理解度チェック_セグメント編
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目次
- 第1部 業態区分と市場規模(機械セグメント分析_1_業態区分と市場規模)
- Q1. 業態区分と収益性・財務の頂点 🟦
- Q2. 規模型と部品/FA型の二極構造 🟦
- Q3. 開示の落とし穴(コマツ米国基準・ROE分母)🟨
- 競争構造・バリューチェーン(第1部に統合)
- Q4. 参入障壁と競争構造の業態差 🟦
- Q5. オペレーティングレバレッジ 🟨
- Q6. 機械型P/L構造とCCCの長さ 🟨
- 第2部 FP&A断面と投資視点(機械セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点)
- Q7. 受注残とBook-to-Bill比 🟦
- Q8. 見込生産と受注生産(開示の差)🟨
- Q9. 評価手法とサイクル業種 🟨
- 関連リンク
機械セグメント分析 クイック確認
機械セグメント分析_1_業態区分と市場規模・機械セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点を読んだ後の理解度チェック(全9問)。🟦=基礎 / 🟨=応用。各問の解答・採点観点は折りたたみ内。
第1部 業態区分と市場規模(機械セグメント分析_1_業態区分と市場規模)
Q1. 業態区分と収益性・財務の頂点 🟦
問題: 機械業の5専門分野(業態)をすべて挙げよ。また、FY2025で営業利益率が最も高い企業と、自己資本比率が最も堅牢な企業をそれぞれ答えよ。
解答と採点観点
解答: 5業態 = 建設機械(コマツ)/農業機械・水環境(クボタ)/空調・冷凍機(ダイキン)/空気圧機器(SMC)/FA・産業用ロボット(ファナック)。
営業利益率最高はSMC(24.0%)、自己資本比率最堅牢もSMC(91.8%)(ファナック89.0%が僅差で続く)。
採点観点: ①5業態を列挙 ②営業利益率最高=SMC24.0% ③自己資本比率最堅牢=SMC91.8%(ファナックでも可)
出典: 第1部 §2-1・§3
Q2. 規模型と部品/FA型の二極構造 🟦
問題: 機械5社は売上規模と営業利益率が逆相関の二極構造にある。
規模型3社(コマツ・クボタ・ダイキン)と部品/FA型2社(SMC・ファナック)の、売上規模と営業利益率のおおよその水準をそれぞれ述べよ。
解答と採点観点
解答: 規模型は売上3.0〜4.8兆円だが営業利益率8〜11%(装置産業のコスト構造が上限)。
部品/FA型は売上約8,000億円だが営業利益率20〜24%(世界シェア首位の価格決定力)。
採点観点: ①規模型=兆円規模・利益率1桁台 ②部品/FA型=8,000億規模・利益率20%超 ③(補足)世界シェアによる価格決定力が高利益率の源泉
出典: 第1部 §1・§3-1
Q3. 開示の落とし穴(コマツ米国基準・ROE分母)🟨
問題: コマツのFY2025で営業利益率・CCCが「—」となっている理由を述べよ。また、本分析がROEと自己資本比率の分母を「自己資本=純資産−非支配持分」に統一している理由を説明せよ。
解答と採点観点
解答: コマツは米国基準(US-GAAP)で連結営業利益・売上原価・棚卸資産がEDINET XBRLに非開示のため、営業利益率・CCCが算出不可(IR公表営業利益率は約16.0%)。
ROEを純利益÷自己資本(純資産−非支配持分)とするのは、roeOfficialが非支配持分を含む純資産を分母にして過大に出るのを補正し、自己資本比率と分母を統一するため。
採点観点: ①コマツ米国基準で営業利益・売上原価・棚卸非開示 ②非支配持分を除いた自己資本が正しい分母 ③ROEと自己資本比率の分母統一
出典: 第1部 §3注記・プレイヤー比較§2訂正注記
競争構造・バリューチェーン(第1部に統合)
Q4. 参入障壁と競争構造の業態差 🟦
問題: 機械5業態のうち、新規参入の脅威が最も低く競争が世界寡占となっている業態を2つ挙げよ。その障壁の正体は何か。
解答と採点観点
解答: 空気圧機器(SMC)とFA・産業用ロボット(ファナック)。
障壁の正体は極めて高い技術障壁+世界シェア首位の地位(SMC空圧35%超・ファナックCNC50%超)で、新規参入はほぼ不可能。
採点観点: ①空圧(SMC)とFA(ファナック) ②技術障壁+世界シェア首位 ③(補足)高収益ニッチである点
