディングス 航空事業(国際・国内・貨物)/ LCC(Peach)/ 商社・その他 国際線・国内線のFSCが主力。Peachで需要層を拡大、貨物も収益源 マイル経済圏・非航空事業の拡大を推進
日本航空 フルサービス(国際・国内)/ LCC(ZIPAIR・SPRING)/ 貨物郵便・マイル FSC+複数LCCのマルチブランド。破綻後の高効率体質で利益率が高い ZIPAIR(中長距離LCC)が成長軸
スカイマーク 国内旅客(神戸・羽田中心)/ チャーター 神戸空港を軸にした中堅キャリア。低コスト運航で価格訴求 機材統一(737)でコスト効率。再上場後の成長途上

ANA・JALのFSC2強はマイル経済圏・LCC子会社・貨物で収益を多角化し、コロナ後はインバウンド国際線が利益を牽引。
スカイマークは国内特化の中堅で、規模・路線網でFSCに劣後する。
需要回復の一巡後は、燃油費・人件費上昇と価格競争が共通の論点。


5. 各社個別評価

各社の個別評価サマリー(特色・強み・弱み・直近の動き)


6. 比較サマリー — どこが勝っているか

評価マトリクス

評価軸ANAホールディングス日本航空スカイマーク
成長性★★★★★★★★★★★
収益性★★★★★★★★★★
財務健全性★★★★★★★★★
ビジネスモデル★★★★★★★★★★★
バリュエーション★★★★★★★★★★
総合★★★★★★★★★★

★が多いほど高評価(5段階)。色が濃い緑=強み、赤=弱み。総合は5軸を踏まえた結論。

評価ポジショニング(営業利益率 × ROE、バブル=売上規模)

勝者と理由

規模とブランドのANA、効率と財務のJALが拮抗——ANAは売上2.3兆円の最大手で、国際線・Peach・貨物・マイル経済圏の総合力が強み。
ROE13.5%・回復CFでの有利子負債圧縮が進む。
JALは破綻後の高効率体質で営業利益率9.1%・自己資本比率33.4%と財務が堅く、ZIPAIRの成長も評価。両社ともコロナ前を上回る収益力を回復しており、総合評価はほぼ互角。

スカイマークは中堅ゆえの劣後——国内特化・規模の小ささで営業利益率1.7%と薄く、FSC2強との競争・コスト上昇が利益を圧迫。再上場後の成長途上で、財務(自己資本比率26.1%)もまだ厚みに欠ける。

注目すべき構造変化


関連レポート

出所・検証メタデータ(通常は閲覧不要。クリックで展開)
source: EDINET DB get_financials(XBRL直接)+ローカルEDINETスナップショット(XBRL由来・有利子負債の統一定義)
financials_fetched_at: 2026-06-21
period: 各社 FY2021〜FY2025(period_end 3-31)
companies: ANAホールディングス(E04273) / 日本航空(E04272) / スカイマーク(E38082)
equity_basis: 自己資本 = 純資産 − 非支配持分(親会社株主帰属持分)。自己資本比率・ROE・D/E の分母に使用。会社公表の自己資本比率と一致
audit_fix: 2026-06-21 監査修正。B群: 自己資本比率を自己資本基準で統一・§3を11指標5か年へ拡張・CCC/BS明細を get_financials から実数化。日本航空・スカイマークの売上原価非開示によりDSO/DIO/DPO/CCCは「—」(航空券前受モデル)
charts: airline_sales_oi_trend / airline_ccc / airline_bs_mix / airline_profitability / airline_company_all