税金を下げても、物価は上がった — 5年ぶりに作り替えられた「物価のものさし」で測った日本の7月
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#FP&A#消費者物価指数#CPI#基準改定#日本経済#日銀#インフレ#ガソリン暫定税率#高校無償化#予算前提
目次
税金を下げても、物価は上がった — 5年ぶりに作り替えられた「物価のものさし」で測った日本の7月

2026年7月、日本の物価は前年より1.9%上がりました。6月の1.6%から加速しています。
この数字は、ガソリンにかかる税金が1リットルあたり25.1円分なくなった後の値です。
私立高校の授業料が前年比73.2%下がった後の値でもあります。
減税と無償化で押し下げられてなお、物価は上がりました。
そして同じ8月21日、物価を測るものさしそのものが5年ぶりに入れ替わりました。
総務省統計局が公表した7月分は、2020年基準ではなく2025年基準の指数です。
上がった数字と、その数字を出す装置が、同じ日に更新されたことになります。
7月に何が起きたか
まず数字を並べます。 総合指数は102.0で前年同月比+1.9%、季節調整済みの前月比も+0.4%でした。
生鮮食品を除く総合(コア)は102.1で+1.8%、生鮮食品とエネルギーを除く総合(コアコア)も102.1で+1.9%です。
6月はそれぞれ+1.6%、+1.6%、+1.7%でしたから、3つとも上向いています。
押し上げているのは食料です。
食料全体が+3.5%で、寄与度は0.97ポイント。
総合の+1.9%のうち、ほぼ半分を食料1費目が作っています。
生鮮食品が+7.0%と跳ねたのが7月の特徴ですが、生鮮を除いた食料も+3.0%(寄与0.72)で、粘り強く上がり続けています。
内訳を見ると、値上がりの場所がはっきりします。
生鮮魚介+12.4%、生鮮野菜+6.6%、菓子類+6.1%、調理食品+3.5%、外食+1.7%。
一方で米類は-11.6%で、前年の高騰の反動が出ています。
米が2桁下がってなお、食料全体は3.5%上がっている構図です。
食料以外では交通・通信が+2.6%(寄与0.37)、家具・家事用品が+3.7%、保健医療が+2.1%でした。
携帯電話の通信料が+4.6%、任意の自動車保険料が+5.9%と、生活の固定費側も動いています。
財とサービスに分けると、財が+2.7%、サービスが+1.2%です。値上がりの主戦場はまだモノの側にあり、サービスの側は伸びが鈍い。ここは後で日銀の判断につながります。
指数の用語を整理する
- コア(生鮮食品を除く総合) — 天候で振れる生鮮食品を外した指数。日本銀行が政策判断で主に見る系列です。
- コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合) — 生鮮に加えて原油価格の影響を受けるエネルギーも外した指数。国内の需給や賃金がどれだけ価格に乗っているかを見るのに使われます。
- 寄与度 — その品目が指数全体の変化率を何ポイント分作ったかを示す値。ウエイト×前年同月比でおおむね計算でき、費目ごとの「効き目」を比べられます。
- ウエイト — 家計の支出に占める割合。1万分比で表され、合計が10000になります。同じ値上がり率でも、ウエイトが大きい品目ほど指数を大きく動かします。
- 持家の帰属家賃 — 持ち家に住む人が、もし借りていたら払うはずの家賃を推計して指数に含めたもの。実際の支出ではないため動きが鈍く、指数全体を薄める働きをします。
5年に一度、ものさしを作り替える
消費者物価指数は1955年以降、5年ごとに基準年を入れ替えてきました。 今回は2020年基準から2025年基準への切り替えです。
統計法に基づく統計基準で、西暦の末尾が0か5の年に更新すると決まっています。
作り替えられるのは主に3つです。
ひとつは指数の起点で、2025年の平均を100に置き直します。
ふたつめが対象品目。
19品目を追加し、11品目を廃止し、2品目を1品目に統合して、589品目になりました。
三つめがウエイトで、2025年の家計調査(2人以上の世帯)の年平均1か月・1世帯当たりの品目別消費支出金額をもとに組み直しています。
