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理解度チェック_セグメント編

【経済・電気・ガス業】電気・ガス業理解度チェック

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目次
  1. 第1部 業態区分と市場規模(電気・ガス業セグメント分析_1_業態区分と市場規模)
  2. Q1. 業態区分と財務の頂点 🟦
  3. Q2. 規制インフラ型の二層構造 🟦
  4. Q3. 燃料費サイクルの3年間(FY2023→FY2025) 🟦
  5. 競争構造・バリューチェーン(第1部)
  6. Q4. 5フォースの業態差(規制部門vs自由化部門) 🟦
  7. Q5. 燃料費転嫁メカニズムとP/L構造の恒等式 🟨
  8. Q6. CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の業態差 🟨
  9. 第2部 FP&A断面と投資視点(電気・ガス業セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点)
  10. Q7. FP&A7項目の規制インフラ型読み替え 🟦
  11. Q8. EV/EBITDAと配当利回りを主指標とする根拠 🟨
  12. Q9. GX-ETSの業態別影響差 🟨
  13. 関連リンク

電気・ガス業セグメント分析 クイック確認

電気・ガス業セグメント分析_1_業態区分と市場規模電気・ガス業セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点を読んだ後の理解度チェック(全9問)。
🟦=基礎 / 🟨=応用。
各問の解答・採点観点は折りたたみ内。


第1部 業態区分と市場規模(電気・ガス業セグメント分析_1_業態区分と市場規模

Q1. 業態区分と財務の頂点 🟦

問題: 本分析の対象5社を業態別に分けよ。また、FY2025で営業利益率が最も高い企業と、自己資本比率が最も高い企業をそれぞれ答えよ。

解答と採点観点

解答: 大手電力=東京電力HD(9501)・関西電力(9503)・中部電力(9502)、大手ガス=東京瓦斯(9531)・大阪瓦斯(9532)。
営業利益率最高は関西電力(10.8%)(原子力4基稼働による低燃料費構造)、自己資本比率最高は大阪瓦斯(52.8%)(廃炉・大型送電設備のないガス系の財務健全性)。
採点観点: ①3電力+2ガスの業態区分 ②OPM最高=関西電力10.8% ③自己資本比率最高=大阪瓦斯52.8% 出典: 第1部 §2-1・§3

Q2. 規制インフラ型の二層構造 🟦

問題: 電気・ガス業が「規制インフラ型(タイプ4)」と呼ばれる理由を、規制部門と自由化部門の2層構造で説明せよ。また、規制部門の収益モデルを1行で答えよ。

解答と採点観点

解答: 電気・ガス業は送配電(電力)・導管(ガス)の規制部門小売・発電の自由化部門が混在する2層構造。
規制部門は法的独占ゆえ料金を経産省が認可し、自由化部門では電力・ガス間の越境競争が激化。
規制部門の収益モデルは**「RAB(規制資産ベース)×規制報酬率3〜4%」**の安定低収益(WACCギリギリ)。
採点観点: ①規制部門(送配電・導管)と自由化部門(小売・発電)の区別 ②規制部門の独占収益モデル ③RAB×規制報酬率3〜4%の定式 出典: 第1部 §2-1・§4

Q3. 燃料費サイクルの3年間(FY2023→FY2025) 🟦

問題: 大手電力3社のOPMはFY2023に全社赤字だったが、FY2024に急回復し、FY2025に正常化した。
この3年間の変動の根本原因を、燃料費調整制度の「転嫁ラグ」で説明せよ。
大阪瓦斯だけFY2023にOPM18.5%のピークだった理由も合わせて答えよ。