出典: 第1部 §4(5フォース)
Q5. オペレーティングレバレッジ 🟨
問題: SMC・ファナックのような部品/FA型は「高オペレーティングレバレッジ」と言われる。これはどういう意味か。FY2023→FY2024の営業利益率の動きを例に説明せよ。
解答と採点観点
解答: 原材料比率が低くR&D等の固定費比率が高いため、操業度(売上)の変動が利益を増幅する構造。
FY2023→FY2024は売上が約6%減ったのに対し、営業利益率が**SMC 31%→25%・ファナック22%→18%**へ急落した(固定費が吸収しきれず利益率が大きく下振れ)。
回復時は逆に利益率改善が急峻。
採点観点: ①固定費比率が高く操業度変動で利益が増幅 ②売上減でも利益率が大きく下落(SMC/ファナックのFY2023→24) ③回復時は急峻に改善
出典: 第1部 §5-2・§5-3/第2部 §7-2
Q6. 機械型P/L構造とCCCの長さ 🟨
問題: 機械の売上総利益から当期純利益までのP/L構造を順に述べよ。また、機械業のCCCが食品より格段に長い(146〜472日)理由と、SMCのCCCが472日と突出する理由を答えよ。
解答と採点観点
解答: 売上総利益(=売上−売上原価)→ −販管費(R&D・販売・物流)→ 営業利益 → ±営業外・特別損益 −税 → 当期純利益。
機械は資本財で受注から回収まで長く、完成機械・部品在庫が重いためCCCが長い。
SMCの472日は200品種超のカタログ部品を翌日納品体制で常時在庫するためDIO(在庫回転日数)が417日と極端に長いことが要因。
採点観点: ①売上総利益→販管費→営業利益→純利益 ②資本財で在庫・回収が重くCCCが長い ③SMCはカタログ在庫でDIOが極端
出典: 第1部 §5-2・§5-3/プレイヤー比較§3-4
第2部 FP&A断面と投資視点(機械セグメント分析_3_FP&A断面と投資視点)
Q7. 受注残とBook-to-Bill比 🟦
問題: 機械業固有の需要先行指標である「受注残高」と「Book-to-Bill比」とは何か。SMCの受注残はFY2023からFY2025にかけてどう動いたか、それが意味することと併せて述べよ。
解答と採点観点
解答: 受注残高=受注済みで未売上計上の残高(需要パイプラインの厚み)。
Book-to-Bill比=受注高÷売上高(>1.0で需要拡大・受注残積み上がり、<1.0で在庫消化)。
SMCの受注残はFY2023の1,792億でピーク(FA・半導体投資の好況)→FY2025は884億へ半減し、設備投資サイクルの谷(在庫消化局面、B/B比0.97倍)にあることを示す。
採点観点: ①受注残=未売上の受注パイプライン ②B/B比=受注÷売上(>1拡大/<1消化) ③SMC受注残のピークアウト(1,792→884)と谷局面
出典: 第2部 §7-3-1
Q8. 見込生産と受注生産(開示の差)🟨
問題: 機械5社のうち、受注残を開示しない(見込生産=make-to-stock)企業はどれか。受注残が開示できない場合、需要動向は何で読むか。
解答と採点観点
解答: コマツとダイキンが見込生産で受注残を非開示(在庫・販売実績・稼働率で需要を読む)。
コマツは鉱山稼働率・地域別販売、ダイキンは空調出荷・地域別販売が代替指標。
クボタの受注残の大半は受注生産型の水・環境(鉄管・プラント)由来で、中核の農機は見込生産。
採点観点: ①コマツ・ダイキンが見込生産で非開示 ②代替は在庫・販売実績・稼働率 ③(補足)クボタの受注残は水環境主体・農機は見込生産
出典: 第2部 §7-3-1/プレイヤー比較§3-5
Q9. 評価手法とサイクル業種 🟨
問題: 機械業(設備産業)の第一の評価指標は何か。サイクル業種であることを踏まえ、SMC・ファナックのような企業をバリュエーションする際の注意点を述べよ。
解答と採点観点
解答: EV/EBITDA+PBR+ROE(EV/EBITDAは設備投資サイクルを平準化)。
サイクル業種のため単年度EPSではなくスルーサイクルEPS(サイクルを通じた正常収益力)で評価する。
SMC・ファナックはピーク利益(FY2023)との比較でバリュエーションを判断する必要があり、好業績時の高PBR(SMC2.58x・ファナック3.88x)は不況期に割高感が顕在化しうる。
採点観点: ①EV/EBITDA+PBR(+ROE) ②スルーサイクルEPSで評価 ③ピーク利益比較・好業績時の高PBRの注意
出典: 第2部 §7-5・§9-1