第4号2026-07-11
ティアフォーIPOを読み解く——日本の自動運転はどこまで来たのか、投資家は何を確認すべきか
2026年7月22日、自動運転ソフトウェアのティアフォー(証券コード593A)が東証グロース市場に上場する予定です。
公募・売出あわせた吸収金額は最大約267億円と、今年のグロース市場でも有数の大型IPOです。
「自動運転は夢の成長産業だから買い」なのか、「売上64億円で年間約48億円の赤字を出す会社は危険」なのか。ネット上の議論は、だいたいこの二択に割れています。
先に、この記事の結論を置きます。
答えはどちらでもありません。「自動運転市場が成長すること」と「ティアフォーが儲かること」は、別の問いです。
この2つを切り分けて、それぞれを確認可能な事実で追えるようになることが、このIPOとの正しい付き合い方だと考えます。
私は普段、事業の数字を分解して「何にいくら使い、それがどう効いているのか」を読み解く仕事(FP&A=経営企画・財務計画)をしています。
この記事はその目線で、有価証券届出書などの一次資料だけを土台に、日本の自動運転の現在地とティアフォーの中身を整理するものです。
売買の推奨や目標株価の提示はしません。
なお本記事は2026年7月11日時点の確認情報に基づきます。
公募価格は7月13日に決定予定のため、執筆時点では未定です。
価格に連動する数値はすべて仮条件(1,015〜1,085円)ベースの暫定値として扱います。
この記事で読めること
- ティアフォーIPOの条件(仮条件・時価総額・資金使途・ロックアップ)を一次資料ベースで
- 運転支援と自動運転の違い、レベル2〜4が実用上どう違うのか
- 日本の自動運転の制度と実装がどこまで進み、何がボトルネックか
- Waymo・Tesla・中国勢と並べたときの、日本とティアフォーの立ち位置
- 営業赤字105億円の中身——補助金で成り立つ損益構造の読み方
- 赤字企業を何と比べるか——比較企業のバリュエーション表と、その限界
- 上場後も使い続けられる、5つの論点のチェックリスト(最後にまとめます)