📚 業界ノート

電気・ガス業主要プレイヤー比較

【経済・電気・ガス業】電気・ガス業プレイヤー比較

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目次
  1. 1. 比較の枠組み
  2. 比較対象とその選定理由
  3. 評価軸
  4. 2. 全社財務サマリー(最新FY)
  5. 3. 財務比較(5か年推移)
  6. 売上高推移(億円)
  7. 営業利益推移(億円)
  8. 純利益推移(億円)
  9. 営業利益率推移(%)
  10. ROE推移(%)
  11. 営業キャッシュフロー推移(億円)
  12. 自己資本比率推移(%)
  13. 有利子負債推移(億円)
  14. D/Eレシオ推移(倍)
  15. 配当性向推移(%)
  16. 1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)
  17. 4. セグメント別収益構成(最新期)
  18. 5. 各社個別評価
  19. 6. 比較サマリー — どこが勝っているか
  20. 評価マトリクス
  21. 勝者と理由
  22. 注目すべき構造変化
  23. 関連レポート

電気・ガス業主要プレイヤー比較


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電気・ガス業(電力3社+ガス2社)の上場5社を横断比較します。**結論は §6「どこが勝っているか」**にあります。

  1. §1–2 枠組み・全社サマリー — 比較軸と最新期(FY2025)の主要指標(詳細な財務マトリクスは折りたたみ)
  2. §3 財務比較 — 成長性・収益性・キャッシュ・健全性・株主還元を5か年推移+グラフで
  3. §4–5 セグメント・各社個別評価 — 規制/自由化部門構成と各社の個別評価(集約図に集約)
  4. §6 総合評価 — 多軸ヒートマップで「どこが勝っているか」を結論づけ

電気・ガス業は業種タイプ4(規制インフラ型)。燃料費調整制度の転嫁ラグ・原子力稼働率・規制料金改定が収益の先行指標になる。
膨大な発電・送配電・導管設備を抱える装置産業で、有利子負債と燃料価格に業績が強く連動する。


1. 比較の枠組み

比較対象とその選定理由

# 企業名 証券コード 選定理由
1 東京電力ホールディングス 9501 売上6.8兆円の最大手。福島後のHD体制・法的分離先行。廃炉債務が業界特有リスクの代表例
2 関西電力 9503 原子力依存度最高・FY2025営業利益率10.8%と業界最高水準の収益性
3 中部電力 9502 JERAで国内最大の火力発電を保有。自己資本比率39.1%で電力3社中最高
4 東京瓦斯 9531 ガス業界最大手。電力小売・海外LNG・再エネへの総合エネルギー転換の先行事例
5 大阪瓦斯 9532 ガス第2位。自己資本比率52.8%(5社最高)・CVC投資で次世代事業を開拓

注: 5社は全社JP GAAPで会計基準は統一されている。
電力3社(東電・関電・中電)は送配電の法的分離(HD体制)完了済み。
ガス2社(東ガス・大ガス)も導管事業を分離。
規制部門(送配電・導管)の安定収益と自由化部門(小売・再エネ・海外)の成長性が評価の2軸。

評価軸

本レポートでは以下の観点で各社を評価する:


2. 全社財務サマリー(最新FY)

データ基準日: 財務 = 各社 FY2025(2025年3月期)/ 株価 = 2026-05-17 単位: 金額は億円、比率は %、EV/EBITDA は倍。
自己資本比率・ROE・D/E の分母は、一次資料で確認した行の意味に従い、JGAAPは純資産−非支配持分、IFRSは親会社の所有者に帰属する持分で統一しています。

指標 FY2025
東京電力ホールディングス
FY2025
関西電力
FY2025
中部電力
FY2025
東京瓦斯
FY2025
大阪瓦斯
売上高 68,104 43,371 36,692 26,368 20,690
営業利益 2,345 4,689 2,420 1,331 1,607
営業利益率 3.4% 10.8% 6.6% 5.0% 7.8%
純利益 1,613 4,204 2,021 742 1,344
ROE 4.3% 13.7% 7.3% 4.3% 8.0%
自己資本比率 25.1% 31.8% 39.1% 44.8% 52.8%
営業CF 3,612 5,753 3,013 3,631 2,837
EV/EBITDA 11.2x — — — —