解答と採点観点

解答: 燃料費調整制度はLNG・石炭価格を3〜5か月後に料金に反映する仕組み。
FY2023は露ウクライナ戦争でLNG急騰→燃料費はすぐコスト増、売上反映は3〜5か月遅れ→スプレッド逆転で全社赤字。
FY2024はLNG価格正常化→売上側に高値転嫁が残った状態で燃料費が下落→スプレッド拡大で急回復。大阪瓦斯はFY2023に海外LNG上流(採掘・液化)権益収入が急増(LNG価格高騰で上流益が内外相殺を超過)→OPMピーク18.5%→以降正常化で8%台へ低下。
採点観点: ①転嫁ラグ3〜5か月の仕組み ②FY2023赤字(燃料費先行増)→FY2024急回復(ラグ解消)→FY2025正常化 ③大阪瓦斯の海外LNG上流収益が高騰局面で超過 出典: 第1部 §3-1・Q-α模範解答


競争構造・バリューチェーン(第1部

Q4. 5フォースの業態差(規制部門vs自由化部門) 🟦

問題: 電気・ガス業の5フォース分析で、「既存競合の敵対度」が規制部門(送配電・導管)と自由化部門(小売)で正反対になる理由を説明せよ。また、売り手(調達)の交渉力が強い根本原因は何か。

解答と採点観点

解答: 規制部門(送配電・導管)は地域独占+法定料金で既存競合が事実上存在せず敵対度「弱」
自由化部門(小売)は2016年電力・2017年ガス完全自由化以降に電力会社とガス会社が互いの領域に参入し競争が激化で敵対度「強」
売り手(LNG資源メジャー)の交渉力が強い理由は、LNG長期契約(Take or Pay条項)が発動すると調達コストを一方的に制御できず、かつ代替供給源が限定的なため。
採点観点: ①規制部門=地域独占で競争なし ②自由化部門=電力・ガス越境で競争激化 ③LNG資源メジャーはTake or Payで交渉力大 出典: 第1部 §4

Q5. 燃料費転嫁メカニズムとP/L構造の恒等式 🟨

問題: 規制インフラ型電気・ガス業のP/L費目恒等式を書け。また「燃料費率+転嫁比率」が利益率に与える影響を、東京電力HD(燃料費率推定42%)と関西電力(推定25%)を対比して説明せよ。

解答と採点観点

解答: 費目恒等式:燃料費率+減価償却率+規制費用率(系統利用料)+人件費率+その他費用率+OPM率 = 100%
東電HD(燃料費率42%)はLNG価格+30%上昇時の燃料費増額が売上比12.6pt増となり、転嫁ラグ+上限規制で自社負担が膨らみ赤字転落リスク大。
関電(燃料費率25%)は原子力稼働で同じ+30%でも売上比7.5pt増に抑えられ、OPM10.8%の余裕があるため黒字維持しやすい。燃料費率の差(42vs25)が直接OPM感応度の差になる
採点観点: ①費目恒等式(6費目+OPM=100%)正確に記述 ②東電HD燃料費率42%・関電25%の違い ③燃料費率の差がOPM感応度に直結 出典: 第1部 §5-2・§5-3

Q6. CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)の業態差 🟨

問題: 大手電力のCCC(50〜100日)が大手ガスのCCC(15〜25日)より大幅に長い構造的理由を、DSO・DIO・DPOそれぞれで説明せよ。燃料費調整制度の転嫁ラグはCCCに影響するか。

解答と採点観点

解答: 大手電力はDSO60〜120日(家庭月次+大口の二月遅払)・DIO20〜40日(LNG・石炭在庫)・DPO30〜60日でCCC50〜100日。
大手ガスはDSO30〜60日(家庭月次中心)・DIO15〜25日(LNGタンクの物理制約で頻繁入出)・DPO30〜60日でCCC15〜25日。燃料費調整転嫁ラグ(3〜5か月)はCCCに直接算入されないが、燃料費支出は即時・料金回収は遅れるため営業キャッシュフローを一時的に圧迫し、LNG価格急騰局面では追加借入が必要になる実質的な資金拘束を生む。
採点観点: ①DSO(電力>ガス)の理由(大口支払サイト) ②DIO(電力>ガス)の理由(石炭在庫vs物理制約) ③転嫁ラグはCCC外だが営業CF圧迫で実質的資金拘束 出典: 第1部 §5-3・第2部 §7-3