品目の入れ替えは、そのまま生活の変化の記録です。
追加されたのはグミ、ゼリー飲料、プロテインパウダー、ヘルメット、ヘッドホン・イヤホン、ペット保険料といった顔ぶれ。
廃止されたのはネクタイ、婦人用ストッキング、ビデオソフトレンタル料、振込手数料などでした。
買われなくなったものが指数から降り、買われるようになったものが上がってくる。
ウエイトの動きはもっと直接的です。
10大費目で最も増えたのが食料で、2626から2754へ128ポイント上がりました。
逆に減ったのは被服及び履物(353→299)、交通・通信(1493→1444)、諸雑費(607→570)です。
品目単位では宿泊料が81から118へ大きく増え、携帯電話の通信料が271から231へ減りました。
ここが実務的に効いてきます。
食料のウエイトが上がったということは、これから食料が動いたときに指数が受ける影響が大きくなるということです。
食料が+3.5%で走っている局面でウエイトが増えれば、同じ値上がりでも指数はより大きく上がる。ものさしの目盛りが、いま最も動いている品目に寄せられたわけです。
目盛りを入れ替えると、数字はどれだけずれるか
基準改定でいちばん気になるのは、過去との段差です。 統計局は8月7日に遡及結果を公表しており、そこにはこう書かれています。
2026年6月の総合の前年同月比は、2020年基準では1.7%だったが、2025年基準では1.6%となり、基準改定により0.1ポイントの下方改定となった、と。
0.1ポイント。歴史的に見れば、これはかなり小さい段差です。
| 基準改定 | 対象月 | 総合の改定幅 | 生鮮食品を除く総合 |
|---|---|---|---|
| 2000年基準(2001年) | 1〜6月 | -0.2〜-0.4 | -0.2〜-0.3 |
| 2005年基準(2006年) | 1〜6月 | -0.5〜-0.6 | -0.4〜-0.6 |
| 2010年基準(2011年) | 1〜6月 | -0.5〜-0.7 | -0.5〜-0.8 |
| 2015年基準(2016年) | 1〜6月 | -0.1〜+0.1 | -0.1〜+0.1 |
| 2020年基準(2021年) | 1〜6月 | -0.1〜-0.7 | -0.1〜-0.8 |
| 2025年基準(2026年) | 1〜6月 | 0.0〜-0.1 | 0.0〜-0.1 |
2005年と2010年の改定では、総合が0.5〜0.7ポイントも下方修正されました。
当時の物価上昇率が1%に届かない水準だったことを考えると、これは「プラスだと思っていたものがマイナスだった」に相当する幅です。
2020年基準改定でも4〜6月は-0.7ポイントで、携帯電話の大幅値下げとウエイト更新が重なった結果でした。
なぜ改定すると下がるのか。統計局は6月の寄与度差-0.03ポイントを4つに分解しています。
- ウエイト効果: +0.10ポイント。支出の重みの入れ替えによる分で、今回はむしろ押し上げ方向でした。
- リセット効果: -0.15ポイント。前年の指数を100に置き直すことで生じる分。下方改定の主因はここです。
- モデル式効果: 0.00ポイント。品質調整の推計式の変更による分。
- 品目改定効果: +0.02ポイント。品目の追加・廃止による分。
「基準改定は物価を低く見せる」とだけ覚えると、原因を取り違えます。
ウエイトの更新は今回むしろ数字を押し上げており、下げているのは前年の指数を100に戻すという算術上の処理でした。
そしてこのリセット効果は、値上がり率が大きく散らばっている局面ほど大きく出ます。
実務でもう一つ注意が要るのが、接続のルールです。
統計局は前月比・前年同月比などの変化率について、各基準年の公表値をそのまま使い、接続指数で再計算しないと定めています。
つまり2026年1〜6月として公表され続ける前年同月比は2020年基準の値で、7月分から2025年基準に切り替わる。同じ表の上下に、違うものさしで測った数字が並びます。 6月1.7%・7月1.9%と読むか、遡及値の6月1.6%・7月1.9%と読むかで、加速の幅が0.1ポイント変わります。

1.9%のうち、どこまでが政策で削られているか
7月の1.9%を読むうえで外せないのが、政策の手が入っている品目です。 大きいものが2つあります。