業態典型値チェック: 電力大手 営業利益率3〜11%・ガス大手 営業利益率5〜8%はいずれも公益事業の典型レンジ内。
FY2025は燃料費低下で正常化水準。関電はROE13.7%と5社最高で原子力稼働×低燃料費が効く一方、東電HD(ROE4.3%・D/E1.64)は原発事故後の財務再建途上、東ガス(ROE4.3%)は自己資本が厚い分ROEが低く出る。

📊 最新期 財務マトリクス(科目 × 全5社/クリックで展開)

単位: 金額は億円(円÷1億・四捨五入)。DSO/DIO/DPO/CCC は日数、利益率・自己資本比率・ROE は %、EV/EBITDA は倍。FYは全社 FY2025。

科目 FY2025
東京電力ホールディングス
FY2025
関西電力
FY2025
中部電力
FY2025
東京瓦斯
FY2025
大阪瓦斯
【PL】
売上高 68,104 43,371 36,692 26,368 20,690
売上原価 — — — 22,306 16,634
営業利益 2,345 4,689 2,420 1,331 1,607
営業利益率 3.4% 10.8% 6.6% 5.0% 7.8%
純利益 1,613 4,204 2,021 742 1,344
【CF】
営業CF 3,612 5,753 3,013 3,631 2,837
減価償却費 3,675 3,318 1,709 2,638 1,275
【資産】
流動資産 24,636 19,710 11,427 10,471 8,128
売掛金 6,661 4,964 3,120 4,415 3,179
棚卸資産 1,389 2,874 3,050 1,386 2,050
現預金 9,265 9,414 — — —
有形固定資産 — — — 14,537 14,277
のれん — — — 59 41
総資産 149,870 96,527 71,248 38,551 32,005
【負債・純資産】
流動負債 47,415 16,801 12,550 6,102 4,098
買掛金 4,850 2,342 2,294 1,026 1,037
固定負債 64,594 48,431 30,092 14,434 10,514
総負債 112,009 65,452 42,663 20,536 14,612
有利子負債 61,683 39,068 27,572 13,080 11,184
純資産合計 37,861 31,075 28,585 18,015 17,393
非支配持分 269 416 720 760 505
自己資本 37,592 30,659 27,865 17,254 16,888
自己資本比率 25.1% 31.8% 39.1% 44.8% 52.8%
D/E比 1.64 1.27 0.99 0.76 0.66
【運転資本】
DSO(日) — — — 61 56
DIO(日) — — — 23 45
DPO(日) — — — 17 23
CCC(日) — — — 67 78
【収益性】
ROE 4.3% 13.7% 7.3% 4.3% 8.0%
EV/EBITDA(倍) 11.2 — — — —

出典: EDINET DB EDINET 財務データ(XBRL直接)。
金額は円→億円換算(円÷1億・四捨五入)。自己資本=純資産−非支配持分。
自己資本比率=自己資本÷総資産、ROE=純利益÷期末自己資本、D/E=有利子負債÷自己資本
。
電力3社(東電・関電・中電)は燃料費を売上原価として開示しない構造のためDSO/DIO/DPO/CCCは「—」(無借金等を意味しない)。
ガス2社のみCCC算出。
各社 総資産=総負債+純資産合計 を検証済み。


3. 財務比較(5か年推移)

計算規約・出典(クリックで展開)
  • 出典は EDINET DB EDINET 財務データ(XBRL直接・各社有報 FY2021〜FY2025)。金額は円→億円換算(円÷1億)。すべて生データからの導出で推測値は含まない。
  • 自己資本 = 純資産 − 非支配持分。自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産。ROE = 純利益 ÷ 期末自己資本。D/E = 有利子負債 ÷ 自己資本。配当性向 = 配当総額 ÷ 純利益。
  • 電力会社(東電・関電・中電)は燃料費を売上原価として開示しない構造のためCCC「—」(無借金等を意味しない)。各社 総資産 = 総負債 + 純資産 を検証済み。

