📚 業界ノート

市場ニュース|原油の供給不安と日本の基調インフレ

市場2026-10-24

【市場・コモディティ】米国中東グローバル(複数横断)【政治・金融政策】【市場・株式】【市場・金利】

#市場ニュース#原油#米国株#日本株#日本物価#日銀

目次
  1. 今日の地合い
  2. Snapshot
  3. 今日の主題
  4. 中東の攻撃と航路不安が原油の供給プレミアムを押し上げる
  5. 日本のコアCPIが2%台へ戻り、日銀の判断材料に
  6. Watchlist
  7. 出典

今日の地合い

Snapshot

項目 水準・前日比 投資上の意味
日経225 62,693円(−0.34%) 米ハイテク安を受け、週末に続落。
米国株 ダウ 52,215(−1.23%)
S&P500 7,624(−0.52%)
ナスダック 25,955(−0.21%)
景気敏感株にも売りが広がった。
ドル円(東京17時) 156.96円(−0.17%) 小幅な円高。為替単独の主題化条件には届かない。
米10年金利(NY15:30) 5.00%(+0.8%) インフレ懸念が長期金利の低下を抑えた。
WTI原油(CLZ26清算) 103.27ドル(+3.82%) 供給不安が企業コストと物価見通しを押し上げる。

基準日は2026-10-23。
日本株は東京終値、米国株は現地終値、原油はWTI12月限の清算値。
米10年金利は米財務省のNY午後3時30分ごろの入手値。
NY17時のドル円は同一基準で照合できなかったため、日銀公表の東京17時レンジ仲値を採用した。
東京17時値をNY終値とは扱わない。

今日の主題

中東の攻撃と航路不安が原油の供給プレミアムを押し上げる

10月23日、WTI12月限(CLZ26)は103.27ドルで清算し、前日比3.80ドル高。
Reutersによると、フーシ派がサウジアラビア各地でエネルギー施設を含む攻撃を続け、UAE当局もタンカー由来とみられる油膜を沿岸で確認しました。
発生源は特定されていません。
市場は「実際に供給が何バレル減ったか」だけでなく、ホルムズ海峡やバブ・エル・マンデブ海峡を通る輸送が妨げられる確率を価格に織り込みました。

原油高は輸送・素材・燃料コストを通じて企業利益を圧迫し、家計の実質購買力も削ります。
物価が下がりにくいとの見方が強まれば、金利低下の余地も狭まりやすい。
この日は米国株が下落し、米10年金利も前日の4.96%から米財務省基準で5.00%へ上昇しました。
APはS&P500構成銘柄の約4分の3が下落したと報じています。
一方、輸出量や主要航路が維持され、攻撃が継続的な操業停止に結びつかなければ、供給プレミアムは剥がれ得ます。

Reutersの清算値はWTI12月限が103.27ドル(前日99.47ドルから+3.82%)、ブレント先物が116.72ドル(前日113.17ドルから+3.14%)。
米株終値はダウ52,215(−1.23%)、S&P500 7,624(−0.52%)、ナスダック25,955(−0.21%)でした。

日本のコアCPIが2%台へ戻り、日銀の判断材料に

総務省が10月23日08:30 JSTに公表した9月全国CPIは、総合が前年比+2.1%、生鮮食品を除くコアも+2.1%、生鮮食品とエネルギーを除くコアコアは+2.4%でした。
Reutersによると、コアの市場予想も+2.1%で、8月の+1.7%から9カ月ぶりに2%を上回りました。
コアコアも8月の+1.9%から加速しています。

予想どおりの数字なので、当日のサプライズよりも上昇の広がりが重要です。
Reutersは中東情勢による燃料費、円安を通じた輸入価格、AI需要を背景とする価格圧力を挙げ、サービス価格も+1.5%(8月+1.2%)へ伸びたと報じました。
エネルギーだけでなく基調的な物価が強まれば日銀の追加利上げを支えますが、原油高が家計や企業活動を冷やす面もあり、単月のCPIだけで次の決定は確定しません。

Watchlist

期間 確認項目 注目水準・イベント 見方が変わる条件
短期 中東の供給・航路 WTI12月限103.27ドル、ブレント116.72ドル。サウジの輸出設備、ホルムズ海峡・バブ・エル・マンデブ海峡、UAE沿岸の油膜を確認。 輸出量や通航が保たれれば供給プレミアム後退。操業停止や通航減少が広がれば長期化リスクが増す。
短期 FOMC 10/28 14:00 EDTの声明=10/29 03:00 JST、会見03:30 JST。 原油高を受けたインフレ評価と、12月利上げへの含みが市場金利を動かすか。
短期 日銀金融政策決定会合 10/29–30。政策決定は10/30予定、公表時刻は未定。展望レポートの「基本的見解」は決定直後に公表予定。 物価見通しの上方修正や基調インフレへの評価が示されるか。
中期 物価と実質需要 9月コア+2.1%、コアコア+2.4%。今後の物価指標と企業・家計への原油転嫁を確認。 エネルギーを除く上昇も続けば基調インフレ、鈍れば輸入コスト主導の一時圧力とみる余地。
📘 今日の学習(クリックで展開/全員必読ではありません)

供給ショックでは、原油高が物価を押し上げる一方、企業コストと家計負担を増やして需要を弱めます。
需要拡大による景気の強さとは異なり、株安と金利高が同時に起きることがあります。
ただし、供給途絶が確定したわけではありません。WTI12月限103.27ドルは供給不安を含む市場価格で、輸出と航路が保たれればリスク分は縮小し得ます。

出典