ひとつがガソリンです。
揮発油税と地方揮発油税の「当分の間税率」は、2025年12月31日をもって廃止されました。
1キロリットルあたり53,800円だった税率が本則の28,700円になり、差は25,100円——1リットルあたり25.1円です。
軽油引取税の暫定税率17.1円も2026年4月1日に廃止されました。
統計局は7月分の公表資料で、この効果の試算値を明示しています。
ガソリンで-0.23ポイント、エネルギー全体で-0.22ポイント。
内訳も出ていて、ガソリンの-0.23は当月分の-0.34と前年剥落分の+0.11の合計です。
減税から半年以上が経ち、押し下げの効果が前年比の分母側から抜け始めています。
さらに現在は、原油高への対応として「中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置」が2026年3月19日から動いており、2026年8月20日以降のガソリン支給単価は1リットル26.0円です。
減税と補助金が重なった状態で、7月のガソリンは前年比-1.8%にとどまりました。
もうひとつが教育です。
教育費目は-3.8%で、寄与度は-0.12ポイント。
中身を開くと、私立の高等学校授業料が-73.2%(寄与-0.15)、学校給食が-71.7%(寄与-0.12)でした。
無償化の制度変更が指数を7割落としています。
この2つを足すと、政策由来の押し下げは寄与度でおおむね0.3ポイント台に達します。表面の+1.9%は、この押し下げが載ったうえでの数字です。
ここを予算の前提に置き換えると、扱いが変わります。
政策の押し下げは前年同月比という指標の性質上、原則として1年で消えます。
ガソリンの前年剥落分が既に+0.11として現れているのが、その最初の兆候です。
授業料の-0.15も、制度が据え置かれれば次年度に剥落します。いま見えている1.9%は、来年に向けて自動的に上がる余地を内側に抱えた数字ということになります。
来期の計画に物価の前提を置くなら、直近の総合指数をそのまま伸ばすのは危険です。
政策で削られている分を戻した水準と、削られたままの水準の2本を持ち、どの費目が自社の原価に効くかで使い分ける。
仕入れが食品なら+3.5%、燃料費なら補助金の継続可否、人件費ならサービス価格の+1.2%と、見る系列が変わります。
値上げ交渉の材料としても、総合の1.9%を持ち出すより、自社の仕入れに対応する中分類の数字を出すほうが説得力が出ます。
エネルギー費目そのものも転換点にあります。
7月のエネルギーは+0.6%(寄与0.05)で、6月の-0.4%からプラスに転じました。
電気代は-0.1%とほぼ横ばい、都市ガス代は-1.1%、灯油は+15.7%です。エネルギーが指数を押し下げる局面は、すでに終わりかけています。
日銀は、この数字をどう見ているか
日本銀行は7月31日の展望レポートで、2026年度のコアCPI見通しを+2.5%へ引き下げました。 4月時点は+2.8%でしたから、0.3ポイントの下方修正です。
理由も明記されていて、政府による夏場のエネルギー負担緩和策の効果等から下振れている、としています。
2027年度は+2.4%(4月+2.3%)、2028年度は+2.0%です。
見通しを下げた一方で、同じレポートは足もとの数字を政策要因として割り引いています。
消費者物価(除く生鮮食品)の前年比について「足もとでは、政府によるエネルギー負担緩和策の効果などから、1%台半ばとなっている」と書き、そのうえで「消費者物価の基調的な上昇率は、徐々に高まっていくと予想され、2026年度後半から2027年度にかけて『物価安定の目標』と概ね整合的な水準となり、その後も同程度で推移する」と続けています。
リスクの置き方も一方向です。
「消費者物価の見通しについては、上振れリスクの方が大きい」と明記し、政策運営については「経済・物価・金融情勢に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していくことになる」としています。
表面の数字が下がっても、利上げの方向は変わっていません。
ただし基調を測る指標のほうは、まだ2%に届いていません。