5か年推移は 行 = 企業 / 列 = 年 で表示(前年比の把握が容易)。最新期の全科目は §2 直下のトグル「最新期 財務マトリクス」を参照。

📈 3-1 成長性 売上・営業利益・純利益(5か年)

売上高(棒・左軸)と営業利益(線・右軸)の5か年推移(5社)

売上高推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025 4Y CAGR
東京電力ホールディングス 58,668 53,099 81,122 69,184 68,104 +3.8%
関西電力 30,924 28,519 39,519 40,594 43,371 +8.8%
中部電力 29,354 27,052 39,867 36,104 36,692 +5.7%
東京瓦斯 17,651 21,549 32,896 26,624 26,368 +10.6%
大阪瓦斯 13,641 15,911 22,751 20,830 20,690 +11.0%

FY2023の高水準はウクライナ侵攻後の燃料費高騰・燃料費調整額の急拡大が売上を押し上げた効果。
FY2024以降はLNG・石炭価格の落ち着きで売上が正常化。
関電(+8.8%)・ガス2社(+10%超)が高い4Y CAGRを確保している背景には電力小売の全国越境拡大とガス販売量の伸びがある(起点FY2021の低水準も寄与)。

営業利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 1,435 462 ▲2,290 2,789 2,345
関西電力 1,457 993 ▲521 7,289 4,689
中部電力 1,457 ▲538 1,071 3,433 2,420
東京瓦斯 777 1,275 4,215 2,171 1,331
大阪瓦斯 1,125 992 600 1,726 1,607

FY2023の営業赤字(東電▲2,290億・関電▲521億)は燃料費急騰と燃料費調整制度の転嫁ラグが主因。
FY2024は燃料費正常化に加え、東電では2023年6月の規制料金値上げ、関電では原子力稼働が改善に寄与した。
FY2025は正常化水準へ収斂中。
東ガスのFY2023高利益(4,215億)はLNG上流事業が高騰局面で利益を生んだ構造(電力より転嫁が早いガスの特性)。

純利益推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 1,809 — ▲1,236 2,678 1,613
関西電力 1,090 858 177 4,419 4,204
中部電力 1,472 ▲430 382 4,031 2,021
東京瓦斯 495 957 2,809 1,655 742
大阪瓦斯 809 1,304 571 1,327 1,344

FY2023は燃料費の重荷で東電・中電の純利益が圧迫されたが、FY2024に各社が大幅増益。
関電はFY2024に純利益4,419億の過去最高級を計上し、FY2025も4,204億を維持。
東ガスはFY2025に742億へ減益(燃料費調整の逆回転)、大ガスは1,344億で安定。

💰 3-2 収益性 営業利益率・ROE

営業利益率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 2.4 0.9 ▲2.8 4.0 3.4
関西電力 4.7 3.5 ▲1.3 18.0 10.8
中部電力 5.0 ▲2.0 2.7 9.5 6.6
東京瓦斯 4.4 5.9 12.8 8.2 5.0
大阪瓦斯 8.2 6.2 2.6 8.3 7.8

5か年の振れ幅(関電:▲1.3%→18.0%→10.8%)は燃料費調整制度のラグと原子力稼働のダブル効果を示す。FY2025は全社が正常化レンジ内に収まっており、3〜11%が当面の巡航水準。

ROE推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 5.8 — ▲4.0 7.6 4.3
関西電力 6.5 5.2 1.0 19.4 13.7
中部電力 7.2 ▲2.1 1.9 15.6 7.3
東京瓦斯 4.3 7.6 18.0 9.8 4.3
大阪瓦斯 7.5 10.3 4.1 8.4 8.0

ROEはFY2025に関電が13.7%で5社最高(原子力稼働×低燃料費の掛け算が資本効率を高める)。
東電HD(4.3%)・東ガス(4.3%)が低水準——東電は原発事故後の廃炉債務で純資産が増えず、東ガスは自己資本が厚い分ROEが低く出る(ROE改善が株主の最大要求課題)。