第2部 FP&A断面と投資視点(電気・ガス業セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点

Q7. FP&A7項目の規制インフラ型読み替え 🟦

問題: FP&A共通スキーマの「7-1 収益ドライバー」と「7-7 規制」を規制インフラ型業態に読み替えよ。それぞれ最重要な先行指標・リスク要因を1つずつ挙げよ。

解答と採点観点

解答: 7-1 収益ドライバー(規制インフラ読み替え):通常の「価格×数量」ではなく**「燃料費調整制度転嫁率×ラグ×LNG価格」と「原子力稼働率」が最重要先行指標。
先行指標の筆頭は
LNG先物価格と経産省の燃料費調整上限告示**。7-7 規制(規制インフラ特有):電気事業法・ガス事業法・GX-ETS(2026年施行予定のカーボン課金)・原子力規制委員会の安全審査が主要リスク。
最重要リスクはGX-ETS本格導入による規制費用率の急上昇(CO2課金が営業費用に直撃)
採点観点: ①7-1の最重要先行指標=LNG価格×転嫁率×ラグ・原子力稼働率 ②7-7の最重要リスク=GX-ETS(規制費用増) ③規制部門RABモデルへの言及あれば加点 出典: 第2部 §7-1・§7-7

Q8. EV/EBITDAと配当利回りを主指標とする根拠 🟨

問題: 電気・ガス業界でPERを主指標としない理由と、EV/EBITDAと配当利回りが主指標として有効な理由を説明せよ。
東京電力HDのEV/EBITDA11.2倍が業界中央値(約8.3倍)より高くなる特殊事情も答えよ。

解答と採点観点

解答: PERを主指標としない理由は燃料費サイクルでEPSが極端に動くため(FY2023は全社赤字でPER算出不能、FY2024はEPS急増でPER過小)。
EV/EBITDAが有効な理由は減価償却を多く抱える重資産業で設備投資サイクルを平準化できるから。
配当利回りが有効な理由は規制インフラは安定CFからの還元が本来価値で、インフラ株としての評価に整合するから。
東電HDのEV/EBITDA11.2倍が高い特殊事情は廃炉費用約22兆円の引当で純有利子負債(=EV算出の分子)が膨らむため(廃炉債務でEVが人為的に増大)。
採点観点: ①PER不適:燃料費サイクルで一過性に動く ②EV/EBITDA有効:重資産の設備投資平準化 ③配当利回り有効:安定CF還元がインフラ株の本質 ④東電HD特殊:廃炉22兆円でEV膨張 出典: 第2部 §7-5・§8

Q9. GX-ETSの業態別影響差 🟨

問題: 2026年施行予定のGX-ETS(排出量取引制度)が電力3社(東電HD・関電・中電)に与えるコスト影響が業態内で大きく異なる理由を、各社の電源構成の違いで説明せよ。ガス2社への影響も答えよ。

解答と採点観点

解答: GX-ETSはCO2排出量に応じた課金のため化石燃料発電比率が高いほど影響大
東電HDは柏崎刈羽原発未稼働で火力依存度が高くGX-ETSの最大の被害者(規制費用率が+3〜5pt上昇の可能性)。
関電は原子力4基稼働でゼロエミッション電源比率が高くGX-ETS影響が最も軽微(既存の競争優位がさらに拡大)。
中電はJERA(東電HD・中電の火力発電合弁)を通じた火力比率が高く影響中程度。
ガス2社への影響:LNG火力需要が構造的に縮小する方向(電化・再エネ拡大)だが、e-methane(合成メタン)やSAFへの転換投資で国内ガス需要構造のシフト対応が必要。
ただし規制費用の直接課金は電力会社ほど大きくない(ガス由来排出は顧客側で計上)。
採点観点: ①東電HD:火力依存・原発未稼働でGX-ETS最大被害 ②関電:原子力4基でGX-ETS影響軽微 ③ガス2社:直接課金は軽微だがLNG需要縮小対応必要(e-methane・SAF) 出典: 第2部 §7-7・§8


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