日銀が公表する基調的インフレ率の指標では、2026年6月時点で刈込平均値が1.65%、加重中央値が0.92%、最頻値が1.4%でした。
いずれも2020年基準ベースの数字です。
加重中央値が1%を割っているということは、値上がりしている品目が一部に偏っていることを示します。
財が+2.7%でサービスが+1.2%という7月の内訳とも整合します。
つまり構図はこうです。
表面の総合は政策で押し下げられて1.9%。
押し下げを戻せばもっと高い。
しかし価格上昇の広がりを測る指標はまだ2%に届いていない。
日銀が確認したいのは総合の水準ではなく、この広がりのほうです。
見立てと監視ポイント
7月の数字が示したのは、日本の物価が政策の押し下げを受けてなお加速しているということです。
ただし基調を測る指標は2%に届いておらず、値上がりは食料に偏っています。
表面の1.9%と基調の1%台前半、どちらが正しいかではなく、両者の差が何で埋まっているかを見る局面です。
追うべき点を3つ挙げます。
- 政策要因が剥落する時期: ガソリンの押し下げは、前年剥落分が既に+0.11として出始めました。当月分の-0.34がいつゼロに近づくかで、エネルギー費目の寄与は0.2ポイント前後戻ります。教育の-0.15も、制度が据え置かれれば次年度に剥落します。剥落が重なる月を先に特定しておくと、来期予算の物価前提を置く時期が決まります。
- 日銀の基調指標が2025年基準でどう出るか: 刈込平均値と加重中央値の最新値は2026年6月分・2020年基準までで、7月分は全国CPI公表の2営業日後に更新される予定です。基準改定でウエイトが食料へ寄ったぶん、分布の中央がどちらへ動くかが焦点になります。加重中央値が1%台へ上がってくれば、値上がりの広がりが本物だという判断材料になります。
- 8月28日公表の東京都区部: 東京都区部の指数が2025年基準へ切り替わるのは8月分からで、全国より1か月遅れます。都区部は全国の先行指標として使われるため、切り替え初回の数字は「新しいものさしで測った直近の姿」という意味を持ちます。全国7月分と都区部8月分を並べたとき、食料とサービスの伸びが同じ方向を向いているかどうかを見ることになります。

腹落ち確認の問い
7月の物価は+1.9%で、6月の+1.6%から加速しました。
同じ月に基準改定があり、遡及すると6月は+1.6%です。
一方で日銀が見る加重中央値は1%を割っており、値上がりは食料に偏っています。
ここで、来期の予算に置く「物価の前提」を1つの数字で決めなければならないとしたら、どの系列を選び、どう補正しますか。
政策の押し下げが1年で剥落することと、ウエイトが食料へ寄ったことを手がかりに考えてみてください。
考え方
最初に決めるべきは、その前提を何に使うかです。
物価の数字は用途によって選ぶ系列が変わります。
売上の想定単価に使うなら自社が売る財・サービスに近い中分類、仕入れの想定に使うなら仕入れる品目の中分類、賃上げ原資の議論に使うなら生活実感に近い総合や持家の帰属家賃を除く総合が候補になります。
総合の+1.9%を全部の場面に流用すると、どの場面でも少しずつ外れます。
次に、いま見えている数字がどれだけ政策で削られているかを測ります。
7月の場合、ガソリンの暫定税率廃止と政策の効果がガソリンで-0.23ポイント、教育の無償化が-0.12ポイントの押し下げです。
合わせて0.3ポイント台。
これらは前年同月比という指標の構造上、原則として1年で消えます。
実際ガソリンでは前年剥落分が+0.11として既に出始めており、押し下げが解けていく過程が数字に現れています。
したがって来期の前提としては、いまの1.9%に剥落分を戻した水準を「上側のケース」として持つのが自然です。
逆に、補助金が延長されたり別の負担軽減策が入ったりすれば押し下げは続くので、1.9%前後を「下側のケース」に置きます。
1つの数字で決めろと言われても、実務では幅で持ったうえで代表値を置くほうが後で説明できます。
三つ目に、ウエイトが食料へ寄ったことの意味を織り込みます。
2025年基準では食料のウエイトが2626から2754へ増えました。
食料が+3.5%で走っている局面でウエイトが増えるということは、食料の値動きが指数に及ぼす影響が前より大きくなったということです。