💵 3-3 キャッシュ創出 営業キャッシュフロー

営業キャッシュフロー推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 2,398 4,065 ▲757 6,730 3,612
関西電力 3,692 4,103 1,280 11,550 5,753
中部電力 3,841 217 2,958 3,441 3,013
東京瓦斯 2,556 1,452 4,870 3,163 3,631
大阪瓦斯 2,198 1,454 336 3,126 2,837

装置産業ゆえ巨額の減価償却費が営業CFを下支えする。
FY2024は燃料費正常化と利益回復で各社のCFが膨らみ(関電1.15兆円)、FY2025は正常化水準へ。
潤沢なCFは設備投資・有利子負債返済・株主還元の原資となる。

🔄 3-4 運転資本(CCC) 燃料在庫・運転資本

CCC(運転資本の重さ)横棒

電力3社(東電・関電・中電)は燃料費を売上原価として開示しない構造のためCCCは「—」、ガス2社(東ガス67日・大ガス78日)のみ算出。
電気・ガス業のCCCは食品の逆算型(マイナス)とは対照的にプラス圏で、燃料在庫(LNG基地・石炭ヤード)の保有がDIOを押し上げる。
長期契約(Take or Pay条項)による安定調達が優先されるため、棚卸管理より契約管理が運転資本の核心。
燃料費調整制度の転嫁ラグ(3〜5か月)がCCCに追加的な現金拘束を生む。

🛡️ 3-5 財務健全性 自己資本比率・有利子負債・D/E

自己資本比率推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 25.8 24.8 22.8 24.1 25.1
関西電力 20.9 19.2 20.4 25.2 31.8
中部電力 35.7 32.7 31.9 36.4 39.1
東京瓦斯 42.1 39.3 43.5 43.4 44.8
大阪瓦斯 46.8 49.1 49.3 52.9 52.8

有利子負債推移(億円)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 44,958 49,426 51,634 57,676 61,683
関西電力 35,916 40,420 43,333 40,431 39,068
中部電力 21,716 24,591 26,914 27,982 27,572
東京瓦斯 9,396 11,727 12,229 13,231 13,080
大阪瓦斯 6,883 7,155 8,115 9,942 11,184

D/Eレシオ推移(倍)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス 1.44 1.55 1.67 1.64 1.64
関西電力 2.13 2.44 2.42 1.78 1.27
中部電力 1.07 1.22 1.31 1.08 0.99
東京瓦斯 0.81 0.94 0.78 0.78 0.76
大阪瓦斯 0.64 0.56 0.58 0.52 0.66

大阪瓦斯が自己資本比率52.8%・D/E0.66で5社最高の財務要塞。
ガス系はガス導管インフラへの設備投資が電力の原発・送電線に比べ相対的に軽く、自己資本比率が構造的に高い。
電力系は送電線・発電設備という膨大な重資産が総資産を押し上げ、有利子負債依存度が高くなる構造。
東電HDの25.1%・D/E1.64は廃炉費用という固有の重荷を反映し、原発事故後の財務再建途上にある。
関電はFY2025にD/E1.27へ大きく改善した。

🎁 3-6 株主還元・1株価値 配当性向・EPS/BPS

配当性向推移(%)

社名 FY2021 FY2022 FY2023 FY2024 FY2025
東京電力ホールディングス — — — — —
関西電力 40.9 51.9 252.6 10.1 11.7
中部電力 25.7 — 98.9 9.4 22.4
東京瓦斯 53.4 27.6 10.5 16.6 38.5
大阪瓦斯 25.7 17.5 43.7 19.6 29.4

配当性向=配当総額÷親会社株主帰属純利益。純損失期・無配期は「—」。東電HDは5期とも無配であり、関電・中電は燃料費高騰期の利益変動で配当性向が大きく振れた。ガス2社は相対的に安定している。

1株当たり指標(最新期FY2025・EPS / BPS)

