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ナレル、ATJC売却完了 連結と個別で損失額に差

企業ニュース · · 執筆: KID

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概要

ATJCの売却は完了し代金は確定。連結と個別の損失額は異なり、連結では非継続事業の損益に含める予定です。差の理由と残る事業の計画を確認します。

前提: 株式会社ナレルグループ(以下、ナレルグループ)は、建設・ITソリューション事業を展開しています。今回、IT人材事業を手掛ける株式会社ATJCの全株式を株式会社セキュアソフトへ売却しました。

ひとことで言うと: ナレルグループはATJCの売却を終えましたが、同じ取引でも連結と個別で異なる損失を見込み、連結では非継続事業の損益として表示する予定です。

売却価格が決まっても、決算への影響は同じ金額にはなりません。売却の議案と決算説明をつなぐときに、何を分けて確認するかが分かるニュースです。

詳細

代金は確定、損失額はまだ見込み

ナレルグループは、株式譲渡契約に定めた価額調整を反映し、最終譲渡価額が1,144百万円に確定したと臨時報告書で明らかにしました。株式譲渡は完了しており、契約を結んだ段階から、実行後の損益を確かめる段階に進んでいます。

ただ、価格の確定と損失額の確定は別です。今回公表された金額と、その性質を並べると次のようになります。

主体 指標・対象 金額 確定度
ナレルグループ 最終譲渡価額 1,144百万円 確定
ナレルグループ 2026年10月期・個別日本基準の株式売却損 85百万円 見込み
ナレルグループ 2026年10月期・連結IFRSの株式譲渡損失 564百万円 見込み

損失額は決算確定作業などで変わる可能性があります。また、連結ではATJCの事業を非継続事業、つまり継続する事業とは分けて表示する事業に分類し、今回の損失もその当期損益に含める予定です。

売り手の規模と、移る事業を分けて見る

ナレルグループの2025年10月期の連結の売上収益は約242億円です。これはグループ全体の規模であり、売却対象だけの売上ではありません。同社の業績説明では、建設・ITソリューション事業で技術者の在籍人数や稼働人数が伸びたとしています。

一方、ATJCはIT人材の派遣や、技術者が開発などを支援するSESを中心に事業を展開しています。買い手側のサービス&セキュリティ株式会社の発表では、未経験人材の採用・育成にも取り組んできた会社と紹介されています。

買い手はセキュアソフトです。そのグループ側は、ATJCを迎え、DXコンサルティングに加えてセキュリティやインフラ領域でも強みを組み合わせると説明しています。売り手の決算への影響と、買い手側の連携方針がそれぞれ示された形です。

どのような影響が?

ここから読み取れること

今回の特徴は、代金・損失額・損益の表示先が別々の確認事項になっていることです。入ってくる代金だけで売却を評価すると、連結での損失や、継続する事業との分け方を見落とすかもしれません。売却の説明は、価格と会計上の影響をつないで初めて判断に使える、と言えそうです。

連結と個別の損失額が異なる理由は、公開されている情報からは分かりませんでした。ATJCの売上・利益の推移、セキュアソフトの売上・利益や取得資金の手当て、売却代金の使途も確認できていません。損失の差を、のれんが原因だと決めつけることはできません。

自社に置き換えると

事業売却の会議では、受け取る代金、個別と連結の損失、その表示先を同じ資料で説明できるかを確かめたいところです。差の理由を担当者が説明できるようにすると、価格交渉と決算対応の話がつながります。

もうひとつは、売却後に残る事業の見え方です。売却対象の採算を切り分けたうえで、継続する事業の計画をどう説明するかまで用意すると、撤退の判断を検証しやすくなりそうです。

まとめ

  • ATJCの全株式売却が完了し、最終譲渡価額が確定しました。
  • 連結と個別の損失は異なる金額の見込みで、決算作業で変わる可能性があります。
  • 連結では非継続事業の損益に含める予定です。
  • 売却判断では、代金・損失・残る事業の計画をつないで確認したいところです。

出典

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