つまりこれから先、食料が減速すれば指数は前より速く落ち、加速すれば前より速く上がる。
指数の感応度が食料に寄ったわけです。
仕入れが食品に近い事業なら、総合の数字と自社の原価の連動が以前より強くなったとも読めます。
四つ目に、広がりの指標を横に置きます。
加重中央値が0.92%ということは、値上がりが一部の品目に偏っていて、価格改定が経済全体に行き渡っているわけではないことを示します。
これは自社の値上げ交渉に直接効きます。
「世の中は2%上がっているので」と言っても、相手の仕入れる品目が中央値の側にあれば通りません。
中分類まで下ろして「あなたが買っているこの区分が何%上がっている」と示すほうが実務的です。
整理すると、手順は(a)用途を決めて系列を選ぶ、(b)政策の押し下げ寄与を足し戻して剥落後の水準を作る、(c)ウエイト変更で感応度が上がった費目を確認する、(d)広がりの指標で「全体か一部か」を判定する、の4段になります。
そのうえで代表値を1つ置き、上下のケースを併記して差異が出たときの説明を先に用意しておく。
基準改定のような装置側の変更があった年は、前年との比較そのものが同じものさしで行われていない可能性を疑うところから始めると、後から数字が合わない事故を避けられます。
関連リンク
- 一次(2026年7月分の全国指数): 2025年基準改定 全国消費者物価指数 2026年7月分(総務省統計局・2026年8月21日)
- 一次(報道資料): 2025年基準改定 全国消費者物価指数 2026年(令和8年)7月分(総務省)
- 一次(基準改定の中身): 消費者物価指数2025年基準改定の概要(2026年7月10日)
- 一次(新旧基準の段差と過去の改定幅): 2025年基準改定による遡及結果について(2026年8月7日)
- 一次(ガソリンの当分の間税率廃止): 揮発油税及び地方揮発油税の特例税率の廃止(国税庁)
- 一次(燃料油の激変緩和措置): 燃料油価格の定額引下げ(資源エネルギー庁)
- 一次(金融政策の見通し): 経済・物価情勢の展望 2026年7月 基本的見解(日本銀行・2026年7月31日)
- 一次(基調的インフレ率の指標): 基調的なインフレ率を捕捉するための指標(日本銀行)
- 食料の値上がりが直撃する業界の構造: 食料品業界基礎ガイド
- 価格転嫁の現場となる小売の収益構造: 小売業業界基礎ガイド
- 前提が外れたときの差異の切り分け方: 予実差異分析
- 物価前提を幅で持つときの手順: 感応度・シナリオ分析
- 関連する深掘り(日銀が据え置いた7月会合と展望レポート): boj-july2026-rate-hold-weak-yen
- 関連する深掘り(同じ四半期の実質GDPと交易条件): japan-q2-2026-gdp-gni-terms-of-trade
出典(一次/二次の切り分け)
- primary_source: 総務省統計局「2025年基準改定 全国消費者物価指数 2026年7月分」(2026年8月21日)/同「消費者物価指数2025年基準改定の概要」(2026年7月10日)/同「2025年基準改定による遡及結果について」(2026年8月7日)/国税庁「揮発油税及び地方揮発油税の特例税率の廃止」(令和7年12月)/資源エネルギー庁・燃料油価格の定額引下げ/日本銀行「経済・物価情勢の展望(2026年7月)基本的見解」(2026年7月31日)/日本銀行「基調的なインフレ率を捕捉するための指標」
- primary_source_url: https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
- primary_source_checked_at: 2026-08-22
- secondary_source: 統計局PDFは直接取得できないため、すべて https://r.jina.ai/ 経由で本文抽出した(抽出値はウエイト×前年同月比=寄与度の関係で検算し、月の列ずれがないことを確認)
- secondary_source_url: https://www.stat.go.jp/data/cpi/2025/pdf/def2025-2020.pdf
- source_confidence: High