社名 最新FY EPS(円) BPS(円)
東京電力ホールディングス FY2025 45.5 1,722.3
関西電力 FY2025 377.0 2,752.0
中部電力 FY2025 267.4 3,689.7
東京瓦斯 FY2025 192.2 4,669.4
大阪瓦斯 FY2025 337.8 4,254.1

EPS・BPSは各社有価証券報告書の公表値。燃料費高騰・正常化で純利益の振れ幅が大きいため、最新期のみ掲載。


4. セグメント別収益構成(最新期)

社名 主要セグメント 収益構成・特色 補足
東京電力ホールディングス エナジーパートナー78.9% / パワーグリッド17.8% / ホールディングス2.0% / リニューアブルパワー1.3% / フュエル&パワー0.1% 首都圏小売が売上の大半。送配電17.8%は電力3社中最高比率 JERA合弁でアンモニア・洋上風力を推進
関西電力 エネルギー事業81.6% / 送配電事業9.0% / 情報通信事業5.2% / 生活・ビジネスソリューション事業4.2% 原子力稼働で低コスト小売が競争力の源泉 電力・ガス越境で全国シェア拡大中
中部電力 ミライズ79.3% / パワーグリッド11.2% / その他9.5% JERAから発電調達。JERAコスト連動が特徴 浜岡原発は停止中(再稼働未定)
東京瓦斯 エネルギー・ソリューション87.6% / 海外6.9% / ネットワーク(導管)3.7% / 都市ビジネス1.9% 総合エネルギー転換の先行事例。米国TG Natural Resourcesが海外事業を担う 水素・e-methane技術開発を積極推進
大阪瓦斯 国内エネルギー83.8% / ライフ&BizSol11.0% / 海外エネルギー5.2% 「Daigas Group」ブランド。関西圏の都市ガス導管網が安定収益基盤 CVC投資で水素・アンモニア・SAFへ

5社とも規制部門(送配電・導管)の安定収益と自由化部門(小売・再エネ・海外)の成長投資が混在する構造。構成比はFY2025のセグメント開示に基づく。


5. 各社個別評価

各社の個別評価サマリー(特色・強み・弱み・直近の動き)


6. 比較サマリー — どこが勝っているか

評価マトリクス

評価軸東京電力HD関西電力中部電力東京瓦斯大阪瓦斯
収益性★★★★★★★★★★★★★★★★
財務健全性★★★★★★★★★★★★★★★★★★
規制部門安定性★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
成長性(自由化)★★★★★★★★★★★★★★★★
資本効率(ROE)★★★★★★★★★★★★★★★
バリュエーション★★★★★★★★★★★★★★★★★
総合★★★★★★★★★★★★★★★★

★が多いほど高評価(5段階)。色が濃い緑=強み、赤=弱み。総合は6軸を踏まえた結論。

評価ポジショニング(営業利益率 × ROE、バブル=売上規模)

勝者と理由

収益性・資本効率の圧倒的勝者は関西電力(営業利益率10.8%・ROE13.7%)——原子力稼働による低燃料費構造と電力小売越境の全国展開が両輪。
FY2024の純利益過去最高級(4,419億円)がこの優位性を証明する。
財務もFY2025にD/E1.27・自己資本比率31.8%へ改善した。
ただし原子力依存リスクと2023〜2024年の不祥事(カルテル・情報漏洩)が長期的な信頼性課題として残る。

財務健全性の勝者は大阪瓦斯(自己資本比率52.8%・D/E0.66)。
ガス系2社は電力系より原発廃炉・大型発電設備の重荷がなく、財務余力(大型投資・増配・自社株買い)が最も大きい。
ただし大ガスのROE8.0%・東ガスのROE4.3%は財務健全性の反面で資本効率の改善余地を示す。

東京電力HDは原発事故後の財務再建途上——営業利益率3.4%・ROE4.3%・D/E1.64と低位で、福島第一の事故対応費用は2016年の経済産業省試算で総額約21.5兆円(うち廃炉約8兆円)に及び、自己資本比率は25.1%にとどまる。
一方でPERは低く、規制送配電の安定収益と柏崎刈羽再稼働の上振れ余地がバリュエーション上の論点となる。

注目すべき構造変化


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