- factcheck: 2026年7月分の総合102.0・+1.9%、コア102.1・+1.8%、コアコア102.1・+1.9%、6月がそれぞれ+1.6%・+1.6%・+1.7%であること、食料+3.5%(寄与0.97)、生鮮食品+7.0%、生鮮食品を除く食料+3.0%(0.72)、米類-11.6%、生鮮魚介+12.4%、生鮮野菜+6.6%、菓子類+6.1%、調理食品+3.5%、外食+1.7%、交通・通信+2.6%(0.37)、通信料(携帯電話)+4.6%、自動車保険料(任意)+5.9%、教育-3.8%(-0.12)、授業料等-6.4%(-0.14)、高等学校授業料(私立)-73.2%(-0.15)、学校給食-71.7%(-0.12)、エネルギー+0.6%(0.05)、電気代-0.1%、都市ガス代-1.1%、灯油+15.7%、ガソリン-1.8%、財+2.7%・サービス+1.2%、およびガソリンの暫定税率廃止と政策効果の寄与度試算(ガソリン-0.23=当月分-0.34+前年剥落分+0.11、エネルギー-0.22)は、統計局PDFをJina Reader経由で取得して原文照合し、さらにウエイト×前年同月比=寄与度の関係で検算した。当初の抽出で6月の列を7月として読みかけたため、6月・7月の両列を並べて再抽出し確定させた(6月=生鮮食品を除く食料+3.1%・エネルギー-0.4%・電気代-1.7%・ガソリン-0.8%)。基準改定の内容(1955年以降5年ごと、19品目追加・11品目廃止・2品目を1品目へ統合して589品目、ウエイトは2025年の家計調査、モデル品目74→78、季節調整ソフトの切替)は「2025年基準改定の概要」で確認した。2026年6月の総合が2020年基準1.7%・2025年基準1.6%で0.1ポイントの下方改定であること、寄与度差-0.03の分解(ウエイト効果+0.10、リセット効果-0.15、モデル式効果0.00、品目改定効果+0.02)、10大費目ウエイトの新旧比較、および過去5回の基準改定の改定幅は「遡及結果について」を2ルートで抽出し一致を確認した。ガソリンの当分の間税率廃止(53,800円/kL→28,700円/kL、差25,100円=1リットル25.1円、施行2025年12月31日)は国税庁資料、軽油引取税17.1円の廃止が2026年4月1日であること、および2026年8月20日以降のガソリン支給単価26.0円は資源エネルギー庁と燃料油価格引下げの公式サイトで確認した。日銀の2026年度コアCPI見通し+2.5%(4月+2.8%)、2027年度+2.4%、2028年度+2.0%、および「足もとでは…1%台半ばとなっている」「消費者物価の基調的な上昇率は…2026年度後半から2027年度にかけて…」「上振れリスクの方が大きい」「引き続き政策金利を引き上げ…」は展望レポートで原文照合した。基調的インフレ率の指標(2026年6月・刈込平均値1.65%、加重中央値0.92%、最頻値1.4%)は日銀公表データで確認し、2020年基準ベースである旨を本文に明記した。反証1パス:(1)エネルギーを「前年比マイナス」と書きかけたが6月の値であり、7月は+0.6%であるため訂正した。(2)生鮮食品を除く食料の+3.1%も6月の値で、7月は+3.0%であるため訂正した。(3)授業料等の-6.4%と私立高校授業料の-73.2%を混同しかけたため区別した。(4)「基準改定は物価を低く見せる」と一般化しかけたが、ウエイト効果は+0.10の押し上げで下方改定の主因はリセット効果であるため書き分けた。(5)2026年1〜6月の前年同月比を2025年基準で語りかけたが、接続ルールでは変化率は各基準年の公表値であるため、1〜6月の公表値が2020年基準のままである点を明記した。(6)民営家賃は同一PDF内に2系統(+4.2%と+0.7%)が並存し定義差を特定できないため使用しなかった。(7)基調的インフレ率の7月分は未公表であるため6月分・2020年基準であることを明記した。(8)ガソリン価格の下落を暫定税率廃止だけの効果と単純化せず、補助金26.0円との重なりを切り分けた。(9)「過去最小の段差」と書きかけたが2015年基準改定も±0.1以内であるため「過去2回に続いて小さい」にとどめた。